ビジネスアナリストとは?仕事内容や年収、キャリアパスもご紹介

DXが推進される中、WEB上の膨大なデータをもとにビジネスチャンスの拡大を図る企業が増え、大いに注目されているビジネスアナリスト。

マーケティング戦略の部署やビジネスサポート・カウンセリングを提供する企業など、積極的に人材確保に取り組む企業が増加しています。

ここではビジネスアナリストの仕事内容や役割について、年収やキャリアパスなどを踏まえて分かりやすく解説していきましょう。

ビジネスアナリストとは

ビジネスアナリストとは、プロジェクトを成功に導くために具体的に要件を定義し、それぞれの担当部署(開発チームなど)に適切に伝える役割を果たします。

つまり、プロジェクトが目指すべきゴールと道筋を明確化することに貢献するビジネス分析の専門家です。

ビジネスアナリストの仕事内容

ビジネスアナリストは経営層とコミュニケーションをとり、解決すべき課題を明確化し、具体的なアプローチについて提案します。

そして、各部署の担当者へ必要な要件を伝え、業務変革全体をコーディネートするという役割を果たします。

ビジネスアナリストの主な仕事は次の通りです。

  • 業務の可視化・課題分析・要件定義を担当する
  • 新たなビジネスプロセスの設計
  • 実施するソリューションをチェック
  • プロジェクト上のコミュニケーションの円滑化

業務の可視化・課題分析・要件定義を担当する

ビジネスアナリストは、ビジネスの成功に向けてプロジェクトにおける課題分析・要件定義を担当します。

そのためにはデータに基づく現状分析を徹底し、具体的なソリューションを提案します。

新たなビジネスプロセスの設計

経営陣が求める成果と職場で実践しうる働きをすり合わせて、新たなビジネスプロセスを構築・提案することが必要です。
ここでも求められるのは現状分析のスキル。

ビジネスアナリストは革新的なビジネスプロセスを発想できるように、日々経済の動きを観察しながら情報収集に務めます。

実施するソリューションをチェック

実践するプロジェクトの検証も担当します。

結果で得た問題点を分析し、課題をクリアするためのソリューションを各担当部署へ正確に伝えで失敗を防ぐ役割を果たします。

プロジェクト上のコミュニケーションの円滑化

ビジネスアナリストは、それぞれの部署をつなぐパイプ役として働きます。

プロジェクトの成功には、各専門分野や多階層のチーム全体が協力し合えるように円滑なコミュニケーションを育む必要があります。

ビジネスアナリストの年収

求人ボックスの国税庁の調査を基にした給与ナビのデータによると、ビジネスアナリストの平均年収は約759万円

日本の平均年収458万円(令和4年分 民間給与実態統計調査)と比較すると高い傾向にあります。

給料分布のボリュームソーンは659〜764万円と、正社員のビジネスアナリストは全体的に高給であるといえるでしょう。

なお、月給で見ると63万円程度、派遣社員の平均時給が2,999円です。

データアナリストとの違い

ビジネスアナリストの仕事は、データアナリストと同一視されることがありますが、正確には両者に職務上のすみ分けがあります。

まず、データサイエンティストがビッグデータの収集・分析を中心に担当します。
この分析に基づいてデータベースの構築を担当します。

データアナリストはこのデータベースを基に、ビジネスシーンで生じている事象を分析して課題提起をします。

次にビジネスアナリストがソリューションに必要な施策を立案し、経営陣とプロジェクトメンバーに共有させます。

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ビジネスアナリストのキャリアパス

ビジネスアナリストになるためには、携わりたい業界のビジネスに関する知識・現場経験や、統計データを読み解くスキルを身につける必要があります。

そのために統計検定の取得、チームビルディングの経験を積んでおきましょう。

ビジネスアナリストになるためのキャリアパス

一般的に、ビジネスアナリストの職に就くためには業務改革・業務効率化を推進する部署に所属することが早道でしょう。

経営企画部や社内DX推進の部署など、広くマーケティングに携わる部署で知識・スキルの習得ができます。

そこで、ビジネスアナリストになるためのキャリアパスの例をいくつか挙げておきましょう。

テクノロジーやソフトウェア

いわゆるテック企業では、プロセス・製品・サービスの最適化において熟練したビジネスアナリストを求める傾向があります。

そこで、テック系の企業で経営企画の職場で経験を積むキャリアパスが良いかもしれません。
経験をもとに、ビジネスアナリストへのキャリアアップが可能です。

金融や銀行

金融業界のではマーケットをはじめとする金融データの収拾と分析が基本です。

ビッグデータの分析や業務の最適化、規制の遵守に置ける業務を経験がビジネスアナリストへのキャリアパスとなります。

医療

医療機関において、データ管理・ワークフローの構築・患者ケア対策は重要課題です。

これらの業務はビジネスアナリストの仕事に通じるものがあり、ビジネスアナリストへのキャリアパスへの貴重な経験となります。

小売業とEコマース

小売業者やオンラインストアでは、マーケティング戦略において顧客データの分析やサプライチェーンの最適化など、ビジネスアナリストを配属する企業が増えています。

ここでの経験もビジネスアナリストへのキャリアパスとなります。

ビジネスアナリストとして必要な知識・スキル

ビジネスアナリストとして必要な知識・スキルとして、技術的な知識・スキルとソフト面の知識・スキルを分けることができます。

ビジネスアナリストへのキャリアパスを進める際に、両面のスキルをカバーする形で習得すると良いでしょう。

技術的な知識・スキル

・データ分析:人工知能の開発に適しているPythonなどプログラム言語によるデータ分析
・プロセスモデリング:フローチャートなどの構成要素、活動などを顕わすモデリング技術
・要件管理:JiraやTrelloを使ったビジネス要件の管理
・特定の業界の知識:自分が所属する分野・業界についての詳しい理解
・ITシステムへの精通:データベースやネットワークシステムに関する理解


ソフト面の知識・スキル

・ソリューション力:課題の分析とソリューションの提案
・順応力:所属するビジネス界における継続的な学習姿勢
・コミュニケーション力:クライアントや経営陣・チーム間のコミュニケーション構築
・スケジュール管理:時間の優先順位の付け方や時間遵守の姿勢
・チェック力:エラーや矛盾点・ミスを見つける注意力

ビジネスアナリストからのキャリアパス

ビジネスアナリストからのキャリアパスとしては、次のようなポジションを挙げることができます。

シニアビジネスアナリスト

熟練したビジネスアナリストはより複雑なプロジェクトを担当し、シニアビジネスアナリストとして他のビジネスアナリストを指導する役割に昇進することができます。

ビジネスアナリストを目指す方々には、やはりアナリストとしてキャリアを高めたい方もいることでしょう。

ビジネスアナリストとしての実績を積み上げて、エキスパートとしての役職を掴むキャリアパスは実現可能な選択肢です。

チームリーダーやプロジェクトマネージャー

社内のリーダーシップをとるチームリーダーやプロジェクトマネージャーの役割にキャリアアップすることができます。

具体的にはアナリストチームの監督・リソースの調整・プロジェクトの立ち上げから完了などを総括して管理するポジションです。

ビジネスアナリストはソリューションの立案をする立場であり、また経営陣とプロジェクトメンバーにソリューションを共有させる役目であることから、プロジェクト力やチームをまとめる力が養われます。

そのような経験を多いに活かせるキャリアパスと言えるでしょう。

各業界のエキスパート

金融や医療、小売業など特定ドメインのビジネスアナリストに精通することで、そのドメインのエキスパートとして活躍することができます。

例えば、投資関連企業のビジネスアナリストであれば、投資に関するデータ分析から、投資におけるリスクヘッジ、利益確定のノウハウなど、具体的な投資術についての造詣が深まるでしょう。

その経験を活かし、投資アナリスト・証券アナリストとして活躍するキャリアパスが構築できます

データアナリスト

DXの進展につれ、より精度の高いデータ分析技術が重要視されるようになるでしょう。

その際、能力の高いデータアナリストやデータサイエンティストのニーズが高まるとされています。

ビジネスアナリストは、このデータ分析のスペシャリストとしてのキャリアパスを進むことができます。

ビジネスコンサルタント

ビジネスコンサルタントの会社を企業すること、あるいはフリーランサーとしてビジネスコンサルを行うキャリアパスがあります。

それは、ビジネスアナリストが新たなビジネスプロセスを構築・提案する役割を果たすからです。

クライアントの事業の課題に対するソリューションを提案する力が養われるので、コンサルとしての実力を積み上げることが可能です。

ビジネスアナリストからのキャリアパスに役立つ資格

ビジネスアナリストからのステップアップをする場合、上記に挙げたスペシャリスト・エキスパート性の高いキャリアアップが選択できます。

つまり、個々の実力を示すためのアイテムを持っておく方がキャリアパスの実現に有利となります。

ビジネスアナリストとして役立つ資格を確認しておきましょう。

  • CCBA:IIBAが『ビジネスアナリスト』に関する認定資格
  • CBAP:CCBAの上位にあたる資格(実務経験5年以上のビジネスアナリストを対象)
  • 統計検定:統計や確率に関する専門的な知識やスキルに関する資格

中でもCCBAの取得をおすすめします。
CCBAは国際的にビジネスアナリストの知識・スキルを認定する資格で、ビジネスアナリシスの実践者のための専門性の認定をしてくれます。

ビジネスアナリストの魅力

ビジネスアナリストの魅力として、会社の利益アップに直接貢献することなどを述べました。

これから未経験でビジネスアナリストを目指す方々にとって、具体的なメリットを分かりやすくまとめておきます。

ビジネスアナリストは会社への貢献度が高い

ビジネスアナリストの魅力として挙げられるのが、プロジェクトを成功に導くために欠かせない重要な役割を果たすということです。

特に経営陣は事業目標を具現化する手段を強く求めています。
そのためには、データより的確に現状分析して立案された実利のあるプロジェクトが必要です。

また、プロジェクトの成功に向けて、担当スタッフ都の意思疎通、実践上のデータ解析などを網羅して、より精度の高い企業活動が求められます。

これらの運営管理を実勢にサポートするのがビジネスアナリストで、そのヤリガイはとても大きいと言えるでしょう。

ビジネスアナリストは年収が高い

冒頭で述べました通り、ビジネスアナリストの年収は約759万円と高い傾向にあります。

新人として転職した場合でも日本の平均年収を上回るケースが多く、その後の年収アップにも大いに魅力が持てるでしょう。

ビジネスアナリストの将来性が高い

IT社会におけるビジネスアナリストのニーズは、近年において上昇する傾向にあります。

実はビジネスアナリストの職は世界的に普及して来ていますが、日本では職業としてのポジションが十分に確立されていません。

現状では、SEやコンサルタント、経営企画部担当者、情報システム部門担当者などがその役割を担っていますが、ビジネスアナリストとしてポジションを与えられていないケースが目立ちます。

しかし、『ITプロジェクトの7割は失敗する』といった評価があり、原因として要件定義の不適切が挙げられています。

つまり、ビジネスアナリストの働きが成否に影響するという認識が高まっていて、その点を理解する企業がビジネスアナリストの確保に積極的に取り組んでいます。

ビジネスアナリストの成功事例

ビジネスアナリストの成功事例を2つ挙げておきましょう。

パナソニック

パナソニックホールディングス株式会社は、近年データサイエンスを取り入れたサプライチェーンマネジメントによって「現場プロセスイノベーション」を進めています。

一般的には、サプライチェーンの課題解決には物流領域内殻だけではなく、その外側から問題点を特定し、全体的な流れの中でソリューションを見出す必要があります。

パナソニックのビジネスアナリストは、AIテクノロジーやビッグデータを活用し、物流プロセスの改善を成功させています。

横浜銀行

横浜銀行は、顧客の利便性を高めるためにインターネットバンキングのログインページを「マイページ」としてリニューアルしました。

リニューアルの理由は、インターネットバンキングの利用実績が思わしくないという課題に対するソリューションを示すためです。

このような経緯の中にビジネスアナリストの活躍が伺えます。

具体的には、「お気に入り登録・おすすめの商品/サービス・テーマ登録といった機能を「レコメンドエンジン搭載プライベートDMP」ツールで提供し、比較的中高年層の多い顧客への利便性をアピールすることに成功しています。

結果、顧客のライフステージやライフスタイルに合わせたサービスの最適化が実践されています。

これによってインターネットバンキングの利用率が13.7%増加し、顧客の興味・関心における情報収集がより具体的になったとのこと。

ビジネスアナリストでおすすめの企業

最後に、ビジネスアナリストとして働くおすすめの企業を3つ紹介します。

  • 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
  • 富士通株式会社
  • アスクル株式会社

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社


伊藤忠テクノソリューションズ株式会社は、低価格・短期間で導入できる「Tableau」と「Amazon Redshift」を活用したビジネスアナリシス・サービスを提供しています。

伊藤忠テクノソリューションズは、コンサルテーション・SIからアウトソーシングまで、企業のITライフサイクルを支えるソリューションを提案するエキスパート企業です。

ビジネスアナリストが各分野で独自のアナライジングを行い、その分析・ソリューションの提案がさまざまなビジネスシーンで活用されています。

ビジネスアナリストを目指す方は、個々に特異な分野、興味のある分野が違うことでしょう。
その点で、伊藤忠テクノソリューションズは選択肢の豊富な企業としておすすめです。

〇ビジネスアナリストの平均相場:871万円

富士通株式会社


富士通グループはグローバルにデジタルサービスを提供する大手IT企業で、 大規模かつ先進的なIT系システムを構築してきた国内シェアNo. 1の企業です。

Fujitsuファミリ会を運営しており、プロマネ実践講座「要件定義を鍛え直す! ビジネスアナリストへの道」などのセミナーを開催し、積極的にビジネスアナリストの育成に注力しています。

もちろん、手掛けるプロジェクトは多種多様で、ビジネスアナリストの活躍の場は豊富だというメリットがあります。

〇ビジネスアナリストの平均年収:798.5万円

アスクル株式会社


アスクルはオフィス向け事務用品をメインに扱うネットショッピングサイト。
BtoB事業、BtoC事業、ロジスティクス事業からの構成で、アイデアあふれる事業展開が魅力の企業です。

アスクルでは、注文情報・商品レビュー・物流情報を膨大なビッグデータをもとにソリューション確立しています。

『社内のデータアナリストが分析、サービス進化や高精度なデータマーケティングに活用している』とのことで、ビジネスアナリストの働きも重要視する企業です。

特にBtoB事業では、顧客基盤とビッグデータを活用してMRO・メディカル領域の拡大、広告事業やSaaSビジネスへの着手とオフィス通販の領域を超えた事業拡大を進めている点がビジネスアナリストの活躍ポイントと言えるでしょう。

〇ビジネスアナリストの平均年収:672万円

まとめ

社会全体がDX化を進める中、ビジネス面では専門のアナリストによる企業分析・マーケット対策が欠かせません。

ビジネスアナリストは、今まさに活躍を求められている職業です。

これからビジネスアナリストを目指す方は、今から適切な準備に取り組み、明確なキャリアパスをもって転職へと望んでみてください。

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