フロントエンドエンジニアの仕事内容や年収は?キャリアパスも紹介!

フロントエンドエンジニアは未経験からでも目指せる職種です。

WEB系アプリケーションの普及と共に、需要が高騰しているフロントエンドエンジニア。

WEB企業の多くが多くのエンジニアを確保するために研修制度を設け、フロントエンド開発の未経験者を積極的に採用する傾向です。

今回はフロントエンドエンジニアの仕事内容をはじめ、年収や必須スキル、キャリアパスなどを分かりやすく解説します。

目次

フロントエンドエンジニアとは

フロントエンドエンジニアの活躍によって、スマートフォンやパソコンの画面上の情報伝達・操作の最適化が進められていきました。

つまり、ネットユーザーの使い勝手(UI・ユーザーインターフェースなど)が向上し、アクセスして得られる様々な興味深い体験(UX・ユーザーエクスペリエンスなど)が生み出されているのはフロントエンドエンジニアのおかげです。

UI/UXの将来を担うフロントエンドエンジニア

今、WEBマーケティングの成功に大きく貢献する職業と期待されているフロントエンドエンジニア。

実際に、フロントエンドエンジニアの多くがインターネット上のコンテンツの情報伝達性・利便性を高めるUIの設計や実装に関わっています。

また、インターネット上で提供されるサービス・製品の利用体験に魅力を持たせるUXの設計や実装にも積極的に関わるのはフロントエンジニア。

なお、UI/UXはモバイル対応が主流化しています。

今やフロントエンドエンジニアのメイン活躍の場はモバイル対応です。

総務省の令和3年度の「通信利用動向調査」によると、実際にモバイル端末からのアクセスは令和2年度の63.3%から令和3年度は68.3%へと増加傾向しています。

一方で、PCからのアクセスは令和2年度・3年度と共に50.4%にとどまるとのデータがあり、モバイル端末のUI/UXがWEBマーケティングの重要課題とされています。

フロントエンドエンジニアの仕事内容

フロントエンドエンジニアの主な仕事は、インターネット上の各種コンテンツの中で「ユーザーが目にする部分」をクリエイトすることです。

具体的には、WEBサイトやアプリにおける画像や文字やボタン、入力フォームなどの操作画面でユーザーが目にする全ての要素を構築します。

同時に、欲しいモノが見つけやすいとか注文しやすい、魅力的な購入体験などユーザーの知覚や感情、反応などの主観的な体験の実装も手掛けるのがフロントエンドエンジニアです。

そこでフロントエンドエンジニアは、WEBデザイナーのデザインをもとに、HTML・CSSといったマークアップ言語やJavaScript(jQuery)、PHPなどのプログラム言語、WordPressなどのCMSを使ってデザインの設計や実装を担当します。

フロントエンドエンジニアとコーダーの違い

フロントエンドエンジニアはコーディングを担当することから、広い意味ではコーダーと同類と言われることがあります。

ただし細かく言えば、コーダーはHTML・CSSを中心とした静的なWEBサイトのコーディングを担当します。
一方、フロントエンドエンジニアは多様な言語を駆使してデザインの仕様設計、動的なコーディング、システム開発といった幅広いコーディングを担当します。


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フロントエンドエンジニアの業務の流れ

フロントエンドエンジニアの仕事の流れとして、主に次のような段取りが組まれます。

  1. キックオフミーティング
  2. 検証・設計
  3. 実装・修正

キックオフミーティング

プロジェクトのスタートは、ディレクターやデザイナー、フロントエンドエンジニアなどのスタッフによるキックオフミーティングが行われます。

ここではプロジェクトの目的やクライアントの要望などの要件をしっかりと共有し、必要となる成果物やそれぞれの役割を決めます。

検証・設計

フロントエンドエンジニアはプロジェクトに適したUIやUXを検証し、その仕様や設計をデザイナーと調整します。

この際に、クライアントへの提案をすることもあります。

実装・修正

デザイナーのデザインをもとに、ディレクターやデザイナーと情報共有しながら実装します。

フロントエンドエンジニアが複数の場合は、Gitでプルリクエスト(変更などの通知)を出し合い、コードレビューを行います。

こうして、実装するUI・UXやアニメーションの実現可否を最終的に判断し、制作を完成させます。

最後に、動きや操作アイテムのチェック、多様なデバイスへのレシポンシブを確認して、想定外の挙動があれば修正します。

フロントエンドエンジニアの年収

ここでフロントエンドエンジニアの年収について説明しておきましょう。

求人ボックスーの資料によると、フロントエンドエンジニアの平均年収はおよそ550万円とのデータがあります。

この年収は、日本の平均年収458万円(『令和4年分 民間給与実態統計調査』)と比べると高めの傾向です。

なお、月給ベースなら46万円(初任給24万円程度)で、平均時給が派遣で2,196円、パート・アルバイトで1,296円とあります。

ちなみに、企業によっては1,000万円以上の年収を提示することもあるため、スキル次第でさらなる高収入を目指せる職種です。

スキルアップをして独立するフロントエンジニアも多く、フリーランスの8割以上が年収800万円以上というデータもあります。

フロントエンドエンジニアのキャリアパス

これからフロントエンドエンジニアを目指す方、未経験からの転職を考えている方は、こちらに挙げるキャリアパス例を参考にしてみてください。

フロントエンドエンジニアになるためのキャリアパス

フロントエンドエンジニアの職業は、基本的にフロントエンド開発未経験からでも目指すことが可能です。

近年では、フロントエンドエンジニアの需要が高まっていて、慢性的な人材不足が懸念されています。

そのため企業側は、エンジニア確保に研修制度を設けるなどして、未経験者を積極的に採用している現状も見られます。

ただし、何かしらの開発系の職種経験者であることを必須条件にしているケースもあるため、WEBエンジニアやWEBデザイナーなどを経験するのもいいでしょう。

または、働きながら独学や専門スクールで知識・スキルを習得し、フロントエンドエンジニアへの転職を成功させるケースもみられます。

未経験からフロントエンドエンジニアへ転職する場合、まずはHTML5やCSS3、JavaScriptのライブラリに加えてJavaやPHP、Rubyなどのプログラミング言語を習得するためのキャリアパスを構築するようにおすすめします。

フロントエンドエンジニアになるためのキャリアパス


STEP1:独学やスクールで必要なプログラミング言語を勉強する
STEP2:自作のWEBサイトやアプリによるポートフォリオを作る(スキルのアピールに必須)
STEP3:コーダーやマークアップエンジニアの職に就いて実績を積む



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フロントエンドエンジニアに求められる知識・スキル

フロントエンドエンジニアとして必要な知識・スキルは、おもに次の5つです。

  • HTML、CSS、JavaScriptなどのスキル
  • 最新のWEB系技術への興味・アンテナ
  • バックエンド(サーバーやデータベース、機能、処理のプログラム)に関する知識
  • デザインに関する知識
  • UI・UX設計

ある程度は独学などで身に着けておくと、転職後すぐに活躍できるでしょう。
知識・スキルは問わない企業も多く、その場合は転職後に研修などで学べます。

スキル次第で年収アップが期待できるフロントエンジニア。
積極的にアピールできるスキル・資格を身につけましょう。

フロントエンドエンジニアに役立つ資格

フロントエンドエンジニアの実力をアピールするのに役立つ資格は、おもに次の5つです。

  • HTML5 プロフェッショナル認定試験:HTML5・CSS3・avaScriptによるコーディング
  • WEBクリエイター能力認定試験:フロントエンジニアに必要最低限である資格
  • ウェブデザイン検定:国家資格で1級から3級まである
  • 基本情報技術者試験:コンピュータシステム関連やセキュリティ関連などのIT知識
  • CIW JavaScript Specialist:JavaScriptによるフロントエンド部分の開発スキル

その他にも、人間中心設計専門家認定試験やPHP 技術者認定試験、Ruby 技術者認定試験、Linux 技術者認定資格(LinuC)などがあります。

上記の資格は、マークアップやプログラミング、設計、CMS運用、バージョン・パッケージ管理、テストなど、どの分野のフロントエンドエンジニアを目指すかでアピール度が変わります。

フロントエンドエンジニアからのキャリアパス

フロントエンドエンジニアとして実績を積んだのち、さらに上を目指すキャリアパスはおもに次の3つです。

コーディングスキルをベースにしたキャリアパスと、WEB制作の他のスペシャリストへのキャリアパス、WEBマーケティングの分野へのキャリアパスが考えられます。

コーダー系のキャリアパス

  • フロントエンドエンジニアとしてスペシャリスト
  • UI・UXエンジニア
  • プログラマー(PG)
  • システムエンジニア(SE)

コーダー系のキャリアアップを目指す場合、最新のコーディングスキルを実践で使いこなせる職場経験を積むことがポイントです。


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WEB制作の他のスペシャリストへのキャリアパス

  • WEBデザイナー
  • WEBディレクター
  • フリーランスのWEB制作者として独立

デザイナーなどコーディングを含むWEB制作のクリエイターを目指す場合、できる限りオリジナルのWEBコンテンツを手掛けることが重要です。
実績が積める職場を選ぶか、個人的にコンテンツ作りを行うなどがポイントとなります。


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WEBマーケティングの分野へのキャリアパス

  • WEBマーケター
  • WEB系アナリスト

WEBマーケティングの分野はWEB制作上の重要スキルで、WEB系エンジニアであれば実務上で意識しながら作業を進めます。

ただし、マーケターの専門職へのキャリアパスを目指す場合、データ分析をはじめとする基本スキルを身に着けることが必要のため、実務を意識的に積み上げていくことがポイントです。

特にWEBマーケターとなると、成績次第では大きな年収アップも期待できるでしょう。


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フロントエンドエンジニアの魅力

フロントエンドエンジニアの仕事はスタイリッシュでスマートで、フレキシブルなリモートワークも選べるプライベート重視といった魅力があります。

こういったIT系のデスクワーク特有のメリットに加えて、フロントエンドエンジニアにはさらにヤリガイにつながる魅力があります。

自作のアプリやシステムが世界中で愛用されるチャンスがある

フロントエンドエンジニアは、WEBコンテンツの使い勝手(UIなど)を向上させ、アクセス者へ興味深い体験(UXなど)を与えますから、自分の仕事がインターネットを利用する人々に広く喜ばれるという魅力があります。

特に、目新しいアプリやWEBシステムを作ったときの感慨はひとしおですし、それが世間に好評され、愛用されればエンジニア冥利に尽きるでしょう。

幅広いスキルが実務から獲得できる

フロントエンドエンジニアは日々進化を遂げるWEB技術の最先端を追いかける職業です。

もちろん職場で教えてもらう以外にも独学でコツコツ、地道な努力が要求されます。
こうして得た知識・スキルはそのまま自分のキャリアパスに反映されます。

また、フロントエンドエンジニアは応用可能な幅広いWEB系スキルが身につきます。
コーディングスキルに留まらず、サーバーやネットワーク、データベースなどのWEB知識が実践の中で身に着きます。

これによってスキルに一層の磨きがかかり、さらなる専門性を高めることも可能です。

さまざまなWEB業界の職種と仕事をする機会が得られる

フロントエンドエンジニアは、サーバーサイドやネットワーク、データベースなどのバックエンドのエンジニアやデザイナー、マーケターやデータアナリストたちと協力しながら業務を進めます。

つまり、WEB業界に幅広く人脈を広げることができる職業です。

フロントエンドエンジニアはキャリアパスが豊富

フロントエンドエンジニアは豊富なWEB系スキルの習得に恵まれた職業です。

また、さまざまなWEB系エンジニアと仕事をする機会が得られることから、他のエンジニアの業務を知り、将来のキャリアパス候補として検討しやすいポジションにあるでしょう。

多様なクリエイターやエンジニアとコミュニケーションを構築することで、それぞれの仕事内容やヤリガイ、適性なども向上します。

自分の将来のキャリアパスを描く際、身近に良い見本がたくさんありますから、具体的なキャリアパスを構築する助けになります。

フロントエンドエンジニアの成功事例

フロントエンドエンジニアとして成功を収めた方々の体験談を2つ紹介します。

経理からフロントエンドエンジニアへ転職した吉田さん

新卒で事務職を5年勤めたAさんは、「定時に帰りたい」との思いからExcelマクロを使うようになったとあります。

これがプログラミングとの出会いで、プログラミング作業が自分に向いていると考えるようになって独学でHTML・CSSを習得しました。

当初はWEBデザイナーを目指し、自社開発のベンチャー企業でWEBデザイナーとして転職し、空いた時間で社内のワークフローの自動化システムに取り組んでいたそうです。

自作のシステムが会社で採用され、フロントエンドエンジニアへのキャリアパスを決めたとのこと。

その後、フロントエンドエンジニアとして転職し、約半年でチームリーダーを任されるまでにキャリアアップしました。

社内 SEからフロントエンドエンジニアへ転職したBさん

新卒で社内 SE として 3 年働いたBさんは、時流に即した技術を身に着けたいとWEBアプリケーションエンジニアへの転職を決意したとのこと。

転職先では、まずフロントエンドを中心に開発のプロジェクトに3年間従事し、さらにフロントエンドエンジニアを専門とする職場を求めて再転職しました。

Bさんの転職理由は、主にエンジニアとしてキャリアアップでした。
ほかにフルリモートで働きたかったこと、より社会貢献性の高い事業ドメインに挑戦したかったことを挙げています。

なお、転職活動によって自身のエンジニアリングを言語化する良い機会となったとのこと。

現在は、フロントエンドをリードできる存在になれるよう奮闘しています。
既存の技術に満足せずに、よりモダン化できるように業務に携わるBさん。

希望の職種に転職できただけでなく、自身の経験を仕事につなげられている良い例と言えるでしょう。

フロントエンドエンジニアでおすすめの企業

最後に、これからフロントエンドエンジニアへの転職を考えている方におすすめの企業を3つ紹介します。

  • 株式会社Jitera
  • 株式会社ファストコーディング
  • SIA株式会社

株式会社Jitera


株式会社Jiteraは2017年に設立された東京のベンチャー企業で、主にシステム開発会社として活躍しています。

株式会社Jiteraは、ウェブ・スマホアプリを短時間で自動開発できる自社プラットフォーム「Jitera」を運営しています。

プラットフォームを活用した受託開発において、DX化を進めるさまざまな企業のサポートを担当し、豊富なフロントエンドエンジニア実績を積むことができます。

なお、株式会社Jiteraにはハイブリッド型開発が得意なエンジニアが世界中から集まっていて、スペシャリストによるチームワークで自分磨きが期待できます。

現在(2024年6月時点)は、フロントエンドにかかわれる求人はUI/UXデザイナーのみので、デザイナー職の経験者のみの採用のようです。

他の求人も経験者採用が目立つものの、フロンドエンド開発の分野では実績を積みやすいので、さらなるキャリアアップを目指す際の転職先として考えてみましょう。

株式会社ファストコーディング


株式会社ファストコーディングは、2015年に設立されたコーディング代行会社です。

株式会社ファストコーディングではJavaScriptフロントエンド開発、とくにVue.jsを用いたSingle Page Application開発を行なっており、フロントエンドエンジニアの活躍の場がしっかりしています。

SEOに強いHTMLコーディングやマークアップにも定評があり、WEBサービス・IoT機器・ECサイトなど幅広い開発実績をもちます。

なお、東京・大阪をはじめ、ベトナム・フランスと海外にも展開しているので職場選びにこだわる方にもおすすめです。

SIA株式会社


SIA株式会社は、2003年に設立されたWEBシステム開発 iOSアプリ開発を得意とするWEB企業です。

ECサイト制作からスマホアプリ開発などWEBサービス全般、WEB系システムの開発など実績が高く、現在はAI(人工知能)のシステム開発にも積極的に取り組んでいます。

企業向けサービス (BtoB) はもちろん、一般顧客向け (BotC) にも対応することから、フロントエンジニアの活動範囲はとても幅広いのがおすすめポイントです。

まとめ

インターネットの進歩に伴い、人々の生活がネット上で広範囲に網羅される時代が到来しました。

フロントエンドエンジニアはWEBコンテンツの利便性を高め、より的確に素早く情報交換ができる舞台作りに貢献しています。

これからフロントエンドエンジニアを目指す方は、そういった時代の変化に柔軟に対応できるよう、幅広いWEB知識・技術に触れていくようにおすすめします。

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