人事の採用担当の仕事とは？求められるスキルやキャリアパスを紹介

人事の採用担当は、企業が求める人材を理解して候補者の応募や選考などの採用プロセスをスムーズに進める役割を担います。

新卒、中途の採用活動だけでなく、入社後の人材育成や人員配置、評価に携わる場合もあるため、会社の今後を左右する重要な職種です。

このコラムでは、WEB業界における人事の採用担当について、仕事の内容や魅力、キャリアパスをご紹介します。

人事の採用担当とは

人事の採用担当としての仕事内容と、求められるスキルや知識について解説します。

WEB業界における人事の採用担当の仕事内容

人事の採用担当は企業に適した人材を募集し、採用プロセスをスムーズに進める役割を担います。

具体的な仕事内容は主に以下の4つがあります。

• 採用戦略の立案
• 採用スケジュールの管理
• 選考プロセスの実施
• 内定者のフォローアップ

採用戦略の立案

人材募集にあたり、まずは採用戦略の立案を行います。

企業のビジョンや目標に基づき、人材を必要とする職種や部署、時期などを把握して戦略を考えていきます。

求める人材の属性に応じて適した採用方法やプロセスは異なるため、想定される応募者の行動パターンなどを分析することも重要な業務です。

例えば、WEB業界の採用においては、業界に特化した媒体やイベントへの参加などが向いているでしょう。

また、デザイナーやプログラマーなど専門スキルを持った人材の募集では、人材紹介会社の活用や、SNSなどを使って候補者に直接コンタクトを取る「ダイレクトリクルーティング」も効果的な手法のひとつです。

どのような採用戦略を取るかによって応募者の数や人物像が大きく異なる可能性があるため、綿密な計画が必要です。

採用スケジュールの管理

人材募集から書類選考、面接、採用までの一連の採用プロセスをスムーズに進めるためのスケジュール計画と管理を行います。

採用活動には、数多くの応募者とのコミュニケーションを含む多くの段階があり、成果を上げるためには関係部署や経営陣との関りも必要不可欠です。

そのため、候補者のスケジュールに加え、関係者のスケジュールの調整も行い、効率的に進めていくことが大切です。

しかし、採用の過程においては応募者の都合や社内の優先順位が変わるなど、スケジュールが計画通りに進まないこともあります。

そのような時でも、状況に応じて柔軟に対応することも人事担当の重要な業務です。

選考プロセスの実施

選考プロセスでは、初めに応募書類の選考を行い、その中から選ばれた候補者のスケジュールを調整し、面接や試験選考を進めていきます。

応募者によっては複数の企業を同時に受けている人もいるので、できるだけスムーズに選考が進むよう調整したり、企業に対する興味を高めたりする工夫も大切です。

また、応募者に対する連絡が滞ると不安を与えてしまうだけでなく、その後の手続きも遅れる原因にもなるため、選考結果や問い合わせに対する返信はできるだけ早く行う配慮も必要です。

採用・不採用に関わらず、選考結果やフィードバックを丁寧かつ簡潔に伝えることで候補者との信頼関係が構築され、企業イメージの向上にもつながるでしょう。

内定者のフォローアップ

採用を終えて入社が決まった後、入社の手続きや質疑応答など、内定者のフォローアップを行います。

フォローアップによって内定者は入社前に会社や仕事に対する理解を深め、さらに興味・関心を高めることができるでしょう。

また、他社から内定が出ている候補者の場合は、フォローアップによって内定辞退を防ぐ効果もあります。

さらに、会社によっては入社後も従業員との定期的な面談やコミュニケーションを通じてフォローアップを行い、人材育成に関わることもあります。

求められるスキルや知識

人事の採用担当は、会社の顔とも言われる重要なポジションです。

人事として働くために必須となる学歴や資格は特にありませんが、様々な人と関わりながら会社にとって適切な人材を採用するためには、幅広いスキルや知識が求められます。

人事のプロとして成功するためのスキルとして、以下のようなものが挙げられます。

• 自社に関する知識
• 採用マーケティングの知識li>
• コミュニケーションスキル
• 問題解決能力

自社に関する知識

企業の事業内容はもちろん、ビジョンやカルチャーなどを詳しく理解する必要があります。

自社に関する知識を深めることで、候補者に対して正しく情報を提供することが可能です。

さらに、企業の魅力をしっかり伝えることでより興味を持ってもらい、優れた人材を集めることができるでしょう。

採用マーケティングの知識

採用マーケティングとは、採用活動にマーケティングの考えや手法を取り入れたものです。

企業が求める人物像を明確にして、それに合ったスキルや特性を探ることで効果的な採用戦略を立てることができます。

また、予算内でより効果的な採用活動を行うためには、どこにどの位の費用がかかっているかなど、コスト管理も重要な要素となります。

採用プロセスの進捗状況や効果測定を行うことで、費用対効果の高い採用活動につながるでしょう。

コミュニケーションスキル

人事の採用担当は、高いコミュニケーションスキルも求められます。

数多くの応募者に対して会社の魅力をわかりやすく伝え、さらに候補者の関心や考えを引き出すためには、話す力だけでなく高い傾聴力も欠かせません。

また、近年ではメールやチャットなど、オンラインで応募者とやり取りをするケースも多いため、対面でのコミュニケーション以外にも、メールの書き方やレスポンスの早さも成果につながります。

お互いの意思疎通をスムーズに行うことで、両者の相性を見極めることができるでしょう。

問題解決能力

採用活動は常に変化する環境で行われ、計画通りに進まないケースも少なくありません。

また、様々なタイプの応募者と関わる中で、臨機応変な対応も重要です。

そのため、その時々の状況に合わせて柔軟に対応できるスキルや問題解決能力が求められます。

採用に関わる法令の知識

人事の採用担当者は、法令に関わる知識も必須です。

具体的には、労働基準法や男女雇用機会均等法、職業安定法などの法律があります。

これらの内容を正しく理解した上で、法令を遵守しなければなりません。

さらに、人材採用や労働に関する法令は時代に合わせてたびたび改正されるため、常に最新の法令を熟知している必要があります。

採用活動をスムーズに進めるためにも、法令の知識を身に着け、適切な対応を行うようにしましょう。

採用担当のキャリアパス

人事の採用担当になるためのキャリアパスについてご紹介します。

また、将来目指せるキャリアパスの例も解説していますので、自身のキャリアプランを立てる際の参考にしてください。

人事の採用担当になるためのキャリアパス

一般的に、人事の採用担当になるためには実務経験があるほうが有利と言われています。

ただし、未経験であっても、人事の仕事に求められるスキルがある方や、関連部署の経験がある場合などは十分転職が可能です。

また、人事のポジションは未経験者でも応募できる場合もあるので、興味がある方は未経験者歓迎の企業にチャレンジするのもひとつの方法です。

WEB業界で人事を目指す際には、業界に関する知識をはじめ、エンジニアやデザイナーの業務に関する基本的な知識が役立つ場合もあります。

そのため、自分の今の状況と将来の目標を明確にした上でキャリアパスを描くのが良いでしょう。

一般職で経験を積む

WEB業界では、専門スキルを持った人材を求める企業が多いことから、採用担当者もそれぞれの職種に関する基本知識があると有利です。

書類選考や面接を行う際に、専門知識があることで応募者のスキルや経験を正しく把握することができるため、企業にとってより優れた人材の採用につながります。

このことから、人事の採用担当になるためのキャリアパスとして、まずは興味のある企業の営業や企画、労務など一般職で経験を積むことで、必要なスキルを磨くことができるでしょう。

人事部門に転職する

未経験でも人事を募集している企業は少なくありません。

そのため、現職での自分の強みや経験を活かして、人事部門へ転職することが可能です。

人事部門と言っても企業によって人員数や業務内容は様々なので、それぞれの特徴を調べ、自分がイメージする仕事が実現できる企業に応募することが大切です。

将来のキャリアパス

人事の採用担当として経験を積んだ後のキャリアアップとして、大きく分けて2つのパターンがあります。

1つは専門性を追求するキャリア、もう1つは関連するキャリアにポジションチェンジをするキャリアです。

以下では、将来的なキャリアパスの例をご紹介します。

採用マネージャー

採用のプロとして、人事部をまとめるポジションが採用マネージャーです。

採用チームをリードして、採用戦略の立案や進行、チームメンバーのサポートや管理を行います。

実際の採用活動だけでなく、企業のビジョンや組織の成長など、広い視野から人事戦略を考えるスキルが求められます。

経営チームに加わる

人事の業務を通じて、経営メンバーとのコミュニケーションや戦略立案に携わる機会が得られます。

この経験を活かして、採用担当としての視点から、組織の人材配置や育成に関するアイデアを提案したり、経営チームの一員として組織の成長に貢献したりすることも可能です。

経営チームに加わることで、企業や従業員の成長をより近くで感じることができ、大きなやりがいを感じることができるでしょう。

専門リクルーター

専門リクルーターは、特定の職種や業界に特化した人材採用を担当する職種です。

これまでの経験から得られた専門分野の知識やネットワークを活かし、応募者と企業をつなぐことで、両者にとって最適なマッチングを実現できます。

専門リクルーターは、企業が求める人材に適した候補者を探すだけでなく、応募者が求める職場環境やカルチャーを考慮しながら採用プロセスを進めていきます。

そのため、専門リクルーターを目指す場合は、業界の動向や適性のある候補者を見極める洞察力や、分析力など、より高度なスキルが求められます。

採用コンサルタント

採用コンサルタントは、企業の採用ニーズを理解して、効果的な採用戦略を提案します。

採用プロセスの改善や、より効果が期待できる採用プラットフォームやイベントなどの提案など、企業の採用活動をサポートすることで貢献することができます。

採用のプロとして専門性を活かし、様々な業界や人材に携われることも魅力です。

人事の採用担当の魅力

人事の採用担当には、以下のような魅力があります。

• 企業の発展に貢献できる
• 組織作りに携われる
• 様々な人と携われる
• キャリアアップのチャンスが広がる

それぞれについて具体的に見ていきましょう。

企業の発展に貢献できる

人事の採用担当者は、優れた人材を採用し、適切なポジションに配置することで会社全体の発展に貢献します。

戦略的な採用プロセスの進行や人材マネジメントのスキルを活かして、企業が目指すビジョンや戦略を実現するための重要な役割を担います。

また、従業員の継続的なフォローアップや教育トレーニングの企画を担当する場合は、従業員一人ひとりのスキルアップやチームワークに影響力を与えるきっかけにもなるでしょう。

このように、自分の成長が企業の成長にも密接に関係するポジションで働くことは、大きなやりがいを感じられるポイントです。

組織作りに携われる

組織作りに携われる人事は、企業の成長に欠かせない存在です。

企業が必要としている人材を発掘し、全体の組織力を高めることで、企業の目標達成に貢献できます。

また、採用活動以外にも従業員の希望や適性を考慮した適切なポジションに配置することによって、従業員のモチベーションや満足度が高まり、チームワークに好影響を与えるでしょう。

様々な人と関われる

人事の採用担当は、選考プロセスを通じて様々な人と関わる機会があります。

応募者だけでなく、社内の他の人事担当者や経営チーム、人材を必要としている部署のメンバーなど、社内でのコミュニケーションも重要です。

異なるバックグラウンドやスキルを持つ人と関わる中で、自身の視野を広げたり知識を深めたりと、成長やキャリアアップにつながるでしょう。

キャリアアップのチャンスが広がる

人事の採用担当者は業務を通じて様々なスキルや知識を付けられることから、キャリアアップのチャンスが広がることも魅力です。

他の部署や職種と関わる機会や、経営チームとの連携が求められるため、組織全体を捉える視点やリーダーシップなど、幅広い知識が得られます。

人事としての専門性を追求するだけでなく、コミュニケーション能力を活かした人材育成や営業、全体を俯瞰するスキルを発揮した組織作りなど、様々な選択肢の中から自分が理想とするキャリアを目指すことができるでしょう。

人事の採用担当の成功事例

ここでは、人事の採用担当として活躍している2人の成功事例をご紹介します。

エン・ジャパン株式会社　宮崎さん

エンの採用担当File（宮崎さん）ー社内異動でエンの人事へ。仕事を前向きにとらえている人と成長できる環境でのチャレンジ。｜エン・ジャパン｜採用広報 公式note

連載中の「エンの採用担当File」。 普段は面接や面談で質問する側になることが多い採用担当を、逆に質問攻めにしちゃうシリーズです。 今回は新卒採…

上手くいかない時でも、どうすればできるようになるかを考え抜くことや、周囲を頼ってアドバイスをもらうことで、着実に成果を伸ばしていきました。

会社が求める人材の募集だけでなく、応募者である学生と日々向き合う中で、応募者にとっても自信を持って会社を選んでもらえるように日々の仕事に取り組んでいるそうです。

トライベック株式会社　横山さん

The 社員インタビュー（横山 直行） | ジャーナル | トライベック

The 社員インタビュー（横山 直行）

横山さんは、トライベック株式会社の管理部に所属し、新卒・中途採用の人事を担当しています。

前職でシステムエンジニアからキャリアをスタートさせた横山さんは、ITシステムの経験を活かして、システム系人材の採用業務に携わっていたことも現在の仕事につながっているようです。

様々なサービスを展開する自社の強みや、仕事の面白さを伝える難しさと向き合いながら、会社と応募者のつなぎ役として尽力しています。

採用業務以外にも、従業員が安心して担当業務に集中できるようにバックアップすることに醍醐味を感じているそうです。

今後も人事担当として導入したい施策があり、これからの活躍が期待されるでしょう。

人事の採用担当でおすすめの企業

最後に、人事の採用担当でおすすめの企業を3社ご紹介します。

• freee株式会社
• 株式会社Preferred Networks
• 株式会社Speee

freee株式会社

採用情報 | フリー株式会社

freeeの採用サイトです。キャリア採用、新卒採用、インターンシップの情報を掲載しています。職種ごとの募集要項、ミッション・ビジョン、サービス、…

2012年に設立されてから急速な成長を続ける中で、中長期目線で捉えた人事戦略や人材育成支援など、組織全体のサポートは欠かせません。

従業員が安心して働ける環境づくりの基盤を支えるため、freee株式会社のHRチームは労務、採用、人事企画の3部門に分かれています。

このような環境で、人事としてのパフォーマンスを最大限に発揮できるでしょう。

また、部署をこえた異動も行われており、多様なキャリアパスがあることも魅力。

他部署から人事へのチャレンジや、他部署への異動など、様々な経験を積み、プロフェッショナルとしてのキャリアを目指せます。

株式会社Preferred Networks

Careers - 株式会社Preferred Networks

メッセージ 勤務環境 社員インタビュー 募集職種 新卒採用 最先端技術を使った プロダクト群の立ち上げフェーズへ。   私たちPreferred…

最先端の技術に触れる機会が多いことから、採用活動においても優れた人材の発掘は会社の成長には重要な要素となります。

また、株式会社Preferred Networksの従業員は多種多様なバックグラウンドを持つメンバーで構成されていることも特徴。

人事の業務を通して様々な人と関わる機会があるため、日々刺激を受けながら働くことができるでしょう。

それぞれの従業員における特性や、企業の目標を踏まえた上で問題解決が求められるポジションで能力を発揮することで、会社の成長に貢献できる魅力があります。

株式会社Speee

採用情報 - 株式会社Speee

採用情報 | Speeeの企業情報サイトです。「解き尽くす。未来を引きよせる。」というミッションを実現すべく、中長期的な目線で企業価値を最大化さ…

創業時から強い組織づくりに取り組んでおり、組織力に定評があります。

そのため、人事の活躍は欠かせない役割となるでしょう。

強い組織に必要な企業カルチャーを大切にしており、15のカルチャーをベースに行動基準が設定されています。

採用や人材育成においても、カルチャーとのマッチングに力を入れているため、応募者一人ひとりと向き合う姿勢がより一層求められるでしょう。

積極的なチャレンジを通して自己成長したい人にとって、おすすめの企業です。

まとめ

人事の採用担当は、自社に適した人材を採用することで企業の成長を押し上げる重要な役割を担います。

様々な応募者や関連部署との関りが欠かせないことから、高いコミュニケーション能力や柔軟性など幅広いスキルが求められます。

優れた人材の獲得は、企業の成長を左右する要素でもあるためその分責任も大きくなりますが、企業と候補者が上手くマッチングし、成果につながったときには大きなやりがいを感じることができるでしょう。

採用に関する知識だけでなく、業界に関する専門知識も人事の仕事に生かせるため、未経験からのキャリアパスも可能です。

人との関わりが好きな人や組織の成長に関わりたいという人は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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