データアナリストに向いている人は?必要なスキルやキャリアパスを解説!
今、WEB業界において、クライアント企業の収益に直結するデータ分析のニーズが高まっています。
実際、WEB企業の多くが優秀なデータアナリストの確保に力を入れています。
これからWEB業界へ転職を考えている方は、ぜひデータアナリスト職も考慮してみてはいかがでしょう。
ここではデータアナリストの仕事内容から必須スキル、アナリストになるためのキャリアパスなどを分かりやすく解説します。
データアナリストとは
近年になって注目を浴びているデータアナリストとは、ビックデータや各企業が収拾するユーザー情報・業務システムの実績データなどを収集・分析するデータ分析のプロのことです。
データアナリストは、データ分析を基にマーケットのニーズ予測から集客・購買への行動喚起・販売実績の向上といったソリューションに貢献します。
データアナリストの主な業務
WEB業界におけるデータアナリストの役割は、おおよそ次の2タイプに分類できます。
- コンサル型データアナリスト
- エンジニア型データアナリスト
コンサル型データアナリスト
コンサル型データアナリストは、クライアントが抱えるWEBマーケット上の課題に対しソリューション提案します。
現状で得られる情報を総合的に収拾・分析して、利益に直結する具体的ソリューションの提案を行うコンサルティング職で、加えてソリューションを実施した後の検証作業も行います。
なお、コンサルティングファームやマーケティング企業に職場が多く見られる傾向です。
エンジニア型データアナリスト
一方、エンジニア型データアナリストは、データ分析をもとにシステム構築したり、既存システムの改善を行ったりする職業です。
主な活躍の場として、Webメディアの運営企業やアドテクノロジー企業などが挙げられます。
ただし、コンサル型とエンジニア型は業務領域に明確な区別がありません。
両者の辿るキャリアパスにおいて、両方の業務を担当するケースは珍しくなく、両方をカバーできる知識やスキルが必要です。
データアナリストに必要なスキル
データアナリストは、一般的にIT全般の知識とSQLなどのデータベース知識、また数学においては統計学・解析学(微分積分学、確率論など)・代数学(線形代数学など)の知識が求められます。
その上で、コンサル型とエンジニア型、それぞれ必要とさせるスキルを説明しましょう。
コンサル型データアナリストのキャリアパスに必要なスキル
論理的思考力とマーケティング知識が求められるのはコンサル型エンジニア。
情報収集力やヒヤリング力はもちろん、高度な分析に必要な機械学習やデータマイニングのノウハウも役立ちます。
加えて、マーケティング戦略についても理解しておくとキャリアパスに有利でしょう。
エンジニア型データアナリストのキャリアパスに必要なスキル
分析ツールのスキルに加えて、システム開発などプログラミングスキルが必要です。
ちなみにJavaやPythonといったプログラミング言語に、SQLなどのデータベース言語やApache HadoopやApache Mahoutなどのビッグデータ分析用ライブラリに関するスキルがキャリアパスに有利です。
データアナリストのキャリアパスにおすすめ資格
データアナリストとしてのキャリアパス構築においては、次の5つの資格が役立つでしょう。
- ORACLE MASTER
- OSS-DB技術者認定試験
- 情報処理技術者試験
- 統計検定(R)
- Python3エンジニア認定基礎試験
データアナリストへ転職する際、基本的に資格の有無を問われないケースが多いです。
ただし、転職時にこれらの資格のうちひとつでも取得していれば採用に有利となる可能性が高く、転職後のキャリア構築にも有利になるでしょう。
データアナリストの必要性と貢献度
データアナリストは、近年のAI化の職場にあってもニーズが損なわれず、より注目度が高まっているとされています。
それは、データアナリストは情報社会の高度化において重要な役割を担うからです。
グローバル化が進む現代社会では、多様な言語・文化の間でのコミュニケーションにおいて、発信する情報にエビデンスが求められます。
つまり、経済活動に限らず、何事においてもデータに基づいたエビデンスが求められるわけで、データアナリストの存在価値がいよいよ増していくのです。
データアナリストのニーズが高い職場
では、現時点でデータアナリストの活躍する職場を挙げておきましょう。
データアナリストへの転職を考えている方はぜひ参考にしてください。
- IT系・ソフトウェア系: 膨大なデータの分析から顧客維持率の向上などに貢献
- 金融系:財務データの分析や市場動向の予測、リスクヘッジの提案
- ヘルスケア:患者ケアの最適化、臨床試験データの分析、病院マネジメント改善
- マーケティング: 顧客データ分析・セグメント化やマーケティングの評価
- 小売業・EC: 販売データの分析、消費者動向の予測と価格戦略の最適化
データアナリストのキャリアパス
これからデータアナリストへ転職を希望すする方は、具体的なキャリアパスについても考慮しておくようにおすすめします。
データアナリストになるまでのキャリアパス
分析実務の未経験者の描くキャリアパスとして、まずコンサルタントやマーケターへの転職がおすすめです。
データ分析の目的は、市場調査・マーケティングリサーチからマーケティング戦略を構築すること。
これらのビジネススキルは、データアナリストへのキャリアパスになります。
また、WEB系エンジニアへの転職をし、その後にデータアナリストを目指すのもおすすめです。
データアナリストはプログラミングやデータ管理ツールのスキルが必須ですから、始めにエンジニアになって基礎スキルを習得しておくとその先のキャリアアップがしやすくなります。
なお、人材不足のWEB業界では、データアナリスト未経験者を歓迎する求人が見られます。
20代の第二新卒であれば直にデータアナリストの求人にチャレンジすることも可能です。
コンサルやマーケティングの経験者、あるいはプログラミングやデータベースのスキルがあれば、職種別採用でデータ分析職に就ける可能性があります。
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データアナリストになってからのキャリアパス
データアナリストへの転職に成功した後、その後のキャリアパスも具体的に構築するようにおすすめします。
データアナリストの主なキャリアパスは3タイプ。
- 実務を担当するスペシャリスト(データエンジニアやAIエンジニア)
- 分析チームのマネジメントを担当するデータアナリティクスマネージャー
- データ分析によるマーケテイング・コンサルタント業の起業・ビジネスインテリジェンスアナリスト
先に述べましたコンサル型とエンジニア型で、それぞれ目指すキャリアパスが違ってくるかも知れません。
コンサル型においては、クライアント支援やDX推進などへのニーズが高まっています。
また、エンジニア型では高度な数値演算やデータ解析、自社内の分析業務といったニーズが高いです。
なお、現代は職場のAI化が進んでいますので、AI教育に携わるAIエンジニアのキャリアパスも可能です。
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データアナリストの魅力
データアナリストの魅力・メリットは、主に次の3つを上げることができます。
- データアナリストの年収は高め
- データアナリストに必須資格はない・未経験者の求人アリ
- AI化にあっても将来性が高い職種
データアナリストの年収は高め
「求人統計データ」によると、データアナリストの平均年収は、正社員全体として約699万円とWEB系エンジニアにおいて高めの水準です。
転職者含め、全体の給与幅が411万円〜1163万円とのデータもあり、職務内容や経験・スキルによって収入が大きくかわる職種ともいえます。
将来設計を考える上で、業績における対価が高設定である職として、データアナリストへの転職は魅力的だと言えるでしょう。
データアナリストに必須資格はない・未経験者の求人アリ
先にも述べました通り、データアナリストになるための必須資格は特にありません。
その点で、他のWEB系エンジニアよりも転職しやすいと言えるかもしれません。
また、データアナリストの求人を確認しますと、未経験者を歓迎する会社が多数見られます。
つまり、他業種からの転職者もチャレンジしやすいというのがデータアナリストの魅力と言えるでしょう。
AI化にあっても将来性が高い職種
IPA 独立行政法人・情報処理推進機構の「IT人材白書2020」によると、IT人材の量・質共に不足していると応えたユーザー企業とIT企業IT共に8割を超えていました。
このデータは2015年から2019年の5年間のものですが、現在も不足の解消には至っていないのが実情でしょう。
つまり、今後データアナリストのニーズがさらに高まるということです。
データアナリストはビジネス上の意思決定に欠かせないデータ提供することから、その必要性を増していくと予想できます。
データアナリストの成功例3選
では、実際にデータアナリストによる業績アップの実例を3つ紹介します。
- スシロー:需要予測から営業戦略を確立
- 富士通:農業における作業実績や環境などのデータ分析で収益アップ
- ダイドードリンコ:視線の移動に注目して売上アップ
スシロー
回転ずしチェーンの大手・スシローは、データアナリストの活躍によって的確な顧客ニーズを予測することに成功しています。
スシローのデータアナリストは、まず寿司皿のICタグから得られるデータにマーケティング要素別に分類し、データ分析を行いました。
例えば、顧客のお寿司の好み(時節ごと)・食べる順序、お出ししたタイミング(ネタごと)、流れているスシの売れ方など、全店舗からの膨大なデータを集約し、具体的な数値から顧客ニーズを予測しています。
この予測から、仕入れや握る寿司の数・時間、レーンへの投入などを適性化し、無駄なコストをカットし、顧客満足度を向上させるに至っています。
富士通
富士通の農業経営支援サービスは、データアナリストの活躍によって自治体やJA、農業生産者への高い導入実績を上げています。
富士通のデータアナリストチームは、特に温室の管理・運営の効率化にチャレンジしました。
地域ごとのハウス栽培農家から、時系列の気象データや詳細な作業手順のデータ、成長の観察データなどを集約・分析して的確な作業スケジュールを提案すること、そして収穫タイミング・収穫量を予測して利益率をアップに導いています。
ダイドードリンコ
ダイドードリンコは自動販売機メーカーの大手ですが、データアナリストによるアイトラッキング分析と購買データの組み合わせで販売実績が前年比1.2%に増大しています。
ダイドードリンコの商品陳列においては、一般的に提唱されている『Zの法則』を基本にしていました。
つまり、人は左上から右へ視線をスライドさせて、次に左斜め下へ行って右へとZ字の軌跡で商品を見るというものです。
しかし、データアナリストの提案で自動販売機にアイトラッキングを取り付けて視点移動のデータを分析したところ、自動販売機に限っては下段に視線が集中するとの結果がでました。
このデータを基に、ダイドードリンコでは主力商品を下段に配置し、実際に売り上げがアップしたとのことです。
データアナリストにおすすめの企業3選
これから紹介する3社は、独自のサービス提供でさまざまなビジネス分野からオファーを得ている新鋭の企業です。
データアナリストとして確実にキャリアパスを歩んでいくために、転職先の会社選びはとても重要です。
データアナリストとして転職を考えている方は、ひとつの目安として成功しているデータ分析会社をチェックしておくようにおすすめします。
- データセクション株式会社
- 株式会社ジーニー
- 株式会社アイディオット
ソーシャルメディア分析が実践できるデータセクション株式会社
「技術と実社会の融合」をスローガンに、「CHANGE THE FRAME」を提唱するデータセクション株式会社。
SNSソースを中心に新たな消費者ニーズを発掘する「ソーシャルメディア分析」を得意とし、ターゲットの顧客行動を的確に捉えるリテールマーケティングを提案します。
また、AI技術とビッグデータを活用した利益率アップのソリューション力が特徴で、「Insight Intelligence Q」や「FollowUP」といった人気サービスを提供しています。
広告プラットフォーム事業で好評の株式会社ジーニー
「魔法のようなマーケティングテクノロジー」をキャッチフレーズに、だれもがマーケティングで成功できる社会を目指す株式会社ジーニー。
SNSを中心とする既存ネットワークを最適利用し、独自のプラットフォームGenieeSSPによる集客業務のデータアナライジングを展開しています。
なお、自社ブランドの「Ads Platform」や「Marketing Cloud」で、広告界から注目されている新鋭の会社です。
研修も豊富で、新卒・中途問わずキャリアを積んでいけるような制度も充実しています。
政府・官公庁のデータ分析を得意とする株式会社アイディオット
「サスティナブルな世界を実現する未来志向型データプラットフォーム」をキャッチコピーに活躍する株式会社アイディオット。
こちらは、企業が所有するデータ資産をビッグデータやAIにて活用サポートするBtoBタイプの会社です。
顧客としては大企業をはじめ、政府・官公庁まで70社以上へのデータプラットフォーム導入実績を持ち、220以上のシステム開発の実績を上げています。
なお、ISMS認証取得済政府や大手企業の基準を満たす最高峰セキュリティレベルで信頼度が高い点も注目。
まとめ
データアナリストは、さまざまな生産活動・消費活動で活躍する職業です。
AI化が加速する社会にあって、今後ますますニーズが高まることは確かでしょう。
そこで、データアナリストへの転職を考えている方は、まず今後のキャリアパスを具体的に描き、そのための準備を進めるようにおすすめします。