インフルエンサーマーケティング市場の現状と今後の予測について解説
近年、商品・サービスのPRにインフルエンサーマーケティングを利用する企業が増えています。
なかには、企業ブランディングとして活用される事例もあります。
そんなインフルエンサーマーケティング市場の動向が気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、市場の現状、今後の動向予測について解説します。
導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
インフルエンサーマーケティングが注目されているのはなぜ?
InstagramやTwitter、FacebookなどのSNSで影響力のあるインフルエンサーに商品やサービスを利用してもらったうえで、SNSでPRしてもらうのが、インフルエンサーマーケティングです。
これまでは、TVや雑誌などを媒体とするマスマーケティングが主流でした。
その従来の手法と比較すると、インフルエンサーマーケティングには以下のようなメリットがあります。
- ターゲティングしやすい
- 消費者に広告が届きやすい
- 口コミが拡散されやすい
- 効果分析がしやすい
- 費用対効果が高い
インフルエンサーのフォロワーに対してPRを行なうため、ターゲットを定めやすいのが特徴として挙げられます。
またインフルエンサーとはSNSでつながっているため、消費者にとって比較的身近な存在です。
そのため広告が届きやすく、購買意欲を刺激しやすいといえます。
また、拡散されやすいのも、SNSが主流となる手法ならではのメリットです。
さらにマーケティングがすべてインターネット上で行なわれることとなるため、データの収集がしやすく、効果の分析がしやすくなります。
マスマーケティングよりも低コストで高い効果が得られる可能性が高いのも特徴です。
SNSの浸透やインフルエンサーマーケティング市場の拡大といった背景に加えて、上述したようなメリットが多いことから、新たなマーケティング手法として、さまざまな企業で利用されています。
ソーシャルメディア市場の状況
インフルエンサーマーケティング市場がどうなっているのか見ていく前に、まずはソーシャルメディア市場の規模について知っておきましょう。
2020年のソーシャルメディア市場は、5,444億円で、前年2019年度の4,126億円と比較すると、107%の成長を遂げています。
このような急成長を遂げているソーシャルメディアマーケティングのうちの1つが、インフルエンサーマーケティングです。
新型コロナウイルスの影響により、多くの企業で広告費が削減されるなか、インフルエンサーマーケティングには積極的に予算が割かれていました。
それは、今後もインフルエンサーマーケティング市場が拡大すると見込まれての投資だということです。
実際、今後5年で2倍にも上るのではと予測されています。
インフルエンサーマーケティング市場規模
インフルエンサーマーケティング市場の規模について、以下で解説します。
日本と海外の違いについても、知っておきましょう。
日本の市場規模
日本のインフルエンサーマーケティング市場規模は、2021年で425億円、2025年には723億円に成長すると予測されています。
インフルエンサーマーケティング市場規模の成長予測は、次のとおりです。
- 2020年:317億円
- 2021年:425億円
- 2022年:519億円
- 2025年:723億円
(参考:https://digitalinfact.com/release201014-2/)
インフルエンサーマーケティング自体は、2013年~2014年頃から市場を広げ始めました。当時は芸能人や有名ブロガーが広告塔の中心でしたが、2015年頃からSNSで人気がある一般人が「インフルエンサー」として台頭してきました。
海外市場規模
日本と同様に海外でも、インフルエンサーマーケティング市場は急激に成長しています。
今後もその規模が大きくなることが予測されている点や、Instagramが主要なプラットフォームといった点も同じです。
具体的な数字としては、2020年の市場規模は100億ドル(約1兆円)にも上るということ。
欧米でもこのように市場規模が拡大していますが、アジア圏では、日本以外にも中国で成長しています。
その規模は、約1,000元(約1兆7千億円)にもなるということです。
インフルエンサーマーケティング市場の状況
今後もさらに企業のマーケティング活動に大きく貢献することが予想されるインフルエンサーマーケティング。
各SNSにおける特徴とマーケティング市場としての現状について、以下でまとめています。
Instagramの主なユーザー層は10~30代の女性。
そのため、ファッションや美容、旅行、グルメ、育児などのジャンルのPRに適しています。
写真や動画に特化したSNSなので、フォトジェニックな投稿によるプロモーションが効果的です。
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30代以上のユーザーが多く、男女比はやや男性が多め。
プライベートだけではなく、ビジネス関係のつながりが多いのも特徴です。
Facebookでは本名で登録するので、企業の商品・サービスに対する信頼性は高いといえます。
ただしリアルな交友関係間でのやり取りとなるので、拡散性は低く、インフルエンサーという存在は生まれにくいのも特性として挙げられます。
Twitterの利用者層は主に20~40代で、拡散性が高いのが特徴です。
また幅広い商品・サービスのPRに有効といえます。
画像や動画だけでなく、URLリンクを貼ることで自社サイトへの誘導も可能です。
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インフルエンサーマーケティング市場は、今後どうなる?
あらゆる分野で大きな影響が出たコロナ禍においても成長がみられたインフルエンサーマーケティング市場は、今後も需要が高まることが予測可能です。
「インフルエンサーマーケティング」自体まだ数年ほどの歴史なので、これから発展の余地が大いにある手法ともいえます。
マーケティングのやり方からプラットフォームに至るまで、また新たに確立されていく可能性があります。
そういった時代の流れや消費者のニーズを適切に読み取り、導入していくのがマーケティングの明暗を分けることとなるでしょう。
従来の方法とは大きく異なる手法のため、これまでは足踏みしていた企業も多かったかと思います。
しかしインフルエンサーが消費者に与える影響は大きなものだという認知は拡大してきました。
今後インフルエンサーマーケティング市場のさらなる発展により、新規参入してくる企業も増えてくるはずです。
SNSやインフルエンサーを起用したPR自体が差別化となっていたものが、今後はインフルエンサーマーケティングを実施するなかで差別化を図る必要が出てくるということです。
またすでに世界中で新たなマーケティング手法として確立されつつあるなか、ワールドワイドなビジネスを展開するならば、インフルエンサーマーケティング市場の動向は軽視できません。
これから始めるときのポイントとは?
インフルエンサーマーケティングは今や、消費者にとっても広く浸透しつつあるものです。
そんな新たなマーケティング手法について、これから導入する際に押さえるべきポイントを4つ紹介します。
主要プラットフォームの変化に注目
2018年以降、インフルエンサー市場の主流がFacebookやTwitterから、Instagramへと移り変わってきました。
企業案件の9割以上がInstagram上で行なわれていたというほどです。
今後も当面は、主要プラットフォームはInstagramであり、ニーズも高まっていくことでしょう。
しかし注意しなくてはならないのは、それは永久的でないということ。
既存のSNSも日々進化し続けているうえ、たとえばTick Tokなど、新たなSNSも認知度、人気ともに急成長しています。
企業としては、そのようなインフルエンサー市場やSNSの特性を理解したうえで、どういったプラットフォームを利用するのが良いのか考えることが必要です。
ナノインフルエンサーの活躍
インフルエンサーを起用する際、その選定基準としてまず思い浮かぶのがフォロワー数ではないでしょうか。
確かに、その人物を通じて商品・サービスをPRするので、ファンの存在は無視できません。
しかし最近、その数の多さだけでなく、質が重視されています。
マイクロインフルエンサー、あるいはもっと小規模のナノインフルエンサーに注目が集まっているのです。
ナノインフルエンサーとは、フォロワー数が数千人単位のインフルエンサーです。
ナノインフルエンサーはニッチなジャンルに特化していたり、ひとつの分野に精通していたりする場合が多く、ターゲットがすでに絞られています。
それが自社とマッチすれば、かなりの広告効果が期待できるというわけです。
さらに、比較的低コストで融通が利くうえ、小規模であるがゆえにローリスクであることも、企業にとってのメリットとして挙げられます。
フォロワー数よりもコンテンツ重視
前項でも少し触れていますが、インフルエンサーをどう選ぶかを考えたとき、安易にフォロワー数のみで起用する時代はもう終わりです。
ただ多くのファンがいることでなく、コアなファンがどれほどついているかを重視すべきといえます。
そしてその部分に影響してくるのが、コンテンツの内容です。
新たなインフルエンサーが次々と登場し、毎日数え切れないほどのSNSの投稿を目にします。
そんななか、消費者もどんどんシビアになっていきます。
フォローしている人物の投稿に対してきちんとリアクションするのは、良質なコンテンツに対してのみ。
「いいね」したりコメントしたりするのは、ほんの些細な行動のようですが、実際にアクションを起こすとなるとそれなりの熱量を要するものです。
そこで大切なのが、やはりコンテンツの内容です。
最近ではとくに、動画が重要となってきています。
主要プラットフォームのひとつ、Instagramにおいてもその重要性が注目されています。
企業PRをするときだけでなく、定期的に充実したコンテンツを投稿しているかどうかも大切です。
信頼性・誠実さが求められる
ステルスマーケティングやフォロワーの購入など、インフルエンサーに関連する問題がたびたび取りざたされてきました。
そういった背景からも、SNS上でのマーケティングには、信頼性や誠実さが求められるようになっています。
それは、企業に対しても投稿者に対しても、ということです。
投稿する際には、消費者であるフォロワーに、ステルスマーケティングだと勘違いさせないような配慮も必要です。
PR活動を実施するときは、企業の広告であることを明示することが欠かせません。
企業としても、その点を十分理解しておく必要があります。
まとめ
ビジネスを成功に導くうえで大切な要素のひとつに、成長市場を見極めその流れに乗ることが挙げられます。
その視点で考えても、今後インフルエンサーマーケティング市場の動向はチェックしておくべきです。
今後さらなる成長、発展を遂げることはほぼ確実でしょう。
マーケティング手法の一種として確立されつつある今、導入を検討する際には、自社に適した方法で始める必要があります。
すでに多くの企業が参入しているため、他社との差別化を測ることも必須です。
「どんなインフルエンサーに依頼すれば良いかわからない」「まずはインフルエンサーマーケティングについて知りたい」そんな方は、代理店に相談するのもひとつの方法です。
代理店については、以下を参考にしてください。
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