LinkedInはWEBマーケティングにどう活用できる?
近年ますます注目が高まるSNSを活用したWEBマーケティング。
日本では、Instagram、Twitter、Facebook、YouTubeなど様々なものが利用されています。
LinkedInは日本ではまだ「転職活動向けSNS」というイメージが強いものの、海外ではWEBマーケティングにも活用されています。
本記事では、LinkedInの概要、マーケティング手法、メリット・デメリットをご説明します。
目次
SNSの1つであるLinkedInとは?
「LinkedIn(リンクトイン)」は世界最大のビジネスパーソン向けSNSであり、世界中のプロフェッショナル達に利用されています。
以下で、LinkedInの概要、他のSNSと異なる特徴、WEBマーケティングに向いている理由をご説明します。
LinkedInとは
LinkedInは、PayPal創設メンバーであるリード・ホフマンらが「世界中のプロフェッショナルをグローバルにつなぐ」という概念に基づき立ち上げたSNSです。
2003年に正式にサービスを開始し、2016年にはマイクロソフト社に約262億ドルで買収されました。
日本には2011年に上陸し、2017年にYahoo! Japanにいた村上匠氏がLinkedIn Japanの代表に就任しています。
・LinkedInのユーザー数
LinkedInは世界200か国に8億人以上のユーザーがいます。
下の表にあるとおり、日本のユーザー数は200万人以上とまだ少ないですが、日本より人口の少ないイギリスで3200万人もいるので、今後日本でもユーザーが増えていく可能性を秘めています。
【各国のLinkedInユーザー数(2021年12月時点)】
日本 | アメリカ | イギリス | フランス | オーストラリア | 中国 |
---|---|---|---|---|---|
200万人 | 1憶8800万人 | 3200万人 | 2400万人 | 1200万人 | 5600万人 |
・LinkedInのユーザー属性
現在のところ日本のユーザーは、外資系企業や海外に顧客を有する日本企業の従業員、留学・海外転勤経験者、リサーチャーなど、限られた一部の層がメイン。
一方海外では、各業界のプロフェッショナル、意思決定権を持つ経営幹部などに広く利用されています。
・LinkedInの活用法
日本では「転職活動・採用活動」のためのSNSというイメージがいまだ根強いLinkedInですが、実はそれだけではありません。
個人の場合、名刺にLinkedInのアドレスを記載するほか、LinkedInを名刺代わりに利用するユーザーも。
また、オンライン上でビジネス上のネットワーク構築、情報収集を目的として利用しています。
企業ユーザーは採用活動だけでなく、後述するようにWEBマーケティング目的でもLinkedInを活用しています。
LinkedInが他のSNSと異なる点は?
LinkedInは、InstagramやTwitterなどの匿名性のSNSと違って「実名登録」です。
自分の名前が公表されていることから、ユーザーの登録情報や投稿内容も正確で信頼性が高い傾向にあります。
LinkedInは、同じく「実名登録」であるFacebookに似ていると言われます。
双方ともにビジネスに活用されるSNSである点も同じです。
ただし、LinkedInはビジネスに特化されたSNSであり、いくつかの点でFacebookと異なります。
Facebookは主に既に知っている人とつながり交流しますが、LinkedInでは面識がない人ともビジネス上の関連性や興味に基づきつながったり、同業界のユーザーとネットワークを構築したりできます。
Facebookの登録情報には「家族と交際ステータス」などプライベートなことを登録する欄があります。
一方、LinkedInの登録情報は業種、職種、職歴、スキルなど、ビジネス関連の情報に限られており、プライベートな情報は基本的に出しません。
Facebookにはビジネス関連の投稿もありますが、「家族で〇〇にお出かけしました!」といったような、プライベートな投稿も多く混ざっています。
一方、LinkedInはビジネス関連情報ばかりなので、重要な情報が埋もれにくい特徴があります。
また、LinkedInにはFacebookにない企業が採用活動を行うための仕様が備わっています。
【LinkedInとFacebookの比較】
実名登録型 | 〇 | 〇 |
---|---|---|
投稿内容 | ビジネスとプライベート両方 | 主にビジネスのみ |
SNS上の交流相手 | 基本的に面識ある人とつながる | 面識ない人ともつながる |
登録情報 | プライベート情報あり | プライベート情報なし |
採用活動の仕様 | なし | あり |
LinkedInはWEBマーケティングに向いている
LinkedInは世界で広く利用されており、「実名登録」型でかつ「ビジネス特化型」のSNSであることから、WEBマーケティングに向いたSNSであると注目されています。
「実名登録型」であることによりユーザーの登録情報や投稿内容の信ぴょう性が高く、潜在顧客や業界に関する正確な情報収集をしやすいという特徴があります。
また、「ビジネス特化型」であるLinkedInのユーザーは、常にビジネスや就職・転職に関連するコンテンツを探しています。
このため、WEBマーケティングの一環としてオンラインでの採用活動やBtoBのプロモーションなどに活用しやすいのです。
LinkedInは海外のビジネス界では活発に利用されているため、国内だけでなく海外に向けたWEBマーケティングも行うことができます。
LinkedInを使ったマーケティング手法
では、LinkedInを使ったマーケティングの手法には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
以下で、
- ネットワーク構築
- ブランディング
- 情報収集
- プロモーション
- 採用活動
の5つについて、順番にご説明します。
これらの手法はそれぞれ独立しているものではなく、組み合わせることでより高い効果を見込めます。
LinkedInでネットワーク構築
LinkedInのユーザーはビジネスに有用な情報を探し、互いにビジネス上のネットワークを構築しようとしています。
企業がネットワークを構築しようとする場合は、まず「企業のページ」を作成し、有用なコンテンツを投稿することから始めるのが一般的です。
潜在顧客などの関心を引くような良質なコンテンツであれば、フォローやコメントが付きます。
コメントに対応したり、相手の投稿に積極的に「いいね」や「コメント」のリアクションをしたりして、コミュニケーションを深めましょう。
また、Facebookで他のユーザーに「友達」申請するように、LinkedInでは「つながり」を申請します。
他のユーザーとつながると、Facebookのメッセンジャーと同じように、個別で連絡を取り合うことができます。
自社と関連がありそうな「LinkedInグループ」に参加するのも良いでしょう。
投稿にリアクションするだけでなく、有意義な発言をすることで注目を集めることができます。
また、LinkedInを社内のコミュニケーションツールとして利用している企業もあります。
LinkedInで企業ブランディング
「企業のページ」を作成してコンテンツを投稿することは、企業ブランディングにも役立ちます。
潜在的な顧客や人材に向けて、企業文化を紹介したり伝えたいメッセージを投稿したりすることを通じて、企業の印象を形作ることができます。
興味を惹きつける投稿を続けてフォロワーを増やせば、グローバルに会社の認知度を上げることができます。
フォロワーを増やすには、ただ社内の情報を投稿するのではなく、業界内の有益な情報も発信することで「役に立つページ」として認識してもらうことが近道です。
企業名があまり知られていない中小企業の場合は、企業ページを作成してもそのページを訪れる人自体が少ないです。
その場合は、経営幹部クラスの従業員のプロフィールを作成し、ファンの獲得を目指すのも1つの手です。
LinkedInで情報収集
LinkedInはビジネス特化型のSNSなので、効率的に情報収集ができます。
ユーザー情報や投稿内容がビジネスに関連するものがメインであるため、業界動向や潜在顧客の求めているものを把握するのに便利です。
情報収集の方法としては、つながっているユーザーの投稿をチェックする、ビジネス上関連しそうな企業等の会社用のページをフォローしてフィードで投稿を読む、などがあります。
また、国内外における自社と同業種の企業・従業員・潜在顧客が参加している「LinkedInグループ」に参加して、情報収集することもできます。
LinkedInでプロモーション
LinkedInでは、詳細にターゲットを決めた上で商品やサービスのプロモーションを行うことができます。
ビジネス特化型であるLinkedInは、特にBtoB商品のプロモーションに適しています。
2021年の米国におけるBtoB向け「ディスプレイ広告」で、LinkedIn は最大シェアを誇り(32.2%)、リードを獲得する有効なツールとして認識されています。
LinkedInで商品やサービスのプロモーションを行う方法として、以下のようなものがあります。
- 会社のページを作成してPR投稿を行う
- 有料の「LinkedIn広告」を利用し、ユーザーのフィード画面にコンテンツを挿入する
- 有料の「Inmail」を利用し、ユーザーに直接PR配信する
LinkedInで採用活動
LinkedInを使ったWEBマーケティング手法として最もメジャーなのが、採用活動でしょう。
ユーザーの登録情報には履歴書記載項目が網羅されており、ユーザーの投稿からどんな人物か想像することもできるため、企業はオンライン上で有望な人材を探すことができます。
LinkedInを使った採用活動には、以下のような方法があります。
1)企業ページに求人情報を掲載
LinkedInには採用活動向けの機能があり、企業ページに企業のカルチャーや求人情報を掲載できるだけでなく、ユーザーに企業ページから応募してもらうこともできます。
2)「LinkedIn広告」で求人広告を出す
有料の「LinkedIn広告」で求人広告を出すと、希望条件に合致したユーザーに「おすすめの求人」として表示されます。
LinkedInは広告がクリックされる確率が非常に高いので、求人広告を出す効果も高いです。
3)ユーザーにスカウトメールを送る
有料の「Premiumアカウント」として登録すると「InMail」という機能が利用でき、企業がつながっていないユーザーにもスカウトメッセージを送ることができます。
LinkedInをWEBマーケティングに使うメリット・デメリット
LinkedInをWEBマーケティングに活用するに当たっては、ビジネス向きSNSであることによるメリットがたくさんあります。
一方で、他のSNSと比べた時のデメリットもいくつかあります。以下でLinkedInのメリット・デメリットを詳しくご説明します。
LinkedInをWEBマーケティングに使うメリット
LinkedInをWEBマーケティングに使うことには、以下のようなメリットがあります。
高度なターゲティングが可能
LinkedInは高度なターゲティング機能を有しています。
ユーザーの詳細な登録情報(学歴・職歴・役職・資格・スキルなど16項目)に基づき、広告内容や広告を表示するターゲットを細かく設定することで、効率的な採用活動やプロモーションを行うことができます。
WEBマーケティングの成果が出やすい
ビジネス特化型のLinkedInは、他のSNSよりも広告が嫌がられにくく、リードにつながりやすいのがメリット。
また、ユーザーには企業の意思決定者や経営幹部が多数いるため購買に直結しやすく、米国でのコンバージョン率は6.1%と高レベルです。
グローバルなマーケティングができる
LinkedInは世界中にたくさんのユーザーがいるため、グローバル市場を対象にしたWEBマーケティングが可能です。
低コストで採用活動ができる
転職エージェントを通して採用活動を行うと、採用が決まった場合に成功報酬を支払う必要があります。
LinkedInではフィーが発生しないため、コストを抑えることが可能です。
また、海外の人材が必要な場合も、エージェントを通さずオンラインで探すことができます。
LinkedInをWEBマーケティングに使うデメリット
LinkedInをWEBマーケティングに使うデメリットとして、
- BtoC企業のWEBマーケティングにはあまり向いていない
- 「LinkedIn広告」は利用料金が比較的高い
- 日本での認知度がまだ低い
などが挙げられます。
また、他のSNSを使ったWEBマーケティングにも共通するデメリットとしては、LinkedInをWEBマーケティングに利用するにはノウハウとリソースが必要になることです。
LinkedInをWEBマーケティングに活用しよう
これまでお話してきた様に、LinkedInはWEBマーケティングに活用する様々なメリットがあり、効果的なBtoBマーケティングプラットフォームとして注目されています。
人材の獲得競争がいっそう激しくなりつつある昨今、LinkedInは「ジョブ型雇用時代」の採用活動に適したSNSであると言えます。
ユーザーが登録している詳細なキャリア・スキル情報や投稿内容を判断材料として、世界中の優秀な人材に素早くアプローチできます。
また、世界中の様々な業界におけるプロフェッショナルや企業幹部が集まるLinkedInは、プロモーションにも効果的なツールです。
従来型の広告と比べて低予算でプロモーションできるため、PR予算が限られている中小企業にとってもチャンスがあります。
LinkedInは日本でまだ十分活用されているとは言えませんが、見方を変えれば国内における競合他社がまだ少ないということです。
WEBマーケティングにLinkedInをいち早く活用して、グローバルなビジネス界におけるプレゼンスを高めましょう。
下記サイトで、インフルエンサーマーケティングも含めた「WEBマーケティング」を相談できる代理店を紹介しているので、是非参考になさってください。
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