プロジェクトマネージャーとは?必要なスキルやスキルアップの方法をご紹介
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトチームをまとめ、計画から実施までスムーズに進行するように全体を管理するポジションです。
スケジュール調整やコスト管理、メンバーのマネジメントなど、幅広い業務を担当することから、様々なスキルが求められる重要な役割となります。
本コラムでは、プロジェクトマネージャーついて、仕事内容や必要とされるスキル、キャリアパスについて解説していきます。
プロジェクトマネージャーとは
WEB業界におけるプロジェクトマネージャーとは、WEBサイトやアプリケーション開発プロジェクトの責任者として、チームメンバーをまとめる役割を担います。
プロジェクトの戦略立案から必要な人員の確保、スケジュール調整、予算管理など幅広い業務を行います。
主な仕事内容は以下の通りです。
- クライアントとの打ち合わせ
- プロジェクトの企画立案
- 予算管理
- プロジェクトメンバーの確保
- 進行サポート
- 納品、フィードバック
プロジェクトマネージャーの仕事は、企業や業界によって業務の範囲やプロセスが異なる場合も多くあります。
そのため、自分が働く環境やプロジェクトの特徴を理解して、それに合わせた働き方を実践することが重要です。
WEBプロデューサーとの違い
プロジェクト全体に関わる職種として、WEBプロデューサーという職種もあります。
どちらの職種もプロジェクトの成功には欠かせませんが、それぞれ異なる役割を担っています。
WEBプロデューサーはWEB領域のプロジェクトにおいて、主にクリエイティブなアイデアを実現し、プロジェクトの方向性を決定する責任を担うことが特徴。
デザイナーやWEBコーダーなど、クリエイティブチームと連携して、プロジェクトを成功に導きます。
一方、プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体の計画、進行、人員や予算管理といった実務的な業務を主に担当します。
企業サイトやブランドサイトなど、WEBに関わるプロジェクトの他にも、システム開発やキャンペーンなど、多様なプロジェクトに関わる機会が多い職種と言えるでしょう。
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プロジェクトマネージャーに必要なスキル
プロジェクトマネージャーの仕事に必要なスキルとして、主に以下の5つが挙げられます。
- リーダーシップ
- コミュニケーション能力
- スケジュール管理スキル
- 予算管理スキル
- 問題解決能力
リーダーシップ
プロジェクトチームをまとめるポジションとして、リーダーシップは欠かせないスキルです。
高いリーダーシップは、チームメンバーのモチベーションを高め、仕事のクオリティ向上にも大きな影響を与えます。
そのため、日頃からこまめな情報共有を意識したり、必要に応じてアドバイスやサポートをしたりすることが大切です。
チームワークが強化されることでお互いの意見交換が活発になり、コミュニケーションが円滑に進むことから、より良い成果も期待できるでしょう。
コミュニケーション能力
プロジェクトマネージャーには、高いコミュニケーション能力が求められます。
まず、クライアントのニーズを正しく理解し、それに対する適切な提案を行うことが大切です。
また、プロジェクトの計画をチームメンバーに明確に伝えることも重要です。
メンバー全員が同じ目標に向かうことで仕事の効率もアップし、より効果的なプロジェクトにつながるでしょう。
さらに、チームメンバー1人ひとりの特性を把握し、傾聴力を高めることで、信頼関係を築けます。
スケジュール管理スキル
クライアントの希望通り、スムーズに納品をするためにはスケジュール管理も重要です。
いくらプロジェクトの質が良くても、クライアントの希望通りのスケジュールで納品ができなければ満足してもらえません。
チームメンバーとの密なやり取りを通して、計画通り進んでいるかを適時チェックすることが大切です。
遅れが出ている場合や計画に変更が生じた際には、迅速に対応し適切な対応策を見つけることもプロジェクトマネージャーの重要な役割です。
予算管理スキル
プロジェクトの成功には、プロジェクトそのもののクオリティだけでなく、予算内で実施することも欠かせない要素です。
クライアントのニーズを最大限に満たしつつ、見込める売り上げとコストを把握して、適切な予算管理を行う必要があります。
ただし、しっかり予算計画を立てた場合でも、計画通りに進まないケースは少なくありません。
そのため、プロジェクトマネージャーは定期的にチェックを行い、必要に応じて調整をすることも大切な役割です。
問題解決能力
トラブルや急な変更などが発生した場合には、迅速な対応が重要です。
プロジェクトマネージャーとして、問題の原因を正しく究明し、解決策を見つけるための問題解決能力が求められます。
また、トラブルになり得る要素を事前に想定して回避したり、リスクを最小限にとどめたりするためのリスク管理能力も大切です。
プロジェクトマネージャーに役立つ資格
プロジェクトマネージャーとして働くために資格は必ずしも必要ではありませんが、資格学習がスキルアップに役立つ場合もあります。
実務経験が重要視される職種ではありますが、専門性をさらに深めたいという方は、以下のような資格を活用して体系的な知識を学ぶのもおすすめです。
- PMP
- プロジェクトマネージャー試験
PMP
PMP(Project Management Professional)は、PMI (Project Management Institute)が認定するプロジェクトマネージャーの資格で、世界的な認知度も高いことが特徴。
プロジェクト管理全般に関する知識を高められる資格なので、業界を問わず活用できるのもメリットです。
PMP資格を取得するには、一定のプロジェクトマネジメント経験と学習を経て、試験に合格する必要があります。
そのため、業務と並行しながら資格取得を目指し、効率的に知識を深めるのもおすすめの方法です。
プロジェクトマネージャー試験
プロジェクトマネージャー試験は、IPA(情報処理推進機構)が主催するプロジェクトマネージャーとしての能力を評価する試験です。
システム開発プロジェクトの責任者として、マネジメントに必要な幅広い知識やスキルを身に着けることができます。
プロジェクトマネージャー試験は国家資格でもあるため、転職時や独立時のアピール材料として活用することも可能。
ただし、合格率は約15%と難易度が高いため、プロジェクトマネージャーとしての仕事を通じて実践的な経験を積みながら、並行してさらなるスキルアップを目指して勉強する方法も効果的でしょう。
プロジェクトマネージャーのキャリアパス
ここでは、プロジェクトマネージャーを目指す際のキャリアプランの例と、将来のキャリアパスについてご紹介します。
プロジェクトマネージャーになるためのキャリアパス
プロジェクトマネージャーに転職するには、まずプロジェクト関連の職種で経験を積んでおくと、その後のキャリアをスムーズに形成できるでしょう。
例えば、プロジェクトアシスタントとしてのポジションの他、WEBデザイナーやWEBエンジニアなど、プロジェクトのチームメンバーとして専門分野を担当しながら学びを深める方法も効果的です。
メンバーと連携しながら仕事を進める過程で、コミュニケーションスキルやプロジェクトの全体像を把握する能力も高められます。
そして、将来的にプロジェクトマネージャーとなった際には、専門知識と実務経験を兼ね揃えたリーダーとして活躍することができるでしょう。
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プロジェクトマネージャーとしてスキルアップするためのポイント
プロジェクトマネージャーとしてのキャリアをスタートさせた後も、スキルアップを図ることでプロフェッショナルとしての活躍の場がさらに広がります。
スキルが向上することで会社から能力が認められ、より大きなプロジェクトや責任のある仕事を任される可能性が高まります。
また、市場価値が向上し、キャリアアップのチャンスも広がるでしょう。
以下では、プロジェクトマネージャーとしてスキルアップするためのポイントについて具体的に解説していきます。
実務経験を積む
スキルアップのためには、日々の業務を通じて実務経験を積むことが重要です。
特に、小規模のプロジェクトを積み重ね、徐々に大きなプロジェクトにチャレンジしていくことで、より効率的にスキルアップすることができるでしょう。
小規模のプロジェクトは全体像を把握しやすく、着実な成長が期待できます。
また、異なる業界や様々なタイプのプロジェクトに携わることも効果的です。
異なる環境での経験を積むことで、より幅広い視野を持ち、柔軟な思考を身に着けることが可能になります。
目的とゴールを明確にする
プロジェクトを成功させるためには、目的とゴールを明確にすることが欠かせません。
これらが不明確なまま進んでしまうと、各メンバーのやるべきことや優先順位が曖昧になり、モチベーションの低下を招くなど、様々な問題が生じる可能性があります。
クライアントのニーズと会社としての方向性をしっかりと把握し、目指すべき成果と目標達成までのステップを具体的に定めることが大切です。
また、チームをまとめるリーダーとして、明確な目的とゴールをチームメンバーにわかりやすく伝えることでもポイント。
密なコミュニケーションを意識することで、チーム全体が同じビジョンを持って取り組むことができ、自身のスキルアップにもつながるでしょう。
リスク管理
リスク管理もプロジェクトマネージャーとして欠かせない要素です。
プロジェクトを進めていく過程で、スケジュールの遅れや予期せぬ問題が発生することは少なくありません。
より高度なスキルを身に着けるためには、起こり得るリスクをできるだけ具体的に洗い出し、対応策を考えておくことが重要です。
数多くのケースを経験しながら、プロジェクトマネージャーとしてのスキルを高めることができるでしょう。
プロジェクトマネージャーの将来的なキャリアパス
プロジェクトマネージャーとしての経験を経て、将来的に目指せるキャリアをご紹介します。
シニアプロジェクトマネージャー
シニアプロジェクトマネージャーは、一般的にプロジェクトマネージャーよりも経験が豊富で、高度なマネジメント能力を持つ役職です。
複数のプロジェクトを同時にマネジメントしたり、他のプロジェクトマネージャーをリードしたりする役割があります。
そのため、より大きな責任を伴うことから、それに見合った高い報酬となることも特徴です。
経済産業省の調査『IT関連産業の給与等に関する実態調査結果』によると、プロジェクトマネージャーの平均年収は891.5万円のため、スキル次第では1000万円前後の年収も狙えるはずです。
また、より多くのメンバーやクライアントとの関りを築くことで、幅広い人脈を広げる機会も得られるでしょう。
エグゼクティブ職
プロジェクトマネージャーとして培ったリーダーシップや全体を俯瞰する能力を活かして、CEO(最高経営責任者)、COO(最高執行責任者)などのエグゼクティブ職として活躍するチャンスもあります。
社内全体の責任を担う重要な立場である反面、会社の方向性を決定し、ビジョンを示すなど大きなやりがいを感じられるポジションです。
高度な知識と経験、そして幅広い業務をこなすことが求められますが、それに伴って高年収も狙える職種と言えます。
コンサルタント
プロジェクトマネージャーを経て、コンサルタントとしてのキャリアを形成することも可能です。
コンサルタントは、クライアントである企業の課題に対して戦略的なアドバイスを行う職種。
プロジェクト単体だけでなく、企業全体を第三者の立場から客観的にサポートする立場にあるため、幅広い知識や経験が求められます。
実際のプロジェクトマネジメントに携わった実績と専門性を活かして、様々なクライアントに貢献できるため、大きなやりがいを感じることができるでしょう。
独立する
フリーランスのプロジェクトマネージャーとして独立する方法もあります。
フリーランスとなる場合は、クライアントの獲得から関係構築まで、基本的には全てのプロセスを一人で行う必要があるため、人脈づくりや高度なコミュニケーション能力が求められます。
その一方で、携わりたいプロジェクトを選べたり、仕事のスケジュールを自分で決められたりと、自由度の高い働き方も可能なのが特徴です。
プロジェクトマネージャーの魅力
プロジェクトマネージャーとしての仕事には多くの魅力があります。
特に以下の3つはプロジェクトマネージャーというポジションならではの魅力として挙げられます。
- 大きな達成感とやりがいを感じられる
- 幅広いスキルを活かせる
- 高年収が期待できる
大きな達成感とやりがいを感じられる
プロジェクトを進行する過程では、様々な問題が発生することがあります。
このような場合、チームをリードするプロジェクトマネージャーとして、柔軟な対応力や決断力が求められ、時にはプレッシャーを感じる場合も。
しかし、困難を乗り越えてチームで目標を達成した時には、大きな達成感とやりがいを感じられるでしょう。
また、クライアントの期待を超える成果を得られた場合には大きな喜びを得ることができます。
幅広いスキルを活かせる
プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体を管理する立場にあることから、幅広いスキルが必要です。
それだけ日々の努力や経験が求められるポジションと言えますが、その分自分の強みを活かしてプロジェクトを成功に導く仕事には、大きなやりがいを感じることができるでしょう。
高年収が期待できる
プロジェクトマネージャーは、チームメンバーやプロジェクトに大きな影響を与える存在であり、そのため大きな責任が伴います。
また、多岐に渡る知識や能力が求められるため、一般的にはプロジェクトマネージャーは高年収であることも魅力です。
平均年収は891.5万円というデータもありますが、プロジェクトの規模や経験値に応じた報酬を得られるため、自分の努力次第で将来的な収入アップも見込めるでしょう。
今後も需要が期待できる
近年、企業のDX化が急速に進み、多くの企業においてプロジェクトが実行されています。
例えば、顧客管理のデータ化、モバイル決済システム、電子カルテなど、幅広い分野においてプロジェクトが展開されています。
これらは企業全体に関わるため規模が大きく、また複雑になるケースが多いことも特徴。
そのため、プロジェクトチームをリードするマネージャーの存在は欠かせないものとなっています。
このような背景から、プロジェクトマネージャーは今後の需要も大きく期待されているポジションと言えるでしょう。
プロジェクトマネージャーの成功事例
ここでは、プロジェクトマネージャーとして活躍している2人の成功事例をご紹介します。
イントリックス株式会社 粕田俊平さん
イントリックス株式会社は、BtoBに企業に特化したWEBコンサルティングとWEB制作を行う会社です。
粕田俊平さんは、この会社でWEBサイト運用のプロジェクトマネージャーとして活躍しています。
粕田さんは、ビジネスホテルチェーンの建築設計からWEB業界へとキャリアチェンジし、現在は多様な職種の人と関わりながら多くのプロジェクトを管理しています。
プロジェクトの成功だけでなく、チームやクライアントの成功にも注力することで、結果的により大きな成果をあげています。
クライアントに対する深い理解と、チームビルディングの探究が、粕田さん自身の喜びとやりがいにつながっているそうです。
株式会社Jストリーム M.Sさん
株式会社Jストリームで働くM.Sさんは、WEBディレクターとして入社し、現在はメディア業界向けのプロジェクトマネージャーとして活躍しています。
主にWEB制作のディレクションを担当しており、新しいWEBサイトの立ち上げや、WEB配信や動画配信用のシステムを構築など、様々な案件に携わっています。
新しいことに挑戦することを好むM.Sさんは、クライアントのニーズに応えるため、最新の技術や工夫を取り入れて、より良い提案ができるよう日々努力しているそうです。
また、新しい知識を学んだり、より詳しい人に頼ったりするなど、試行錯誤を重ねる姿勢もM.Sさんの魅力で、今後のさらなる成長も期待されます。
プロジェクトマネージャーでおすすめの企業
最後に、プロジェクトマネージャーを目指す方におすすめの企業を3社紹介します。
株式会社ナハト
株式会社ナハトは、インフルエンサー広告を主軸に事業を展開する成長企業です。
「Profitable Marketing」を掲げ、本質的なマーケティング戦略から利益が出る仕組みを構築します。
最先端のWEBマーケティングを取り入れており、Instagram、YouTube、TikTokなどのSNS広告においては日本一を誇ります。
また、新規事業にも力を入れており、新しいチャレンジを積極的に取り入れていることも株式会社ナハトの強み。
日々様々なプロジェクトが進行しているため、プロジェクトマネージャーとして豊富な経験を積めるだけでなく、自らのアイデアやスキルを発揮できるでしょう。
株式会社ホンダコムテック
株式会社ホンダコムテックは、本田技研工業グループのハウスエージェンシー。
グループの総合プロモーションを管理する会社として、イベント・ディーラー営業・メディア向け宣伝・グッズやノベルティ等の調査・分析・戦略構築に携わっています。
プロモーション業務を軸に、様々なプロジェクトが進行していることから、多くの経験を積める会社としておすすめです。
また、役職や勤続年数にとらわれずチャレンジできるカルチャーもあるため、主体的な成長も期待できるでしょう。
株式会社ディーエムエス
株式会社ディーエムエスは、デジタルを融合したダイレクトマーケティングを専門とする企業。
ダイレクトコミュニケーションを中心に、ダイレクトメール事業、セールスプロモーション事業、イベント事業など、幅広く展開しています。
クライアントとその先のターゲットのニーズに合わせた提案を重視しており、そのための新しいアイデアを積極的に取り入れていることも特徴。
また、社員の自己啓発を支援するため、資格取得にかかる費用の補助制度も行われています。
常に成長できる環境に身を置き、スキルアップを目指せる企業としておすすめです。
まとめ
今回は、プロジェクトマネージャーの仕事についてご紹介しました。
チームをリードするポジションとして、多岐に渡る知識やスキルが求められるだけでなく大きな責任も担います。
しかし、それだけにやりがいも大きく、自己成長を実感できるでしょう。
また、経験を積むことで、キャリアアップや高収入も狙える職種です。
これからプロジェクトマネージャーを目指す方は、ご自身に合ったキャリアパスを具体的に構築し、理想的な働き方を実現しましょう。