フィールドエンジニアとは?転職メリットやキャリアパスは?

今、WEB業界ではフィールドエンジニアへの関心が高まっています。
聞きなれない職業かもしれませんが、企業の製品・サービスを購入したユーザーの要望に応じ、設置やメンテナンス、トラブル対応を担当する「会社の顔」となる職です。
WEB業界においては、コンピュータ・デジタル系の全企業・全ユーザーに貢献するニーズの高い専門職です。
ここでは、フィールドエンジニアの仕事内容をはじめ、その魅力やキャリアパスについて分かりやすく解説します。
フィールドエンジニアとは
企業活動がネット化を促進する中、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、VR(仮想現実)の技術が飛躍的に進歩して、それに付随するソフトウェアの多様化、複雑化が加速しています。
そんな時代のニーズとして、フィールドエンジニアの役割が強調されてきました。
フィールドエンジニアは『エンジニアとしてのキャリアパスの入口』とされ、特に資格や経験は必要ありません。
技術職のなかでも珍しく、未経験からでも目指しやすい職種です。
フィールドエンジニアの主な業務
フィールドエンジニアの仕事は、主に次の4つです。
- 製品・サービスの設置サポート
- 製品・サービスのメンテナンス
- 製品・サービスのトラブル解決
- 製品・サービスの説明・営業・情報収集説明
フィールドエンジニアはユーザーの所へ赴き提供する製品・サービスの説明や営業、カスタマーサポートをするという、エンジニアの中ではやや特殊な業務を担います。
なお、『会社の顔』としての役割が大きいフィールドエンジニアは、顧客のシステム安定供給や開発側の情報源として不可欠な存在です。
設置サポート
フィールドエンジニアは、クライアントが自身で製品の設置が困難な場合、設置・配線からソフトウェアのインストールや動作確認などのセットアップ、使い方のガイドをサポート。
特にOA機器・ネットワークツールの設置に関しては専門的な知識が必要な場合もあり、フィールドエンジニアが機器やシステムを設置し、使用できる状態まで責任をもって対応します。
メンテナンス
フィールドエンジニアの重要な仕事として、販売した機器・システムのメンテナンスがあります。
システムのアップデートといった定期作業や、クライアントへより詳細な使い方の説明などをサポート。
ただし、今ではオンライン対応が可能なケースも多く、クライアント先へ出向く必要は軽減されています。
トラブル解決
クライアントから機器・サービスに対するトラブルの報告があれば、フィールドエンジニアが問題解決を担当。
使用中に起こるバグやフリーズといった不具合から、メカニック面・システム面の故障まで、必要に応じて現場でトラブル解決に当たります。
製品・サービスの説明・営業・情報収集
フィールドエンジニアの仕事には営業活動(セールスエンジニア)が含まれることがあります。
見込み客に対して、技術的な面から製品・サービスの購入メリットを説明して購入へと誘導します。
なお、情報収集の一環として、フィールドワークより得た情報をマーケティングへフィードバックすることも重要な仕事です。
フィールドエンジニアのキャリアパスに必要なスキル
フィールドエンジニアとして活躍する際、一般的に必要とされるスキルは次の3つです。
これらのスキルはキャリアパスを確立する上で重要な要素であり、目指すゴールに応じてスキルアップするようにしましょう。
- コミュニケーションスキル
- 臨機応変に対応するスキル
- IT機器に関する知識とスキル
コミュニケーションスキル
フィールドエンジニアは接客業であるため、まずコミュニケーション力とそのスキルを身に着ける必要があります。
クライアントの要求を適切に応対するように、事前の打ち合わせと現場作業の適切な応対が求められます。
そのため、接客の際は専門用語を避け、分かりやすい表現で意思の疎通を図るコミュニケーションスキルが望まれます。
特にトラブル対応では、クライアントのニーズを的確に判断するための情報収集が大事です。
クライアントの身になって問題点を丁寧に伺い、その上でなすべきことを組み立てる思慮深さが求められますし、トラブルが解決困難でも粘り強く対応する精神力も求められます。
臨機応変に対応するスキル
フィールドエンジニアには臨機応変に対応するスキルが必要です。
クライアントとの接客では、その場で状況を判断し、適切な対応を施さなければなりません。
つまり、現場では自分の知識で今できる最善を尽くせるように努力します。
マニュアルにない問題に直面しても、いちいち上司や先輩にアドバイスを仰ぐ猶予がないかもしれません。
例えば、時間制限があるときや必要な道具やパーツがそろっていないときなど、自力で臨機応変に対応する必要があります。
なお、イレギュラーなケースにあっても、慌てずに対応する逆境への強さも鍛えておくと良いでしょう。
IT機器に関する知識とスキル
フィールドエンジニアは、自社の専門ツールに対して社内研修や現場経験から十分に学ぶことができます。
そのため、フィールドエンジニアには必要な資格がないとも言えます。
ただし、IT機器やWEBシステムを扱う分野ですから、基本的にIT系の知識は必要です。
『機械いじりが得意』であることも、フィールドエンジニアの基本スキルと言えます。
フィールドエンジニアの将来性
半導体関連装置やITシステムを専門とするフィールドエンジニアは、今後ますます活躍の場を拡大していくと見込まれています。
企業全般はもちろん、一般家庭においてもWEB系サービスやIoT、AIツールが普及する現在、多様化・複雑化する製品・システムの利用には専門のサポ―トが求められるでしょう。
そのニーズをカバーするのがフィールドエンジニア。
日々進化し、新しい機器・システムがリリースされるIT社会にあって、その設置や使い方を説明するニーズが高まっていきます。
フィールドエンジニアのキャリアパスとは
これからフィールドエンジニアへ転職を希望すする方は、自身の望むキャリアパスについても考慮しておくようにおすすめします。
フィールドエンジニアになるまでのキャリアパス
フィールドエンジニアへの転職を希望する方は、次のようなキャリアパスを経ていると有利かもしれません。
- IT関連商品・サービスの営業職
- IT関連のステムや機器などを扱う会社の実務経験
フィールドエンジニアは、基本的にクライアントと直接対峙する仕事ですから、営業職の経験者などが採用されやすいかもしれません。
また、IT機器やシステムなどの専門知識が必要とされるため、IT関連のステムや機器を扱う会社での実務経験者も有望なキャリアパスと言えるでしょう。
実際に、WEB業界でフィールドエンジニアとして活躍している人は、製品知識が活かせる開発畑のキャリアパスを経ている人がよく見られます。
次いで、コミュニケーション能力を持つIT機械・システム系のセールマンのキャリアパスも同様です。
フィールドエンジニアのキャリアパスにおすすめの資格
フィールドエンジニアは未経験でも採用されますが、スムーズなキャリアアップのために次の4つの資格を取得しておくと役立ちます。
なお転職前に、これらのうち1つでも取得しておくとたいへん有利です。
- MCP資格(マイクロソフト認定資格)
- 機械設計技術者試験
- ITパスポート試験
- コミュニケーション検定
フィールドエンジニアになってからのキャリアパス
フィールドエンジニアは、WEB業界において「キャリアパスの入り口」と称されています。
つまり、その後のキャリアパスには多様性があるということです。
その理由ですが、フィールドエンジニアが培うスキルには、どのような職にあっても重要な実勢的なコミュニケーションスキルが含まれること。
また、成長過程にあるWEB業界に求められるIT技術を身に着けることがあるからです。
具体的には、IT系の製品・サービスの知識・スキルを活かしたキャリアパスなら、開発エンジニアやシステムエンジニアの道が開けます。
また、コミュニケーション能力を生かすなら、セールスエンジニアやシステムの営業職などへのキャリアパスも選択できるでしょう。
フィールドエンジニア の魅力
フィールドエンジニアへ転職するメリット・魅力として、主に次の4つを挙げることができます。
- 顧客満足度に貢献する職であり、やりがいや責任感が実感できる
- 給与水準が比較的に高め
- ユーザーへの対応力やITに関する知識・スキルが高まる
- 実践的なコミュニケーションスキルに磨きがかかる
特に、20代の転職希望者にとっては給与水準が魅力となるでしょう。
ちなみに、求人ボックスによるとフィールドエンジニアの正社員の平均年収は446万円。
給与幅としては337〜918万円と、経験値や求められるスキルレベルで差がある点にも注目できます。
設定するキャリアパス如何によっては、将来の高収入が望める職種です。
フィールドエンジニアの成功例
では、フィールドエンジニアの成功例を2つ紹介しましょう。
フィールドエンジニア職への再キャリアチェンジ
こちらは、エンジニア派遣の営業からフィールドエンジニア職へ転職した成功例です。
エンジニアとして採用されたものの、人手不足から営業に異動。
エンジニアとしてやりたいことができない中での異動に加えて、待遇に不満があり転職を決意されたようです。
前々職がエンジニアであったこと、売り手市場ということでフィールドエンジニア職へキャリアチェンジに成功。
転職後は、先輩や同僚のフォローを受けながらフィールドエンジニアとしてスキルアップを実感する日々を送っているようです。
フィールドエンジニアはお客様である企業に出向くなど現場での仕事となるので、現地で適切に対応できるようになるためにもスキルアップはとても重要。
この方のように、スキルアップを実感しながらフィールドエンジニアとしてクライアントから相談があった問題を解決できるのは大きなやりがいに繋がることでしょう。
フィールドエンジニアになって多くのお客様に貢献したい!
別の例もみてみましょう。
3年間フィールドエンジニアで活躍するhottaさんは、フィールドエンジニアとしてお客様の役に立てることにやりがいを感じているようです。
メイン業務はパソコンなどのハードウェア機器の設置と設定。
最新のハードウェアを扱えることも多いことや、自分では購入しないような機器をさわることもあるので、勉強にもなっているとのこと。
現場でのお客様対応では大変な部分もあるはずですが、通信速度が速くなった!など、お客様からの反応を直接感じられることも大きな励みになっているようです。
フィールドエンジニアは、現場によっては最新の機器にさわり、自身の知識やスキルを磨けるのも魅力のひとつ。
就職する会社の業種によってもどのような経験・スキルが詰めるか大きくかわるので、どのようなフィールドエンジニアになりたいかもしっかり確認しましょう。
フィールドエンジニアにおすすめの企業3選
今後フィールドエンジニア職への転職を考えている方は、ぜひ次の3社をチェックしてみてください。
今、成長中の会社がどういった種類の会社なのか、どういった特徴を持つのかなど、転職先の選択にいろいろと参考となるでしょう。
株式会社サンエフのフィールドエンジニア
株式会社サンエフのクライアントとしては、主に官公庁や大手企業などの優良企業が多く、フィールドエンジニアのキャリアアップの幅が広がります。
具体的な事業内容として、既存システム導入先への機器導入及びセットアップ・メンテナンスサービス・オンサイトサポート・ バージョンアップ・アドオン業務などです。
なお、こちらではカスタマエンジニアのポジションがあり、コンピュータや周辺機器などのハードウェアを設置・移設・撤去する業務、ケーブル等の敷設、保守点検や修理などを行うハードウェアのエキスパートを育てています。
このように多彩な業務を経験できる会社で、求めるキュアリアパスの達成率が高いと言えるでしょう。
ネクシオンのフィールドエンジニア
ネクシオン株式会社は、スポーツやコンサートの生中継など、国内外の会場からの映像配信事業者です。
ライブ配信のスペシャリストとして、国内では貴重な映像伝送の専門業者として評価されています。
こちらの回線センターの品質はトップレベルで、現場仕事に徹底してこだわり続けてきた実績があります。
具体的には、現場ファースト主義のスローガンでクライアントのトラブル対応力を何よりも重視して活動しています。
このことから、フィールドエンジニアのレベルは高く、実践より確かなキャリアパス達成が期待できます。
向洋電機のフィールドエンジニア
向洋電機株式会社は、食品・薬品・電力などの様々なメーカーの生産ラインをプロデュースするエンジニアリング商社です。
いわゆる製造業のエンジニアリングパートナーとして、計測・制御・情報を中心に、さまざまな生産ラインの設計構築をサポートしています。
こちらでは、フィールドエンジニアの中でもクライアント対応のセールスエンジニアが重要な役目を担っていて、業界トップクラスのスキル・経験を積むことができます。
まとめ
会社の顔として、製品・サービスの設置・メンテナンス・トラブル解決に励むフィールドエンジニア。
AI化によって職場が減少する職種とは反対に、将来性が期待される分野であることは魅力です。
これからフィールドエンジニアへの転職を考えている方は、まず自身のキャリアパスを過去と現在、将来へとひとつの道として構築することをおすすめします。