転職で必要な履歴書に添える送付状の書き方
転職活動で履歴書や職務経歴書を企業に送付する際に、送付状の準備は欠かせません。
送付状は応募書類の最初に目を通される重要な文書です。
適切な書き方や構成を理解し、企業への熱意と誠意を伝えることで、書類選考突破の可能性を高めることができます。
そこで、今回は送付状の基本的な構成や書き方、気を付けたいことについて詳しく解説します。
目次
転職活動で必要な送付状とは何か?
転職活動における送付状は、履歴書や職務経歴書などの応募書類を企業に郵送する際に添付する文書です。
送付状の主な役割は、応募の意思表明、同封書類の明記、簡潔な志望動機や自己PRの伝達です。
これにより、企業への熱意と誠意を示すとともに、自身のマナーや基本的なビジネス文書作成能力をアピールすることができます。
また、送付状は書類選考の段階で重要な役割を果たしており、その有無や内容が選考結果に影響を与える可能性があります。
そのため、履歴書を送る際は必ず送付状も合わせて送付するようにしましょう。
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転職活動で送付状を書くメリット
続いて転職活動で送付状を書くメリットについて解説していきます。
ビジネスマナーのアピールができる
送付状を書くことで、ビジネスマナーをアピールできます。
企業は書類の内容だけでなく、応募者のマナーやコミュニケーション能力も重視する傾向です。
送付状を通じて相手に対する敬意や真剣さを示すことで良い印象を与えられるようになり、選考過程での高評価につながるのです。
そのため、送付状は単なる形式的な文書ではなく、転職活動における重要なアピールポイントになると言えるでしょう。
履歴書の補足が可能
送付状では、履歴書では伝えきれない志望動機や熱意を補足できます。
特に未経験の職種に応募する際、なぜその職に興味を持ったのか、どのように貢献できるかを具体的に述べることで、企業に対する強い意欲を示せるでしょう。
そして、送付状を通じて自分の背景や経験を踏まえた上での応募理由を明確に伝えることで、単なる履歴書の情報以上の価値を提供できます。
また、熱意や意欲をしっかりと表現することで企業側に「この人を採用したい」と思わせる要素が加わり、選考において有利に働く可能性が高まります。
そのため、送付状を書く際にはビジネスマナーを意識するだけではなく、熱意や意欲を伝えることも意識しましょう。
送付状の基本構成について
ここでは、送付状の基本構成について解説します。
最もベーシックな構成のため、以下を参考に作成してみましょう。
日付
日付は送付状の右上に記載します。
西暦または和暦を使用し、年月日を明記します。
なお、郵送日ではなく送付状を作成した日付を記入してください。
書類の作成時期が明確になり、企業側も応募のタイミングを把握しやすくなります。
宛名
宛名は左上、日付から一段下げた位置に記載します。
企業名、部署名、役職名を正確に記入し、最後に「御中」または「様」をつけます。
可能な限り、人事担当者の名前がわかる場合は個人宛てにすると、より丁寧な印象を与えられるでしょう。
自分の連絡先・氏名
自分の連絡先と氏名は、日付の下、宛名の位置から一段下げた位置に記載します。
そして、郵便番号、住所、電話番号、メールアドレス、氏名の順で記入しましょう。
なお、氏名にはフリガナをつけ、企業側が正確に情報を読み取れるように配慮することも大切です。
件名と前文
件名は「履歴書送付の件」など、送付の目的を簡潔に示しましょう。
また、前文では季節の挨拶や時候の言葉を用いて、丁寧な印象を与えることを意識してください。
季節のあいさつの例は以下のものがあります。
送付するころの季節の様子と合ったものを選ぶと印象がよくなります。
1月 | 新春の候、厳寒の候、大寒の候 など |
2月 | 立春の候、残寒の候、梅花の候 など |
3月 | 早春の候、浅春の候、春暖の候 など |
4月 | 麗春の候、春和の候、惜春の候 など |
5月 | 立夏の候、残春の候、新緑の候 など |
6月 | 紫陽花の候、黄梅の候、初夏の候 など |
7月 | 梅雨明けの候、盛夏の候、炎暑の候 など |
8月 | 残暑の候、晩夏の候、立秋の候 など |
9月 | 初秋の候、涼風の候、秋分の候 など |
10月 | 仲秋の候、爽秋の候、秋麗の候 など |
11月 | 深秋の候、落葉の候、晩秋の候 など |
12月 | 初冬の候、師走の候、冬至の候 など |
本文と自己PR
本文では応募理由や志望動機を簡潔に述べます。
自己PRでは、自分の強みや経験、スキルを企業のニーズに合わせて簡潔にアピールしましょう。
長すぎず、かつ具体的な内容を心がけ、企業に対する熱意と自分の適性を効果的に伝えることが重要です。
面接のお願いと結び
最後に面接の機会を希望する旨を伝え、丁寧な結びの言葉で締めくくります。
「お忙しいところ恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです」などの表現を用いて謙虚な姿勢を示しつつ、前向きな印象を与えるよう心がけましょう。
送付状の書き方
ここでは、送付状の具体的な書き方について解説します。
送付状の書き方で悩んでいる方は必見です。
A4サイズの用紙を選び、1枚以内にまとめる
送付状を書く際はA4サイズの用紙を選び、内容を1枚以内にまとめるようにしましょう。
A4サイズはビジネス文書で一般的に使用されるサイズであり、フォーマルな印象を与えます。
また、1枚に収めることで読み手も分かりやすくかつ手軽に内容を把握できるため、応募書類全体の印象が良くなります。
なお、送付状は簡潔で明瞭な表現を心がけてください。
送付状では冗長な表現や長文は避け、必要な情報を的確に伝えることが求められます。
特に、志望動機や自己PRは要点を絞って記述し、企業に対する熱意を伝えることが大切です。
さらに、フォントサイズや行間にも注意を払い、読みやすいレイアウトを心がけましょう。
一般的には、フォントサイズは10.5〜12ポイント、行間は1.5行程度が適切です。
このように送付状の書き方に工夫を凝らすことで、選考過程での評価を高められます。
横書きかつ、ですます調で記載
送付状は横書きで作成し、文体は「です・ます調」を用いることが基本です。
横書きは、ビジネス文書としてのフォーマルさを保ちながら読みやすさを向上させるため、特に近年のビジネスシーンでは一般的なスタイルとなっています。
なお、横書きにすることで視覚的にスムーズに読み進めることができ、受け取った側にとっても負担が少なくなるでしょう。
また「です・ます調」を用いることで丁寧で礼儀正しい印象を与えることができます。
この文体は相手に対する敬意を示すだけでなく、ビジネスシーンにおいて求められる基本的なマナーでもあります。
特に転職活動では、企業に対する誠意や真剣さを伝えるためにこのような書き方が重要です。
パソコンで作成
送付状はパソコンで作成するようにしましょう。
手書きよりも整った印象を与え、ビジネス文書としての信頼性が高まります。
また、パソコンを使用することでフォントやレイアウトを自由に調整でき、読みやすく見栄えの良い文書を作成することが可能です。
特に、フォントの選択は重要です。
明朝体やゴシック体などのシンプルで読みやすいフォントを使用し、サイズは10.5ポイントから12ポイント程度を選択するようにしましょう。
また、行間や余白を適切に設定することで、視覚的にスッキリとした印象を与えることができます。
なお、パソコンで作成すると誤字脱字のチェックや文書の修正が容易になります。
こうした書き方により、誤字脱字といったミスがなくなるため、選考過程で企業からの評価を落とす心配がなくなるでしょう。
送付状を作成する際に気を付けたいこと
送付状を作成する際に気を付けたいことについて解説します。
正しい書き方を覚えて、しっかりと評価される送付状を作れるようになりましょう。
自己PRを長々と書かない
送付状を作成する際には、自己PRを長々と書かないようにしましょう。
送付状はあくまで履歴書や職務経歴書の補足としての役割を果たすものであり、読み手に負担をかけてはいけません。
また、長文になってしまうと重要なポイントが埋もれてしまい、逆に伝えたいメッセージがぼやけてしまう可能性があります。
そのため、自己PRは具体的な経験やスキルを短くまとめ、企業が求める人材像にどのようにフィットするかを明確に示すことが大切です。
例えば、過去の経験から得た教訓やどのような成果を上げたのかを簡潔に述べることで、相手に印象を残せます。
また、自己PRを短くすることで送付状全体のバランスが良くなり、読みやすさが向上します。
そのため、要点を絞り相手に伝えたい核心を明確にすることで、企業に対する熱意や適性を効果的にアピールしましょう。
定型文だけにならないようにする
送付状を作成する際には、必要以上に定型文に頼らないよう注意が必要です。
定型文を使用した書き方は便利ですが、あまりにも一般的な表現に終始すると応募者の個性や熱意が伝わりにくくなります。
あくまで企業側は応募者の独自性や具体的な志望動機を重視しているため、定型文ではなく自分の言葉で表現することが重要です。
具体的には、送付状の冒頭や結びの挨拶においても季節の挨拶や感謝の気持ちを込めた言葉を使い、自分自身の思いや企業に対する関心を反映させることが大切です。
また、自己PRや志望動機に関しても過去の経験や具体的なエピソードを交え、自分の言葉で語ることでより印象的な内容に仕上げられるでしょう。
ネガティブな経歴は書かない
送付状を作成する際には、ネガティブな経歴や情報の記載は避けましょう。
転職活動では、ポジティブな印象を与えることが求められます。
そして、ネガティブな経歴を記載してしまうと企業に対して不安や疑念を抱かせる可能性があり、選考において不利に働く可能性があります。
例えば、職歴のブランクや転職回数が多い場合はそれを直接的に記載するのではなく、ポジティブな側面に焦点を当てることが大切です。
また、ブランク期間中に自己啓発やスキルアップに努めたこと、あるいは新たな挑戦を通じて得た経験を強調することで前向きな印象を与えられるでしょう。
このように、ネガティブな情報を避けポジティブな表現を心がけることで企業に対する信頼感を築き、選考過程での評価を高められます。
希望条件などは伏せておく
送付状を作成する際には、希望条件などの具体的な要求事項は伏せるようにしましょう。
転職活動では企業に対する敬意や配慮を示すことが求められますが、希望条件を前面に出すことで相手に対して強い要求をしている印象を与えてしまう可能性があります。
これにより、企業側が応募者に対してネガティブな印象を持つことも考えられます。
送付状の目的は、応募の意思を伝え企業への熱意を示すことです。
具体的な希望条件は面接や選考の過程で話し合うべき内容であり、初めの段階で強調する必要はありません。
むしろ、企業のニーズや文化に合わせた自分の強みや経験のアピールが重要です。
また、希望条件を伏せることで企業側に対して柔軟な姿勢を示せます。
これにより、企業が求める人材像に合致することを強調し、採用の可能性を高められるでしょう。
送付状を郵送する際に気を付けたいこと
最後に送付状を郵送する際に気を付けたいことについて解説していきます。
送付書類の一番上になるように重ねて提出
送付状を郵送する際は、送付書類の一番上に配置して提出するようにしましょう。
送付状は履歴書や職務経歴書などの応募書類の最初に目に入る文書であり、企業に対する最初の印象を左右します。
したがって、送付状を一番上に置くことで受け取った側がすぐに内容を把握でき、スムーズに書類を確認できるようになります。
また、送付状を一番上に配置することはビジネスマナーとしても重要です。
応募書類を丁寧に扱っているという印象を与え、企業に対する敬意を示すことができます。
逆に、送付状が下に埋もれてしまうと重要なメッセージが見逃される可能性があり、企業に対する配慮が欠けていると受け取られる場合もあります。
そのため、こうした点に気を付けて企業側からの評価を落とさないように注意しましょう。
クリアファイルに入れるのを忘れない
送付状や履歴書、職務経歴書などの応募書類を郵送する際には、クリアファイルに入れることを忘れないようにしましょう。
クリアファイルを使用することで書類をしっかりと保護し、折れやしわ、汚れから守ることができます。
特に、ビジネス文書としての印象を大切にする転職活動において、書類の見た目は非常に重要です。
また、クリアファイルに入れることで書類が整然とした状態で届けられ、受け取った企業に対しても丁寧な印象を与えられます。
そのため、送付状を送る際には必ずクリアファイルを使用しましょう。
まとめ
転職活動において、送付状は履歴書や職務経歴書とともに重要な役割を果たします。
送付状を適切に作成することで企業への熱意や誠意を伝え、良い印象を与えられるでしょう。
そのため正しい書き方を守り、自己PRや志望動機を簡潔にまとめることが大切です。
また定型文に頼らず、自分の言葉で表現することで独自性をアピールし、ネガティブな情報は避けるようにしましょう。
なお、郵送時には送付状を一番上に配置し、クリアファイルに入れることで書類の整然さを保てます。
これらのポイントを押さえ、企業側からの評価をしっかりと高めていきましょう。