シニア層にインフルエンサーマーケティングは有効?
少子高齢化が進む中、シニア向けビジネスの拡大が注目されています。
シニアがターゲットのマーケティングというと、アナログなイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
しかしこれからのマーケティングには、インターネットを利用した広告や、インフルエンサーマーケティングなどSNSを活用したものも積極的に取り入れるべきです。
本記事ではその理由とともに、シニア層向けのマーケティング手法について解説します。
目次
マーケティングから見るシニア層の特徴とは
シニアをターゲットにマーケティングを成功させるには、まずシニア層の特徴を理解しておく必要があります。
「シニア」とは日本語でいう高齢者の意味。
しかし、どの年齢層を指すのかについては、厳密な定義はないものの、おおむね50歳以上がシニア層に含まれます。
消費支出額が高い
日本では一般的に、高齢者は若い世代よりも消費支出額が多いのが特徴です。
貯蓄額が多いことや、定年後も現役で働くシニアが増えていることがその背景として考えられます。
消費支出額の高いシニアをターゲットとすれば、大きなビジネスチャンスにつながります。
高級志向である
消費力が高いうえ、高級志向が強い人が多いのも、シニア層ならではといえます。
「安かろう悪かろう」という考えから高価なものを選ぶ人や、高級さや品質の高さを重視する人が多い世代です。
取り扱う商品・サービスにもよりますが、手軽さや安さよりも、ラグジュアリー感をアピールするほうが効果的なケースが少なくありません。
SNSでインフルエンサーマーケティングを実施する際は、そんな演出を意識するとよいでしょう。
紙媒体に加えてデジタル媒体の利用も増加している
シニアというと、新聞や折込広告、雑誌など紙媒体が広告手法のメインとなるイメージかもしれません。
しかし近年、シニア層にもスマホが浸透しており、インターネットやSNSの利用率も高まっているのが特徴です。
そのため、SNS広告やインフルエンサーマーケティングなど、デジタル媒体を用いた広告手法にも高い効果が期待できます。
一般的に広告費用の高いTVだけでなく、比較的費用が抑えられるインターネットも活用できるため、マーケティング予算が少ない企業でもビジネスチャンスが掴みやすいと考えられます。
ネットショッピングの利用も増加傾向にある
インターネットやSNSを日常的に利用するシニア層は、家族や友人との連絡ツール以外にも、実用的な使い方をしている人が少なくありません。
その代表として挙げられるのが、ネットショッピングです。
食料品や日用品、趣味に関連する物に至るまで、さまざまな商品をネットショッピングで買い物しています。
シニア層へのPRにSNSにどうSNSを活用するか
シニア層でも利用者が増えているSNSですが、マーケティングで用いるにはどのような方法が有効でしょうか。
SNS広告
SNS広告を利用するのもひとつの方法です。
- Twitter広告
- Facebook広告
- Instagram広告
- LINE広告
- TikTok広告
自社ブランドや製品、知名度UPが図れ、SNS広告から自社サイトへ誘導を行うことが可能です。
SNSアカウント運用
自社でSNSアカウントを運用する方法もあります。
SNSで自社の魅力を伝えたり、ユーザーにとって有益な情報を発信し続けたりすることで、ファン化につなげることが可能です。
自社のブランディングや、購買意欲を高めるのに有効です。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングは、数あるマーケティング手法の中でも訴求力の高いPRといえます。
企業ブランドや自社商品、サービスを、人気のインフルエンサーにPRしてもらうインフルエンサーマーケティングは、SNS利用者に届きやすいのがメリットです。
それはターゲットがシニア層でも同様です。
インフルエンサーとの相性が良く、商品・サービスとの親和性が高ければ、非常に高いマーケティング効果が期待できます。
インフルエンサーマーケティングを検討している方は、こちらもご覧ください。
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シニア層によるSNSの利用状況
SNS広告や自社アカウントの運用、インフルエンサーマーケティングなど、SNSを利用したマーケティングはシニア層にも有効です。
その理由として、シニアがSNSを日常的に使用していることが挙げられます。
シニア層のインターネット利用率
シニア層のインターネット利用者は増加傾向。
SNS各種の利用者も増えており、特にLINEの利用者増は顕著です。
50代で85.4%、60代で76.2%がLINEを利用しています。
その他、YouTubeやFacebook、Twitter、Instagramを利用するシニア層も決して少なくありません。
参照:総務省情報通信政策研究所『令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 <概要>』
シニア層のスマホ・PC普及率
シニア層のスマホ・PC利用者もまた、増加傾向にあります。
NTTドコモ モバイル社会研究所が公表した「モバイル社会白書 2021年版」によると、60代で8割、70代でも6割以上の人々がスマホを所有しているとのことです。
また、別居家族との連絡ツールとしてスマホを用いる人は5割以上、ネットショッピングを楽しむ人も2割を超えています。
参照:株式会社NTTドコモ モバイル社会研究所『モバイル社会白書 2021年版』
シニア層が活用しているSNS
シニア層のインターネット利用率、SNS・PC普及率が高まっている中、シニア層に該当する人々はどのようなSNSを利用しているのでしょうか。
YOUTUBE
日本でユーザーが多いSNSというと、FacebookやInstagram、Twitter、YouTubeなどが挙げられます。
これらのユーザーとしてシニア層をイメージする方は少ないかもしれませんが、実はシニアも一般的なSNSをしています。
中でもYouTubeは特に、シニアの利用者も多い媒体です。
映像+口頭での説明に特化しているYouTubeは、シニア層も使いやすいSNSといえます。
そのため、インフルエンサーマーケティングを活用したPRも有効だと考えられます。
YouTubeに次いで人気があるのは、Facebookです。
実名登録という点において、シニア層に適したSNSといえます。
匿名性の高い媒体だと、シニア層からの信頼を獲得するのが難しいです。
その点でいうと、インフルエンサーマーケティングを実施する際は、信頼できる家族からの情報となると、より信頼性が高まるため、周囲の身近な人向けにPRを行うのも有効。
匿名性が高くはありますが、Twitterユーザーも増加傾向にあります。
災害時や緊急時の連絡ツールとしてその価値が見直されたことからも、シニア層へ浸透しつつあることが背景です。
自ら発信することは少なくても、情報収集の手段として活用している人は多いようです。
Instagramというと、まだまだ若い世代がメインのユーザー層であるのは否めませんが、シニアのユーザーも増えつつあります。
後述しますが、インフルエンサーとしてInstagramをメインに活躍するシニアインフルエンサーも少なくありません。
シニア向けにPRするのも有効ですが、高齢者が身近にいる層向けにPRする手法を検討してみてもよいでしょう。
シニア層向けSNS
シニア層が利用するSNS媒体は、一般的なものだけではありません。
インターネット利用率やスマホ普及率が高まる中、シニアをターゲットとするSNSも登場しています。
シニア向けSNSは、シニア層であっても使いやすい仕様となっています。
単純な機能や、見やすい表示に特化しているのが特徴です。
ユーザーが限定的な媒体のため、コストを抑えてマーケティングを行うことも可能。
現状としてシニア向けSNSでインフルエンサーマーケティングをPR方法として用いるのは難しいかもしれませんが、SNS広告や自社アカウントの運用については、検討されてもよいでしょう。
シニア層はSNSで何を閲覧しているのか
シニア向けSNSも含めると利用可能なSNSは豊富にありますが、どのような目的で利用している人が多いのでしょうか。
何を求めて活用しているのかを理解しておくことも、マーケティングを実施する際には重要です。
リアルタイムで知りたい情報
SNSの即時性や拡散性が活かされる情報として、災害情報や地域の情報などが挙げられます。
リアルタイムな情報を得るツールとして、TVだけでなくSNSが主流となってきています。
その感覚は、シニア層も例外ではないようです。
また災害時に電話がつながらない場合には、SNSを利用して連絡をとったり情報収集したりするといった使い方が推奨されていることからも、いざという時のためにSNSに登録している方も少なくありません。
家族・友人の近況
若者のようにSNSのみでのつながりを有することは多くありませんが、SNSで身近な人とつながりを持つことは増えているようです。
個人の発信の場でもあるSNSは、家族や友人の近況を手軽に知ることができるツールです。
遠方に住む子どもや孫の様子を、SNSを通じて確認したり、SNSを連絡ツールとして利用したりします。
趣味に関すること
例えば、料理や旅行、買い物、好きな芸能人など、知りたい情報を得るツールとしても、SNSを活用するシニア層が増えているようです。
SNSを通じて趣味に関する情報を収集しているということは、インフルエンサーマーケティングなどの広告手法も効果的だということです。
シニア受けするインフルエンサーを起用して、自社のブランディングや商品・サービスPRを行ってもらうことは、これからのマーケティングには不可欠といえます。
シニア層に向けてインフルエンサーマーケティングを効果的に行うには?
シニア向けのインフルエンサーマーケティングで効果を出すには、いくつかのポイントがあります。
キャンペーンはシンプルにして参加しやすい工夫をする
スマホやSNSを利用するシニアが増えているとは言え、やはり操作性の良さは必要です。
プレゼントキャンペーンやECサイトへの誘導を行うときは、誰でも簡単にできる方法を採用しましょう。
「難しそうだからやめておこう」「ここからどう進めば良いかわからない」など、キャンペーンへの意欲を下げてしまったり、サイトから途中離脱してしまったり、といった事態を避けるような工夫が不可欠です。
具体的には、フォローやリツイート、「いいね」など、要求するエンゲージメントを1つにするなどです。
丁寧な説明文で不安を解消する
若者に向けたマーケティングの場合は、写真や動画を活用して視覚的な訴求を重視するのが効果的です。
しかしシニア層向けには、きちんと文章で説明する必要があります。
丁寧に説明して内容を理解してもらうことではじめて、興味関心を引き出すことが可能です。
活字を読む習慣のあるシニア層にとって、文章が少なすぎると不信感や不安要素を持つ要因となります。
クオリティの高い投稿ができるインフルエンサーを起用する
高級志向が強い傾向にあるシニアは、「高価なもの=良い商材」というイメージを持つ人が多いのが特徴です。
たとえ価格的にリーズナブルなものであっても、洗練されたイメージを与えるようなPRが有効です。
洗練されたイメージのインフルエンサーを起用したり、ブランドイメージを高める写真を採用したりするとよいでしょう。
そのためインフルエンサーマーケティングを行う際は、どのような人物を採用するのかが要となります。
自社でインフルエンサーの選定・起用が難しい場合には、インフルエンサー代理店を利用するのもひとつの方法です。
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人気のシニアインフルエンサー5人
ここでは、シニアインフルエンサーを5人紹介します。
それぞれインフルエンサーのプロフィールや、活動内容をまとめていますので、インフルエンサーマーケティングを検討する際の参考にしてください。
西本喜美子さん
西本喜美子さん(<a href="@kimiko_nishimoto)は、昭和3年生まれの女性です。
72歳で写真を習い始めた西本さんは、ユニークな自撮り写真をアップすることで注目を集めました。
Instagramのフォロワーは26.8 万人(2022年8月現在)と、立派なインフルエンサーの一人です。
「自撮りおばあちゃん」の愛称で親しまれており、企画展なども開催されています。
道場六三郎さん
1990年代放送されていた大人気番組『料理の鉄人』で活躍されていた道場六三郎さんも、今やインフルエンサーとして活躍するシニアとなっています。
道場さんのYouTubeチャンネル『鉄人の台所』ではたくさんのレシピ動画が投稿されています。
チャンネル登録者数は、15.2万人(2022年8月現在)です。
さらに2022年4月には、著書『91歳のユーチューバー 後世に伝えたい! 家庭料理と人生のコツ』が出版されました。
森浜子さん
昭和5年生まれのインフルエンサー森浜子さんのYouTubeチャンネル『Gamer Grandma(ゲーマー グランマ)』は、登録者数 54.6万人(2022年8月現在)の大人気チャンネルです。
チャンネル名からわかるように、森さんはゲームユーチューバーとして活躍するインフルエンサーです。
90歳のときには、「最高齢のゲーム動画投稿YouTuber|Oldest gaming YouTuber」としてギネス世界記録に登録されました。
木村眞由美さん
おしゃれが大好きな木村眞由美さん(@kobehananoki)は、Instagramでファッションやライフスタイルを投稿しています。
フォロワーは10 万人(2022年8月現在)を超えており、インフルエンサーとしての人気はシニア層にとどまりません。
年齢に関係なくファッションを楽しむ木村さんに共感する人は多く、若者のファンも存在。
『私はわたし 80過ぎてもおしゃれは続く』など、これまでに3冊の著書が出版されています。
BON・PONさん
ファッションインスタグラマーとして活躍されているbon・ponさん(@bonpon511)は、60代のご夫婦です。
2016年12月にInstagram を始めてからフォロワーは増え続け、今や84万人を超える(2022年8月現在)を超える大人気インフルエンサーとなっています。
ご夫婦のファッションやお出かけの様子が投稿されています。
ファッションブランドとコラボしたり、ファッションイベントに参加したりなど、インフルエンサーとしてさまざまな場所で活躍しています。
まとめ
シニア層をターゲットにしたSNSマーケティングは、若者と比較するとまだ発展途上。
しかし超高齢社会に突入した日本において、シニアをターゲットにマーケティングを行うことは、間違いなく大きなビジネスチャンスです。
シニア層のインターネット利用率やスマホ普及率が高まっていることからも、SNS広告やインフルエンサーマーケティングも、マーケティング手法として有効となりつつあります。
今回ご紹介したシニア向けマーケティングを参考に、SNSマーケティングやインフルエンサーマーケティングを検討されてはいかがでしょうか。
競合他社よりも早期参入することが、マーケティング成功の秘訣でもあります。
インフルエンサーマーケティングを外注したい場合は、こちらを参考にしてください。
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