WEBプロデューサーとは?仕事内容や必要な資格を解説

WEBサイトの制作に関わるプロジェクトを統括するのがWEBプロデューサー。

WEBプロデューサーは、クライアントの依頼内容や予算に応じたサイトを提供すべく、制作スタッフの総指揮をとります。

情報通信の発展に伴いWEB系の人材ニーズが高まる今、特にプロデューサーの役割は重要で、人材不足が顕著です。

今回は、未経験の方が安心して転職へ踏み出せるよう、WEBプロデューサーとは、仕事内容や必要な知識・スキル、キャリアパスなどを解説します。

WEBプロデューサーとは

WEBプロデューサーはWEBサイト制作会社において、一般的にはWEBディレクターの上位職種であり、WEBサイト制作の総指揮を担います。

具体的には、WEBプロデューサーはクライアント管理をはじめ、制作にかかる予算の管理、計画立案に携わるプロジェクトリーダーです。

WEBプロデューサーの仕事内容とは

WEBプロデューサーの仕事内容は、WEBサイト制作における企画の立案・策定から始まり、要件定義・デザイン制作・コーディング・リリーステスト・公開の工程をすべて指揮することです。

実際の業務として、次の7つの作業を監督します。

  1. 顧客へのヒアリングによる要求仕様書の作成、その要件の定義付け
  2. プロジェクトメンバーの選定
  3. 制作スケジュールや予算計画の策定
  4. ワイヤーフレームやデザインカンプの作成
  5. コーディング
  6. 単体テストや結合テスト
  7. 納品(修正依頼への対応など)

なお、上記の業務は一部分をWEBディレクターが指揮を担当するケースもあります。

特に中小のWEBサイト制作会社においては、WEBプロデューサーとWEBディレクターには明確な線引きがないこともあって、両社が兼任される場合もあります。

▼関連記事

WEBプロデューサーに必要なスキルや能力とは

WEBプロデューサーとして実務を遂行するには、基本的に次の4つのスキル・能力が求められます。

  • WEBディレクターとしてのスキル・知識
  • 予算管理の知識・スキル
  • プロジェクト管理能力
  • プレゼンテーション力

WEBディレクターとしてのスキル・知識

ディレクションのために必要とされる能力として、スケジュール管理能力・調整力・交渉力・業務推進力などです。

WEBディレクターの場合は、WEBサイト作成にあたってワイヤーフレーム作成の経験や
顧客との折衝力、クオリティチェックのスキル・経験なども要求されます。

これらの知識・スキルは、WEBプロデューサーがWEBサイト作成の指揮を担う上で必須の能力とされます。

予算管理の知識・スキル

クライアントからの依頼通りにWEBサイトを作成する際に、もっとも重要なのが予算と依頼内容との調整です。

つまり、WEBプロデューサーは如何に予算内で顧客ニーズに応えるかが問われます。

具体的には、コスト配分とスケジュール管理です。

目標とする収益を上げるために、プロジェクト全体の収支をコントロールするためのノウハウが求められます。

プロジェクト管理能力

WEBサイト作成のプロジェクトには多くのスタッフが参加するので、大人数を一括マネジメントする能力が必要です。

Plan(計画)・Do(実行)・Check(測定・評価)・Action(対策・改善)のプロセス、いわゆPDCAサイクルを効率よく循環させ、マネジメントの品質を高めるためのプロジェクト管理能力が問われます。

プレゼンテーション力

WEBサイト制作においては、WEBプロデューサーが企画の提案と納品を行います。

特に納品の際は、クライアントを納得させるだけのプレゼン能力も必要です。

例えサイトの品質が良いとしても、クライアントに評価されなければ契約完了とならない可能性もあり、WEBプロデューサーのプレゼン能力が重要視されます。

WEBプロデューサーに役立つ資格

一般的に、WEBプロデューサーに必須の資格はありません。

その理由として、異業種からの未経験者でも、必要とする能力があれば採用されます。

ただし、資格によって自己の知識・スキルを証明すること、求人の要項に『有資格者を歓迎』とあるなど、いくつかの資格が転職に有利となることも確実です。

WEBプロデューサーを目指す方、WEBプロデューサーとして成功を求める方には次の資格の取得をおすすめします。

  • ウェブ解析士
  • WEBアナリスト検定
  • Google Analytics Individual Qualification(GAIQ)
  • WEBクリエイター能力認定試験
  • ネットマーケティング検定

ウェブ解析士

ウェブ解析のスキルはWEBマーケティングの基盤となります。

WEBプロデューサーはコンテンツ作成とコンテンツのでき具合を、マーケティング分析をもって確認する必要があるためです。

WEBアナリスト検定

WEBアナリスト検定とは、Googleアナリティクスのアクセスログ解析といったWEBアナリストに必要な知識・スキルを証明する資格。

合格率は約80%と難易度は高くないため、職場で有利とあれば取得しておきたい資格です。

Google Analytics Individual Qualification(GAIQ)

Google アナリティクスに関する個人認定資格(無料)です。

ただし、Google系アルゴリズムを含むシステムの更新が非常に早く、古い資格は役に立ちません。

具体的には認定資格が12か月と短く、資格維持には再テストが必要となります。

WEBクリエイター能力認定試験

WEBクリエイター能力認定試験は、HTMLやCSSなどのホームページ記述言語(マークアップ言語)によるデザインやコーディング能力を問う試験です。

WEB制作の基礎力を証明する資格で、取得する意味は十分になります。

ネットマーケティング検定

ネットマーケティング検定とは、ネットマーケティングの基本力を証明する資格試験です。

クライアントの依頼に応じた企画・立案をおこなう際に、インターネット上から必要となるデータを的確に収集し、分析する知識・スキルとなります。

WEBプロデューサーのキャリアパス

未経験者の中にはWEBプロデューサーになるための準備や道筋について悩んでいるかもしれません。

そこで、WEBプロデューサーになるためのキャリアパスについて説明しておきましょう。

WEBプロデューサーになってからのキャリアパスも解説するので、さらなるキャリアアップの参考にご覧ください。

WEBプロデューサーになるためのキャリアパス

WEBプロデューサーになるためのキャリアパスは、一般的に次の2通りです。

  • 未経験からWEBプログラマー、そしてWEBディレクター
  • 未経験からWEBデザイナー、そしてWEBディレクター

WEBプロデューサーはWEBサイト制作の総指揮を担うことから、未経験者がいきなり抜擢されるポジションではありません。

WEBプロデューサーとして活躍するためには、基本的にWEBディレクターの経験を積むことが条件とされるケースが非常に多いです。

上記に挙げた通り、一般的にはWEBプログラマーやWEBデザイナーとしてWEBサイト制作の経験を積み、その実績をもってWEBディレクターへとキャリアアップ。

まずはWEBサイト制作の現場に入り、部分的な業務を経験する中で制作のための業務を全体的に把握していきます。

冒頭でも述べた通り、WEBサイト制作会社においてはWEBプロデューサーとWEBディレクターには明確な線引きがないこともあり、WEBディレクターの経験を積むことでWEBプロデューサーへの道が大きく開かれるでしょう。

▼関連記事

WEBプロデューサーになってからのキャリアパス

WEBプロデューサーとして活躍した方は、その後のキャリアパスとして『WEBプロデューサーのままキャリアを積む』か『職種・ポジションを変える』の2通りがあります。

WEBプロデューサーのままキャリアを積む

まず、所属している会社を移動することでキャリアアップを目指すキャリアパスがあります。

WEBサイト制作会社で勤務していた方は、事業会社の広告部などへ転職するケースが見られます。
つまり、ひとつの事業やサービスを深く追求するためのキャリアアップです。
もちろん、この反対もあります。

また、独立してフリーランスとして、よりプロフェッショナルなプロジェクトを手掛ける方もいます。

職種・ポジションを変える

WEBプロデューサーのキャリアを活かして、WEB制作における別の職種にキャリアパスするケースがあります。

例えば、WEBマーケターやWEBアナリストなどの専門分野へ特化するケースです。
また、独立してWEB広告のコンサルをする方もいます。

▼関連記事

WEBプロデューサーの魅力

WEBプロデューサーの魅力は、主に次の3つを挙げることができます。

  • WEBプロデューサーならではのヤリガイがある
  • WEBプロデューサーは年収が高め
  • WEBプロデューサーの将来は有望

WEBプロデューサーならではのヤリガイがある

WEBプロデューサーならではのヤリガイとして、ひとつのプロジェクトをはじめから完成まで一貫して手掛けるという達成感が味わえます。

自らがクライアントとコミュニケーションをとり、制作の現場ではリーダーシップを発揮し、ひとつひとつの作業を総指揮するという大きな仕事に対する満足感も得られます。

また、プロジェクトについて具体的な成果を把握できるポジションにいることもモチベーション維持に働くでしょう。

WEBプロデューサーは年収が高め

WEBプロデューサーの年収は、一般的に高いとされています。

求人ボックス・給料ナビのデータでは、平均年収が約573万円とあります。
なお月給ベースでは48万円で、正社員の給料分布では461〜542万円がボリュームゾーンとなっています。

このことから、WEBプロデューサーは将来的に大幅な給与アップが見込める職業だと分かります。

WEBプロデューサーの将来は有望

WEBプロデューサーの将来性は有望です。
今、急速にデジタル技術の進歩が顕著で、WEBマーケティングのニーズは高まっています。

言い換えれば、あらゆる産業・企業でWEBサイト(SNSが主流化している)によるマーケティング戦略を展開していて、WEBプロデューサーのニーズは高まる一方です。

なお、絶えず最新のデジタル技術・WEBマーケティング理論を会得してゆくWEBプロデューサーは、熟練度を増せば増すほど金銭面を含む評価が高まるという特徴があります。

WEBプロデューサーの成功事例

では、WEBプロデューサーの活躍で業績を挙げた例を2つ紹介します。

  • サイボウズ|漫画・イラストの活用で馴染みやすいWEB広告
  • 無印良品|より大衆的な商材写真をインスタ広告で拡散

サイボウズ|漫画・イラストの活用で馴染みやすいWEB広告

ノーコード業務アプリ作成ソフト・キントーンで人気のサイボウズでは、ITツールになじみのない企業へ自社ITツールをアピールする方法として、漫画・イラストの活用で馴染みやすいWEB広告を展開しました。

当時のWEBプロデューサーは、ターゲットを20代~30代の次世代のリーダー層に絞り込み、アニメ・マンガ系のコンテンツ・サイボウズ式のWEBメディアを開設。

ITツールのメリットを視覚的にも分かりやすく伝えることに成功し、大幅な集客を達成しています。

無印良品|より大衆的な商材写真をインスタ広告で拡散

ちょっと個性的でコスパが良いノーブランド良品を提供する無印良品。

こちらは、ややブランド化しつつある商品ラインアップにテコ入れをする形で、日常使いの優れものアイテムをインスタでさりげなく消費者にアピールする広告手法に力を入れています。

『こういう風に商品を使いこなすのはいかが!』といったWEBプロデュースがSNS上で話題になり、ユーザーの購入意欲アップに成功しています。

WEBプロデュースが成功し、長期利用のファン層を拡大したとのこと。

WEBプロデューサーでおすすめの企業

最後に、WEBプロデューサーでおすすめの企業を3つ紹介しましょう。

  • 株式会社ナハト
  • 株式会社ユニマットプレシャス
  • 株式会社EPOCH

株式会社ナハト


インフルエンサー広告クリエイターとして、業界でも高い評価を受けているベンチャー企業の株式会社ナハトはWEBプロデューサーを目指す方にもおすすめ。

総案件実績数2,000件を超える中、その80%が口コミ紹介というから実力のほどは確かです。
とくにSNS広告での評価は高く、5000名以上の大型インフルエンサーを的確にアサインできるのも魅力です。

できる限り実利的なコンテンツを積み上げていきたいと望むWEBプロデューサーにとって、株式会社ナハトは格好の職場となることでしょう。

<平均年収>
クリエイティブ(WEB・ゲーム制作など)は541万円(平均年齢27.4歳)

株式会社ユニマットプレシャス


ユニマットグループは、『ゆとりとやすらぎを提供する総合サービス集団』して注目を集めるベンチャー企業。
具体的には、リゾート・ゴルフ・マリーナ・ブライダルレストランなど、洗練された『大人の遊び』を追求する企業です。

なぜWEBプロデューサーにおすすめかと言いますと、こちらでは今、自社の旅行サイトやリゾートサイトの成長を加速させるWEBプロデューサー・WEBディレクターを積極的に募集しているからです。

WEBマーケティングに力を入れている中堅どころのサービス業のため、個々の力を尊重した職場環境が整っている点がおすすめポイントです。

<平均年収>
企画系(経営企画、広報など)は448万円(平均年齢43.0歳)

株式会社EPOCH


歴史的な名作の野球盤をはじめ、シルバニアファミリー、アクアビーズ、ホイップるなど、数々の人気ゲームをリリースしてきた株式会社エポック。

日本で子ども時代を過ごした方であれば誰もが知る、日本を代表する玩具メーカーです。

今や50ヶ国以上で親しまれているグローバル玩具メーカーで、積極的に新しいおもちゃのアイデアを探り続けることから、WEBプロデューサーの活躍の場が十分に用意されていると言えるでしょう。

年収の高さからも伺い知ることができます。

<平均年収>
企画系(経営企画、広報など)は587万円(平均年齢43.8歳)
クリエイティブ系(WEB・ゲーム制作など)は500万円(平均年齢31.7歳)

まとめ

ありとあらゆる企業が、コスパに優れるWEB広告に積極的な現在。
まさに、WEBプロデューサーのニーズが非常に高く、大手企業でも人材確保に力を注いでいます。

これからWEBプロデューサーを目指す方は、例え未経験であっても着実なキャリアパスをもって転職に望むことが可能です。

確かに必須とされる経験、キャリアにおいてはややハードルが高いと言えるでしょう。
順序だてた道筋を立てて、着実にステップアップするようにおすすめします。

コメントは受け付けていません。