システムエンジニアのキャリアパスは?仕事内容やおすすめの会社もご紹介

WEB業界で活躍する職種のひとつに、WEBアプリケーションやWEBサイトの開発を手掛けるシステムエンジニアが挙げられます。

AI・ロボット技術の進歩、WEB系アプリの発展が顕著な現代において、ニーズは拡大の傾向です。

システムエンジニアへの転職を希望する方々が増えていて、未経験の若い転職者も目立ちます。

今回は、システムエンジニアとはどんな職業か、転職前後のキャリアパスにはどんなものがあるかなどを分かりやすく解説します。

システムエンジニアとは

2000年代に入り、IT業界の成長とともにシステムエンジニア(SE)の職種が若い層を中心に人気を高めてきました。

SNS全盛といわれる現代、全企業がAI・ロボット化を促進する上でシステムエンジニアのニーズがより注目されてきています。

システムエンジニアの仕事

一般的にはSI業界にては、クライアントの要望や要求に合わせてシステムを設計するエンジニアをシステムエンジニアと呼びます。

*SIとは「システムインテグレーション」の略で、ITを媒介にして社会ニーズのソリューションを提供する企業のこと

システムエンジニアの仕事内容は、およそ次の6つです。

これらをトータルに担当するケースや部分的に担当するケースがあり、仕事の規模やエンジニアの力量によって仕事の割り当てが変わります。

  • 要件定義:ヒアリングからクライアントの要求に叶うシステムの形を提案する
  • 基本設計:要件定義を基に概略的にシステムを構築する
  • 詳細設計:基本設計で決めた機能を具体的に設計していく
  • 開発:設計書を基にプログラマーが開発作業を担当します
  • テスト・デバッグ:実装されたプログラムの作動テストを行う
  • 保守・運用:納品後にシステムの制動に関する保守・運用を行う

システムエンジニアの仕事内容は、大きく上流工程と下流工程に分けられます。
詳細設計までを上流工程とし、開発以降の作業は下流工程の仕事です。

ただし、一般的にシステムエンジニアは、上流工程を中心に担当します。
つまり、開発などはプログラマーのみで行われることも多く、システムエンジニアの中にはプログラミングスキルを持たない人もいます。

WEBエンジニアとの違い

一般的にエンジニアでは、主に3つのエンジニアが活躍しています。

  • プログラマー(PM):システム開発を担当
  • システムエンジニア(SE): 設計を担当
  • プロジェクトマネージャー(PM): 案件全体の管理を担当

ただし、WEB業界ではこれらの役割を明確に分けず、多くの場合にWEBエンジニアがまとめて担当するケースが見られます。

主にWEBアプリケーションやWEBサイトの開発において、1人のWEBエンジニアがオールマイティに熟さなければなりません。

WEB業界への転職を考えている方は、プログラミングやシステムのメンテナンス・改善スキルも身に着けていく必要があるでしょう。

システムエンジニアに必要なスキルや知識

システムエンジニアにとって必要なスキル・知識は、次の3つです。

  • システム開発・構築に関する豊富な知識
  • エンジニアへのマネジメント・スキル
  • コミュニケーションスキル

なお、システム開発・構築には、プログラミングのスキルはもちろん、サーバーやネットワークの知識、セキュリティ関連の知識、データベースの知識など、幅広い知識が求められます。

また、チームワークの向上やクライアントとの円滑やり取りのために、コミュニケーションスキルも欠かせません。

システムエンジニアのキャリアパス

システムエンジニアは専門性の高い技術職であるため、特定の知識・スキルや経験が必要とされています。

システムエンジニアへの転職を考えている方は、成功へのアプローチも含めて具体的なキャリパスを描いておくようにおすすめします。

システムエンジニアがキャリアパスを考える必要性

まず、システムエンジニアがキャリアパスを考えるべき理由として、次の4つを挙げることができます。

  • 働き方の多様化により選択肢が増えているため
  • 早期のキャリア形成が将来の成功に影響するため
  • 社会ニーズに合った適材適所に対応するため
  • 自分に合った働き方・ワークライフバランスを実現させるため

システムエンジニアの活躍の場が多様化する現在、そのキャリアパスの選択肢が増えています。

どのようなシステムエンジニアになるのか、転職前から就職後のステップを具体的に構想しておくことで希望の道を進むことが可能です。

また、IT技術は日々進歩するため、思い描いたキャリアパスに関係のない知識・スキルやキャリアを積み上げている暇がありません。

早期にキャリアパスに沿ったアプローチを始めること、それこそが成功のカギとなるでしょう。

なお、自分らしい人生を得るためにも、ワークライフバランスを意識したキャリアパスを構築するようにおすすめします。

システムエンジニアのキャリアパス設計の3ポイント

システムエンジニアのキャリアパスを考える際、以下の3つのポイントを意識しましょう。

  • 自己分析をする
  • 転職前・3年後・5年後・10年後のキャリア目標を定める
  • 目標達成の計画を具体的に練る

キャリアパスの作成においては、まず自分がシステムエンジニアとしてどのような知識・スキル、資質を持っているかを分析します。

未経験の方でもヒアリング能力の有無から、クライアントの要望からどういったシステムが発想できるかといった基礎的資質を判断することができます。

実際の知識・スキルに関しては独学で得たもの、専門学校で得られるものを考慮して、今後どうなりたいかを思い描くことができるでしょう。

また、実際にシステムエンジニアになった後、3年後・5年後を見据えて、自己分析や目標設定を再構築します。

目指すキャリアパスを絞り込むことで、自分が望んでいるキャリアを実現する可能性を高めることができます。

なお、その都度で身に付けるべき知識・スキルを確認し、日々の仕事を熟していくことも重要です。

システムエンジニアの場合、新規プロジェクトの参加タイミングでキャリアアップするケースが多く、その流れで目標設定することができます。

こうして目標設定の際に、その達成へ向けた計画を具体的に立てていきます。

必要な知識・スキル、資格などをリストアップして、丁寧にキャリアプランを立ててみてください。

システムエンジニアへのキャリアパス例

システムエンジニアへの転職を考えている方は、転職までのキャリパスについて考えてみましょう。

現在、多くのシステムエンジニアは理工系や情報処理系の学校を卒業し、ソフトウェアやコンピュータメーカーといったIT系企業へ入社を目的とした履歴を持っています。

就職後はシステムエンジニアの職場へ配属されるケースが目立ちますが、始めにプログラマー職に就いた後、キャリアアップの形でシステムエンジニアになる人もいるようです。

したがって、システムエンジニアに関しては未経験の転職希望者は、まず専門学校などで実践的な知識・スキルの習得を始めるようにおすすめします。

IT系企業(特にSI業界)へ転職し、社内で活躍するシステムエンジニアについて見聞きすることも良いでしょう。

さらに、転職前に下記の国家資格にチャレンジすることも有効です。

  • 基本情報技術者試験
  • 応用情報技術者試験
  • システムアーキテクト試験
  • ITストラテジスト試験

未経験OKの求人も多いので、知識やスキルの獲得は転職後でも問題ない場合もありますが、あらかじめ身につけておくことで転職後のキャリア形成がスムーズになるでしょう。

システムエンジニアが描くキャリアパスは

システムエンジニアの職に就いた後のキャリアパスについて考えてみましょう。
システムエンジニアからのキャリアパスは、主に次の4つが挙げられます。

  • WEBエンジニア
  • インフラエンジニア
  • プロジェクトマネージャー
  • SE内でのキャリアアップ

WEBエンジニアへのキャリアパス

WEBエンジニアへのキャリアパスがあります。
WEBエンジニアは大きく、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアに分かれます。

〇フロントエンドエンジニア:UI・UXの設計、開発
HTML、CSS、JavaScriptなどのライブラリによるウェブページ・アプリケーションの設計

〇バックエンドエンジニア:データベースやAPIなどのサーバーサイドの設計
JavaやPython、PHP、Ruby、Node.jsなどによるプログラミングスキルが必要

インフラエンジニアへのキャリアパス

インフラエンジニアへのキャリアパスがあります。

ネットワークやWEBサイトの構築・運用、セキュリティ管理などを担当するエンジニアで、サーバー、ネットワーク、セキュリティ、データベース、クラウドの分野に分かれています。

〇サーバーエンジニア:企業などのサーバーの設計、構築、運用、保守
サーバーのアクセスやトラフィックの高い安定性と速度を維持する対処

〇ネットワークエンジニア:ネットワークの設計、構築、運用、保守
CiscoやJuniper Networksなどの認定資格を取得することが一般的

〇セキュリティエンジニア:システムに関するセキュリティ対策を実施
ITセキュリティに関する専門的な知識やスキルは必須、認定資格の取得が一般的

〇データベースエンジニア:データベースの設計、開発、保守
Java、Python、C#、PHPの習得が必須

〇クラウドエンジニア:インターネットを通じてリソースやサービスをニーズに応じて提供
Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform (GCP)の基本知識とPythonやJava、Go、Rubyなどのプログラム言語の習得が一般的

プロジェクトマネージャーへのキャリアパス

プロジェクトマネージャーやITコンサルへのキャリアパスがあります。

〇プロジェクトマネージャー:プロジェクトの計画、実行、監視、マネジメントを担当
基本的なITエンジニアのスキルとマネジメント、コミュニケーション能力が必要

〇ITコンサル:企業のIT戦略の策定やソリューションの提案
基本的なITエンジニアのスキルとマネジメント、コミュニケーション能力が必要

SE内のキャリアアップ

システムエンジニアとしてのキャリアップとしては、社内SE、アプリケーションエンジニア、組み込みエンジニアへの特化があります。

〇社内SE:社内のシステムの設計や構築
自社内の業務システムについて理解を深めること、納期が厳密ではないのでワークライフバランスを保ちやすい職種

〇アプリケーションエンジニア:ソフトウェア・アプリケーションの設計、開発、導入
ソフトウェア開発の専門知識・スキル、ヒアリング力とソリューション提案力が必要

〇組み込みエンジニア:制御システムを開発、設計
自動車、家電製品、医療機器、航空機、IoTデバイスなど、さまざまな製品の機能部分を担当

その他のエンジニアへのキャリアパス

その他にも、システムエンジニアからのキャリアパスがあります。

ひとつはブロックチェーンエンジニアで、暗号通貨をはじめ、アプリケーションや決済サービスなどのプラットフォームとなるブロックチェーンの開発、導入、管理などを担当します。

また、フリーランスエンジニアとして企業や個人顧客に対してプロジェクトベースや契約ベースで仕事を提供することも可能です。

そして、現場での設置、メンテナンス、トラブルシューティング、修理などを行うフィールドエンジニアの職種も選べます。

システムエンジニアの魅力

若い年代層に人気のあるシステムエンジニアですが、具体的な魅力とは何でしょうか。

大きくは、次の4つを挙げることができます。

  • システムエンジニアの将来性は良好
  • システムエンジニアの年収は高め
  • モノづくりの楽しさを実感できる・完成したときの達成感
  • 汎用性のあるスキルが得られる・さまざまな技術に関われる

システムエンジニアの将来性は良好

社会全体がAI・ロボット化を急ぐ現代、ITエンジニアの社会的ニーズは高く、今後も高い需要が続くと見込まれるでしょう。

特にIoTやネットワーク、セキュリティといった分野では、さらなる技術革の見通しもあり、システムエンジニアの将来性が高く評価されています。

システムエンジニアの年収は高め

大手の求人サイトである求人ボックスのデータに寄りますと、全年齢を含めた正社員のシステムエンジニアの給与状況は約504万円(月給で換算すると42万円)です。

給料分布をみると439〜529万円が一番多いボリュームとなっていることからも、日本の平均年収と比較して高めの設定と言えるでしょう。

システムエンジニアは勤続年数が長くなるほど、業務範囲を広げやすく、他業種の案件に関わり知識・スキルの蓄積がしやすいです。

そのため、長期的にみて高収入を狙える職種といえるでしょう。

モノづくりの楽しさを実感できる・完成したときの達成感

システムエンジニアが担当するプロジェクトは長期なものが多く、いくつもの困難な課題を乗り越え、やっとのことでシステムが完成するもの。

そのため、作り上げたシステムが正式に稼働する時は大きな達成感を味わうことができるでしょう。

また、システムエンジニアは現存する技術をフルに駆使してシステムを設計・開発に当たることから、モノづくりの楽しさを実感する職業であるとも言えます。

汎用性のあるスキルが得られる・さまざまな技術に関われる

システムエンジニアはコンピュータ制御の機械やIOTをはじめ、ネット上のあらゆるアプリ・ソフトウェアのシステムを開発・実装・管理します。

最先端のIT技術はもちろん、要件分析やプロジェクトマネジメント、テスト手法、Excelなどの知識・スキルを身につける機会が豊富です。

また、クライアントとのコミュニケーションスキルやマネジメントスキルなど、多様な凡庸スキルを身に着けられる職種でもあります。

システムエンジニアで多くの経験を積むことで、自身のスキルセットを拡張して個人の市場価値を上げる結果にも繋がります。

システムエンジニアの成功事例

システムエンジニアとして活躍がわかる具体的な成功事例を2つ挙げましょう。

マッチングアプリのオミカレLive

婚活で近年人気を高めている株式会社オミカレは、オンライン通話システムによるマッチングアプリ・オミカレLiveの開発で会員数を拡大しています。

会員数を大きく拡大できた要因のひとつが、システムエンジニアの活躍です。

従来のマッチングアプリでは、プロフィール写真とメッセージによるお相手探しが主流で、以下のようなデメリットがありました。

  • 写真と実物の顔が一致しない(画像処理などのため)
  • 実際に合ってみるとイメージと違った
  • メッセージのやり取りが煩わしい

システムエンジニアの活躍により、スピーディーにお相手と話ができ、的確に両者の相性のチェックが可能になるサービスが提供できるようになりました。

結果的に、オミカレLiveは日本最大級の婚活情報サイトに成長しています。

知的財産のフリーマーケット・note

個人・企業を問わず、所有する知的財産の自由売買を提供するのがnote株式会社。
自作の文章、写真、イラスト、音楽、画像、映像、アイデアなどを公開・販売・購入できるプラットフォームである「note」を提供しています。

ユーザーファーストのフリーマーケットとしてフリーランサーを中心に人気です。
作品検索も人気ジャンルやタグから簡単に行え、SNS機能やオンライン決済など売り手と買い手の双方に使い勝手が良いと評判になっています。

システムエンジニアの活躍があったからこその成果であり、開発言語のRubyとJavaScriptを使ったスマートな設計と、表示速度の改善といった利便性の向上が実現しました。

クリエイター自身が自身で作品の発表・販売を行えるようになり、フリーランス業に新たな可能性を開いたと評価されています。

システムエンジニアでおすすめの企業

システムエンジニアが活躍する企業を3つ紹介します。
システムエンジニアへの転職を目指したい方は是非参考にしてください。

株式会社オービック


株式会社オービックはシステム設計・プログラム開発といったシステムインテグレーションで実績の高い会社。

多くのエンジニア会社がメーカーに所属していますが、株式会社オービックは独立した企業として自由度の高いシステム開発を手掛けることのできる点もおすすめポイントです。
利益率が高く、成長率も良い会社として評価されています。

エンジニアの待遇が良い点もメリットでしょう。
例えば、1時間単位で取得できる時間単位年休制度やテレワーク制度があり、プライベートの確保がしやすいです。

経済産業省が「健康経営優良法人2021」に選ぶなど、ホワイト企業としての評価が高いです。

スクウェア・エニックス・HD


名作ドラゴンクエストをはじめとするデジタルエンタテインメント・メーカーとして名高いスクウェア・エニックス・HD。
その他にもアミューズメント、出版、ライツ・プロパティの分野で活躍するスクウェア・エニックス・HDは、システムエンジニアにとって憧れの企業でしょう。

なお、新卒はもちろん、転職者の採用も多く、その年収が高いことでも有名で、平均年収が1,427万円とシステムエンジニアの平均年収を大きく上回ります。

デジタルエンタテインメント界で実績を積み、高収入を狙いたい方におすすめの企業です。

富士通株式会社


IT業界のトップメーカーである富士通。

多種多様なシステム開発を手掛ける多数のシステムエンジニアが所属していて、どのような技術開発をも経験可能であるという点がおすすめポイントです。

売上はおよそ3兆354億円とされ、国内だけにとどまらず世界でも名をとどろかせるグローバル企業でもあります。

会社と個人両方の目標に向かって挑戦する人材を求めている富士通。
システムエンジニアやその先にあるキャリアパスに向けて挑戦していきたい方にとって、最適な転職先のひとつと言えるでしょう。

まとめ

日本社会は急速にデジタル化を進めていて、あらゆる業界においてシステムエンジニアのニーズが高まっている傾向です。

システムエンジニアへ転職を計画している方は、いまから将来へ向けたキャリアパスを明確にし、そのための準備をすすめるようにおすすめします。

未経験者の方も転職の道が大きく開かれている職種でもあるので、まずは転職に向けて動き出すことが大切でしょう。

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