転職における職務経歴書の「職務内容」の書き方を解説!

職務経歴書には「職務内容」を記載するところがありますが、初めて作成する場合はどのように書いたらよいか迷ってしまいます。

転職活動では履歴書よりも職務経歴書の内容が重要になるため、職務内容の書き方を理解しておかなければ肝心な採用に響いてしまうかもしれません。

そこで本コラムでは職務経歴書をおさらいしつつ、職務内容の書き方や採用担当者がみているポイント、提出前に確認する点を解説していきます。

職務経歴書とは?

転職活動中は、職務経歴書という書類を提出する必要があります。
就職活動で作成する履歴書とは別の書類であり、初めて作成するという方も多いでしょう。

ここでは職務経歴書の概要や、履歴書との違いなどを解説します。

職務経歴書とは

職務経歴書とは、応募者本人が過去に経験してきた職務や役職、取得スキルや自己PRなどを記載した書類のことを指します。

新卒採用時には原則として求められませんが、中途採用の場合は履歴書と一緒に提出が求められます。

職務経歴書を提出することで、企業側は「今欲しいポジションに応募者がマッチするかどうか」「仮に採用した場合、任せる予定の業務がこなせるか」などを事前にチェックできます。

採用されるかどうかに大きく影響するため、転職活動中の方は職務経歴書の書き方をよく理解しておきましょう。

また、職務経歴書はフォーマットの指定がないことも多く基本的に自由度が高いです。

そのため、しっかり自分をアピールできるように記載することが大切

応募する企業からフォーマットの指定がある場合は、形式に従って作成しましょう。

履歴書との違い

転職活動では、職務経歴書と一緒に「履歴書」の提出も必要です。
履歴書については、就職活動時やアルバイト応募時に作成したことある方も多いでしょう。

「これまで経験してきたこと」や「自己PR」など職務経歴書と履歴書は記載する内容が似ているように思う方も多いはず。

なぜ転職活動時には双方を提出するのでしょうか。
それは、職務経歴書と履歴書に「役割の違い」があるからです。

職務経歴書が応募者のスキルや経験を確認するための書類であるのに対して、履歴書では応募者のプロフィール情報を確認するために必要とされます。

そのため、多少は重複する箇所もありますが、基本的に記載内容も異なります。

また、履歴書はテンプレート書式に沿って作成することが基本ですが、職務経歴書には定形化した書式がなく自由に記載できるというのも大きな違いです。


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職務内容と業務内容の違い

職務経歴書では「職務内容」を記載する欄があります。
似たような言葉に「業務内容」がありますがどう違うのでしょうか。

業務内容とは、企業がおこなっている事業内容を細分化したものであり、主に部署や事業部が取り組んでいる仕事内容を指します。

WEB業界では「自社アプリ開発」「オウンドメディア運営」「システム開発」などが業務内容の例として挙げられます。

対して職務内容とは、業務内容をさらに細かくしたものであり、主に各個人が担っている仕事内容や役割を指します。

WEB業界では「要件定義」「コーディング」「保守運用」などが当てはまります。
ディレクターやマネージャーなど役職がある場合は一緒に記載しましょう。

職務経歴書では大きな項目として業務内容があり、そこに付随する項目として職務内容を記載すると分かりやすいです。

WEB業界ではまずプロジェクト概要を記載して、その下に自分のやってきた業務範囲・ポジション・実績を記載するという形式が一般的です。

職務経歴書に書くべき項目と内容


職務経歴書は自由に作成して問題ありませんが、企業へより詳細に伝えられるように最低限書くべき項目と内容をまとめました。
職務経歴書を作成するときの参考にしてみてください。

氏名と提出日

職務経歴書の一番上には、自分の氏名と提出日を記載します。
履歴書も一緒に提出するため応募者の詳細なプロフィールは不要です。

作成日と提出日が異なる場合は、必ず提出日を記載するようにします。

職務要約

職務要約では、これまでに経験してきた職務について時系列に沿った文章で記載します。

「○年間はWEBデザインや保守運用を経験し、その後○年間はディレクターとして要件定義やクライアントワークを担当しておりました。」などのように、なるべく数字を用いて簡単に記載します。

WEB業界未経験の場合でも、前職の職務を上記のように記載してください。

職務要約で記載した内容について、次の職務経歴と職務内容でより具体的に書いていきます。

職務経歴と職務内容

職務経歴と職務内容では、職務要約で説明している部分についてより詳細な内容を記載します。

具体的には以下項目を記載することが一般的です。

  • 会社概要と雇用形態
  • その職務に携わっていた期間
  • 所属部署と業務内容
  • 個人のポジションや職務内容
  • 実績

まずは、事業内容や従業員数など所属していた会社概要を記載します。
正社員や業務委託など雇用形態まで記載があると尚よいです。

また、携わっていた期間も忘れずに書きましょう。
提出時点でも携わっているという場合は「20○○年○月〜現在」と書きます。

次に、所属部署と業務内容を書きます。
業務内容はプロジェクト概要や何人規模でおこなっていたかなどを詳細に記載。

そして、応募者個人が担当していたポジションや職務内容を続けて記載します。
職務における実績があれば、アピールになるため記載しておきましょう。

これまでに複数社での職務経験がある方は、上記内容を携わった会社ごとに分けて期間と一緒に時系列で記載するとわかりやすいです。

資格やスキルなど

職務経歴書では、資格にくわえてスキルや知識などを豊富に記載できます。

WEB業界であれば取得言語、使えるソフト(AdobeやGoogleのツール)、OSやデータベースなどが書けるでしょう。
また、ほかにも活かせる経験・知識があれば文章で記載してアピールしましょう。


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自己PR

最後に自己PRを文章で記載します。

これまでの経験をもとに「どういった点が強みであるのか」「採用された場合にはどのような活躍が期待できるのか」などを具体的に説明することで印象的なアピールになります。

募集要項などをよく読み、企業が欲している人材をしっかりイメージして書きましょう。


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職務経歴書での職務内容の書き方のポイント


転職活動において採用の可能性をアップさせるために、職務内容部分の書き方のポイントを解説します。

より自己PRできるフォーマットを選ぶ

職務経歴書の書き方は基本的に自由に記載できますが、一般的なフォーマットが以下のように3つあります。

編年体式 時系列に沿って記載する方式
逆編年体式 現在から過去に向かって記載する方式
キャリア式 職務内容やポジションごとに記載する方式

編年体式は一番スタンダードな書き方であり、転職回数は2~3回という方向けです。
職歴におけるストーリを感じてもらいやすい方式です。

2つ目の逆編年体式は、現在から過去にかけて書いていきます。
転職経験が多く、直近のスキルや職歴で自己PRしたいという場合によく利用される書き方です。

最後のキャリア式は、たとえば「ディレクター3年」「プロジェクトマネージャー2年」などのように職務内容ごとに区分する書き方で、転職回数が多い方向けとなります。

自分の転職状況や希望する企業に合ったフォーマットを選ぶことで、印象的かつ効果的な自己PRができるでしょう。

部署・役職、具体的な仕事内容、実績の順に記載する

履歴書とは異なり、職務経歴書はスキルや経験を確認するための書類です。

読んでいてスムーズに理解してもらうためには「どこで」「どんな役割で」「誰に対して」「どんな実績があるか」を順番に記載することがポイントです。

順番が異なるだけでも理解しにくい内容となってしまうため、上記の書き方は必ずおさえておきましょう。

また、所属していた部署やチームなどの規模感や実績については、具体的な数字を用いることでイメージしやすくなり印象がよくなります。

見やすい構成にする

採用担当者がスムーズに理解できるように、見やすい構成にすることも大切です。

特に職務内容のところは記載することが多くなるため、以下のような方法で見やすく整えましょう。

  • 箇条書きや表を用いる
  • 具体的な数字を使う
  • 余白を使い圧迫感をなくす
  • 文章であれば短くまとめる

短文・長文のメリハリがあったり、余白を上手に使ったりする書き方は読みやすいだけではなく、アピールしたいポイントをしっかり伝えることが可能です。

逆に、余白もなく長文ばかりで詰まって見えるような書き方の場合、マイナスな印象を受けかねません。

見た目の印象で損をしてしまわないように、上記を意識しながら作成しましょう。

業界用語に注意する

採用担当者が必ずしも業界用語を理解しているとは限りません。
異業界への転職であればなおさら伝わらないでしょう。

そのため、専門用語を一般的な言葉に書き換えておくことも大切です。

例えば、WEB業界であれば以下のような業界用語と書き換え例が挙げられます。

専門用語 書き換え後
PM プロジェクトマネージャー
CMS コンテンツマネジメントシステム
IDE 統合開発環境
ROI 費用対効果
KPI 重要達成度指標

採用側の誰が見てもわかりやすいような職務経歴書を目指しましょう。

応募先企業に合わせて強調する業務・実績を変える

応募する企業に応じて強調する自己PRや実績部分を変えることで、より採用される可能性が高まるでしょう。

「どんな人材が欲しいのか」「募集職種ではどのような実績が評価されるか」などを考慮した書き方であれば、採用担当者が受ける印象も異なってきます。

職務内容で採用担当者がみるポイント

職務内容の書き方を解説しましたが、採用担当者は実際にどういったポイントを重視するのでしょうか。
転職活動でミスマッチが起きないように事前に確認しておきましょう。

募集要項と合っているか

募集要項と合っているかをまず確認します。

見るポイントは、応募者が希望する職務内容とこちらの募集内容が合っているか、採用後に任せたい仕事を問題なく遂行してもらえるかなどが挙げられます。

また、業界未経験の場合は職務内容のほかにも全体的にパーソナリティや志望動機を確認します。
早期退職などにならないよう、入念にチェックされるでしょう。

これまでの転職回数

「採用したのにすぐ辞めてしまった」ということを防ぐために、転職回数および在籍期間については採用担当者が気になるポイントです。

もし、何回も転職しているまたは在籍期間が短いという方は、退職理由や志望動機をしっかりと記載しておきましょう。

スキルなど見て入社後の活躍が想像できるか

職務内容に記載されているスキルや実績をみて、入社後にどんな活躍をしてくれるかイメージします。

具体的な数字などを用いて記載されていれば、採用したあとの影響などが想像しやすく好印象を与えられます。

特に、転職活動であれば採用後はすぐに実務を任せられるが多いため、より一層採用担当者がチェックしておきたいポイントとなります。

キャリアの一貫性があるかどうか

応募者が働くことや仕事に対して、どういった価値観があるのかを採用担当者はチェックします。

「どういった意志をもって転職をしているのか」「これまでのキャリアで一貫しているものはなにか」「それが自社とマッチするのか」などを確認して判断します。

そのため、これまでの転職について自分なりの退職理由や志望動機を固めておくことをおすすめします。

職務経歴書にもしっかりと気持ちを記載しておきましょう。

職務経歴書の提出前に確認したいポイント


職務経歴書が完成したら、いま一度以下のポイントをチェックしておきましょう。

  • 誤字脱字がないか
  • フォントが統一されているか
  • 和暦と西暦が混在していないか
  • 「です・ます調(敬体)」と「だ・である調(常体)」が混在していないか
  • 具体的な数字が用いられているか
  • 表や箇条書きなどで見やすくなっているか
  • 文章が長すぎていないか
  • 圧迫感が出ないように余白を活用できているか
  • 募集要項にマッチしているか
  • 専門用語が多く使用されていないか
  • 企業に合って自己PRができているか

職務経歴書は、履歴書と異なって見た目の個人差もある書類です。

だからこそ第一印象でマイナスにならないように、完成したら上記ポイントを意識して一回読んでみることがおすすめです。

職務内容の例文


ここでは職務内容の例文を紹介します。

今回はエンジニア職を例に作ったので、ぜひ参考にしてください。

【○○○○株式会社】
事業内容:アプリケーション開発、自社サービス開発
資本金:1億円
従業員規模:1000名
雇用形態:正社員
期間 職務内容 開発環境
20○○年4月〜20○○年12月 【業務内容】
自社アプリケーションの開発案件

【役職・規模】
サブリーダー
10名体制

【職務内容】
要件定義、基本設計
コーディング
統合テスト
保守運用
顧客均衡
チームメンバーのタスク管理

【OS】
Windows11

【言語】
Java
JavaScript
Ruby
Python

【DB】
Oracle8

WEB業界への転職であれば使用していた言語やOSなども詳細に記載しておくと、採用担当者が理解しやすい内容となります。

なお、上記をみてWEB業界未経験の方はアピールできないのでは、と心配になったかもしれません。

エンジニアやデザイナーへの転職の場合、ポートフォリオも提出できます。
勉強中の言語やツールがあれば、ポートフォリオでアピールしましょう。


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職務経歴書を提出するときの注意点

【素材番号:https://www.canva.com/phot
職務経歴書の提出は主に「メール」「郵送」「面接時に持参」の3つがあります。
それぞれの注意点があるため転職中の方は必ず覚えておきましょう。

メールで提出する場合

まずは職務経歴書をメールで提出する場合ですが以下の点に注意しましょう。

  • 件名で「求人応募であること」「添付書類があること」を明記する
  • ファイル形式の指定がないか確認する
  • 添付書類にはパスワードを設定して、パスワードは別送する

メールで送る際は履歴書と職務経歴書のどちらも提出するため、片方を忘れることのないように注意しましょう。

郵送で提出する場合

次に職務経歴書を郵送で提出する場合の注意点です。

  • 書類を折らずに入れられる封筒サイズを選ぶ(角形2号、角形A4号など)
  • 送付状を忘れずに入れる
  • 送付状、履歴書、職務経歴書、その他書類の順番で入れる
  • 複数書類となるため、表面に「応募書類在中」と赤文字で記載して枠で囲う

送付状とは、封筒のなかにどんな書類が同封されているのかを記載したものです。
郵送をあまり経験したことがないと忘れがちになってしまうため注意しましょう。

また、就職活動時と比べて転職活動では提出する書類が増えるため「応募書類在中」と書きます。

就職活動時と同様の流れで「履歴書在中」と書かないように気をつけましょう。

面接時に持参する場合

職務経歴書を面接時に持参する場合も、郵送と同様に封筒に入れて持っていきます。
そのため、封筒表面には「応募書類在中」を忘れずに記載します。

また、面接官の方に渡すときは封筒のまま渡さずに書類を出して渡します
クリアファイルなどに入っているとより丁寧な印象を与えられます。

まとめ

職務経歴書は、応募者の経歴やスキルを確認するための書類です。

採用担当者が自社とマッチするか確認しやすいように、なるべく見やすくかつ具体的に職務内容を記載することが大切。

また、より効果的な自己PRとなるように募集要項や企業についてよく確認してから職務経歴書を作成することも重要です。

初めてだから不安という方は、解説している「書き方のポイント」などを参考にしながら準備しましょう。

さらに、採用担当者がみるポイントを理解しておくことでより印象的な職務経歴書に仕上がります。

納得のいく転職活動のサポートになれば幸いです。

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