WEB業界でのキャリアパス例を解説!構築法も紹介します
20代中途、しかも未経験者のWEB業界への転職は十分に可能です。慢性的に人手不足が顕著なWEB業界では、将来へ向けた人材確保が必須の課題とされています。
20代中途・未経験者のWEB業界への転職において、大いに武器となるのがキャリアパスです。
今回はWEB業界への転職について、キャリアパスをどう活用すべきかをはじめ、WEB業界の実情を踏まえた就活ポイントを分かりやすく解説します。
目次
未経験20代中途でもWEB業界への転職ができる
WEB業界への転職を希望する20代の方が増加傾向です。
バーチャルリアリティの世界で販売活動が行なわれる時代、日々新しいWEB技術がリリースされ、それに応じてWEB業界では新たな職場が発生しています。
しかし専門性の高いWEB業界において、慢性的な人手不足の状態が継続しています。
求人サイトを見ると、若手の人材はもとより幅広い年齢層に求人広告が発信されているのです。
WEB業界の市場動向
まずWEB業界の定義ですが、インターネット上で商品・サービスを宣伝販売する業界を意味します。
代表的には楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングのようなECサイトを活用したマーケティングがあります。
また、YouTubeやfacebook、InstagramといったSNSを活用するマーケティングも活況です。
AIとオンラインサービスがけん引するWEB業界トレンド
WEB業界の特徴は、企業のマーケティング力(経済的・技量的)に関係なく、どの企業も流行を生み出す可能があることです。
IT技術の進歩は二次曲線的で、日々新たな技術やマーケティング手法が生み出されていて、業界で働く人たちはアンテナを張りつつ最新情報の収拾に忙しいのが現状です。
なお、AIのフリーツールが続出する今、WEBマーケティングは新たな局面に突入しました。
今後、マーケティング戦略さえAIが自動で作る時代になるかと思われますが、現場のスタッフはAI活用法に精通する必要があるでしょう。
同時に、オンラインサービスではブロックチェーンによるコントラクト技術の躍進によって、これまでにないマーケティング手法が続々と生み出されています。
つまり、マーケティング全般を動かすのがWEB上のプラットフォームであり、アイデア次第でいかようにも新たなブーム・流行を生み出せるのがWEB業界の現実です。
WEB業界の最新トレンドに関してはこちらをご覧ください。
WEB業界の市場規模は拡大している
WEB業界の市場規模は年々拡大の一途にあります。
このことは、WEB系の求人情報を確認すればお分かりいただけるでしょう。
総務省の令和2年版・情報通信白書によりますと、WEBコンテンツによる売り上げがトップで、しかも売上高は年々増加傾向にあるとのデータも提示されていました。
このようにWEB業界は拡大しているのですが、一方で人手不足も懸念されており、経験者だけでなく未経験者の転職も歓迎される傾向です。
以下では異業種からWEB業界への転職について解説しています。
キャリアパスを確認!WEB業界における20代中途からの転職先
慢性的な人手不足に悩むWEB業界ではありますが、20代中途で転職をお考えの方は、その転職先について慎重に判断するようにおすすめします。
まだまだ歴史の浅い業界であるのと同時に、多様性が急拡大する職場でもあります。
転職先で自分の力を発揮するためには、まずどのような職場でどういった内容の仕事を担当すべきかを知ることが肝心です。
一言でWEB業界といっても職種は下記のように多様で、キャリアパスもそれぞれにおいて異なります。
WEBマーケターとキャリアパス
WEBマーケターはWEB上でマーケティングを実践する職種で、営業職における管理職へのキャリアパスとなります。
自社が提供する商品・サービス、あるいはクライアントの商材を、ECサイトやSNS広告などを駆使して販売につなげる方法を構築します。
WEBマーケティングでは、ターゲティングの絞り込みから、サイトなどへの集客・誘導・コンバージョンまでの過程を的確にデータ化して、社内でのフィードバックが的確に行えます。
つまり、マーケティングの立案から実践、その結果の分析とフィードバックまで、具体的な数値でマーケティング展開する能力が要求されます。
クライアント(自社なら製造部や営業部)との密なコミュニケーション、宣伝・販売活動のディレクション、業績の確認とデータ分析までを担当するダイナミックな職業です。
アイデアと行動力のある方にとって、まだ発想力の高い20代中途の転職としての魅力がある職場です。
WEBデザイナーとキャリアパス
WEBデザイナーは、ECサイトなどの宣伝・広告媒体全般のデザインを担当する職種です。
商材への理解と、その魅力や利用価値を最大限に表現することが求められます。
例えばECサイトの制作では、商材の画像(自分で撮影することもある)を加工、テキストを作成、インパクトのあるデザインへ仕上げるためにレイアウトや配色、フォントの選択とデザイン全般を担当します。
ポイントはコンバージョンの達成率です。
どれだけ出来の良いサイトを作っても、サイト訪問者に求める行動を喚起させられなければ意味がありません。
そのためのWEBデザイン・コーディングの技量が求められますが、20代中途の発想が豊かな世代にとっては魅力のある職種で、将来WEBディレクターへのキャリアパスとなります。
WEBエンジニアとキャリアパス
WEBエンジニアの仕事は、コンピュータのプログラミング言語を用いてアプリなどのシステム構築・開発を行います。
現在、主なプログラミング言語にはHTML・ PHP・Java・Rubyがあり、用途によって使い分けができると仕事の幅が広がります。
この分野では、使える言語を指定する求人も多く、20代中途で転職する場合は、どれかひとつでも得意なプログラム言語を習得することが望ましいでしょう。
キャリアパスは、技術系であればITスペシャリスト、ITアーキテクト、フルスタックエンジニア、テックリード、マネジメント系では、システムエンジニアやプロジェクトマネージャーが考えられます。
しかし、WEBディレクターやWEBコンサルタントへの道も可能です。
WEBライターとキャリアパス
WEBライターは、WEBサイトに掲載する記事やコピーを執筆する職種です。
最近は、自社でオウンドメディアを展開する企業が増えていますから、WEBライターを委託や専属で雇うケースも見られるようになりました。
また、WEB制作会社でも社内に専門のライターを置くこと場合もあり、フリーランサー向けの職場という概念は薄れつつあります。
WEBライターのポイントは情報収集と文章力です。
テーマ(キーワードとターゲット)に応じたテキストを作成するために、自然検索の上位サイトの情報を基にテキストを書き上げます。
ただし、デザイナーやエンジニアのような専門スキルを必要としないことから、未経験の20代中途の転職先として難易度が低いと言えるでしょう。
このようなWEBライターのキャリアパスとして考えられるのが、WEBディレクター、WEBコンサルタント、WEBマーケターです。
WEBディレクターとキャリアパス
WEBディレクターはWEBサイト制作の進行役で、作業管理から監督、指揮を担当します。
具体的にはスケジュール作成(ガントチャート)と、それに合わせてスタッフの作業を管理・指導です。
なお、すでに作成したWEBサイトの運用として更新や改善も担当します。
基本的にはクライアントとの窓口となって、その要望をチーム延滞で共有する為に尽力します。
20代中途での転職者であれば、すでにコミュニケーションスキルの高い方もいるでしょう。
なお、WEBディレクターはWEBマーケターやWEBエンジニアへのキャリアパスとしてメリットのある職種です。
営業職やプランナーとキャリアパス
WEBプランナーはWEBサイト制作の企画設計を担当し、クライアントの依頼目的を的確に把握する役割を持ちます。
これはWEBデレクターの仕事と重なりますが、きめの細かなコミュニケーションでクライアントの希望を見える化していくのです。
また、自社の商材をマーケティングする場合は、社内に営業部が設けられることもあります。
WEB上の営業職では自社の商品・サービスを売り込むのではなく、商材の周知が主な活動となるケースが多いです。
しかし、20代中途で営業経験者の方には転職ハードルが低く、将来WEBデザイナーやデレクターを目指すキャリアパスにもなります。
営業職からの未経験者であれば、まずはWEB営業職やWEBプランナーから始めるのもいいでしょう。
20代中途のWEB業界転職はキャリアパスが重要
20代中途の転職であれば基本的に選べる職場は多く、収入をはじめとする待遇をアップさせることも可能です。
ただし、WEB業界への転職を考えるのであれば、キャリアパスについてしっかりと理解を深めておくようにおすすめします。
WEB業界への転職に欠かせないキャリアパス
そもそもキャリアパスとは職歴における道路マップのことで、最終的に目指すゴールへ続く具体的な道筋を意味します。
つまり、目指すゴールへたどり着くために、どのようにキャリア(経歴)を積み上げてゆくかをプランニングすることです。
そこで20代中途でWEB業界へ転職する場合、やや専門性の高い職場へキャリアチェンジすることとなるかもしれません。
なお、WEB業界は多様な職種・職場で構成されるため、個々によってキャリアパスの道筋が変わってくると思ってください。
それぞれの職種には求められるスキルや能力があり、キャリアパスのルートを考えないとスキルや知識の積み重ねがままならないリスクがあります。
例えば、WEBデザイナーの道に進むとして、まずはアシスタント的に画像の選び方や加工を手掛けるかもしれません。
やがてロゴや挿絵のイラストを覚え、それらの材料でコーディングによるWEBデザインを手掛けるといった道順を通るでしょう。
その先のキャリアパスとしてはデザイン・チーフやデレクター、あるいはデザインチームのリーダーやマネージャーへの道も開けます。
もしもキャリアパスが曖昧であれば、ずいぶん遠回りするかもしれません。
確実にまっすぐにゴールを目指すためには、適切なキャリアパス作成が欠かせません。
将来を見据えたキャリアパスを描くメリット
キャリアパスを堅実に描くことで、今後身に着けるべきスキルや経験が定められます。
しかも、習得のタイミングやレベルも見積もれるようになるでしょう。
ゴールとその道筋がはっきり見えていれば、途中の苦難・困難にも対処する方法が得られますし、日々の努力に励みやモチベーションが保てるでしょう。
反対にキャリアパスを定めずにWEB業界で働く場合、進歩の速いWEB技術についていけず、必要とするスキルも経験も習得できずに挫折するリスクがあります。
20代中途のWEB業界におけるキャリアパスの構築法
20代中途の転職では、未経験でWEB業界へ飛び込むケースも珍しくありません。
そこでキャリアパスの描き方として、業種面と業務面を別々の軸にして考えてみると良いかもしれません。
〇業種面
業種 | 得られるキャリア |
---|---|
事業会社 | 企画・マーケティングの経験、WEBサイト運用・改善の経験 |
WEBサービス会社(BtoB) | 特定の業界・サービスにおける専門性が高まる |
WEBサービス会社(BtoC) | 新技術トレンドに適応し、制作スキル・知識が高まる |
制作会社 | 汎用的なスキル構築、多様な分野の案件で守備範囲が広がる |
〇業務面
業務に関してはすでに述べた通り、マーケターからデレクター、デザイナーライターなど、多岐にわたりますが、キャリアパスの流れにはある程度パターンがあります。
例えばプロデューサーへのキャリアパスの場合、まずはイラストレーター・コーダーとして働き、次にWEBデザイナー、制作デレクター・マーケターの経験を積んで、最終的にプロデューサーになるという道筋が考えられます。
WEB業界のキャリアパスの描き方
業種面からでも業務面からでもキャリアパスを描くことができますが、描く際のポイントとして次の3点を整理してください。
- 自分の志向性を確認する
- 自身のキャリアの棚卸し・自己分析
- 目指すポジションへの行動計画を作成
なお、キャリアパスの考え方についてはこちらでより詳しく解説しています。
自分の志向性を確認する
まず、WEB業界における自分の志向性が何なのかを吟味することから始めましょう。
WEB業界のキャリアパスのゴールは、大きく「スペシャリスト」と「マネジメント」に分別できます。
あくまでも現場でWEB広告を作ることを希望するならば、スキル・知識の積み重ねを優先したキャリアパス。
WEB広告の作成を管理・営業するのであればプランナーやデレクターを意識したキャリアパスを描くことができます。
自身のキャリアの棚卸し・自己分析
次に、業務面からもキャリアパスを描きます。
これまでの職務経験を棚卸して、WEB業界で活かせるスキルや経験を洗い出します。
デスクワーク以外でも、良くチェックしてみればWEBに関係する作業をいろいろと経験してきているものです。
ここはしっかりと自己分析をして、今後の転職で生かせるスキル・知識を明確化するようにおすすめします。
目指すポジションへの行動計画を作成
キャリアパスの作成は、どの業種へ進みたいか、興味がある業務は何かを絞り込むことで完成します。
もちろん、キャリアチェンジの必要も出てくるかもしれません。
その都度、前述の通りに自分の棚卸と目標の設定を行い、新たなキャリアパスを作り直すことができます。
また、キャリアパスを進む上で、足りないスキルや経験は転職前に習得するのがベストです。
具体的なプランが得られない場合は、転職エイジェントなどを利用して、アドバイスやサポートを受けることも有効です。
20代中途のWEB業界転職で成功へのステップ
20代中途の転職者は、キャリアパスを描きながら自力で必要となるスキル・知識の構築に励むようおすすめします。
WEB業界の変化スピードは非常に早く、慢性的な人材不足より、職場が部下や後輩をしっかりと育成する環境ではなくなってきました。
なお、現場も即戦力を求める傾向が強く、自前で仕事力を回していく必要があるかもしれません。
そこで、次の3つのサポートを知っておいてください。
メンター(ベテラン)から学ぶ
20代中途の転職者にとって、少しでも早く職場で活躍することは重要課題です。
そこで、ベテラン社員によるメンター制度を利用することができます。
企業によっては積極的にメンター制度を実施していますので、転職先の選定にこの制度の状況をチェックするようにしましょう。
メンター制度では、新人の社員に仕事のやり方や社内でのルールを先輩社員がサポートしてくれます。
メンターは上司や同僚以外の人が担当するので、サポートを受ける側も気軽に相談できることがメリットです。
目指す職種のWEB系コミュニティへ参加する
SNSのコミュニティは多様で、目指すWEB業界で活躍する人やこれから転職しようという人が集まるコミュニティが複数存在しています。
SNS上のサークルですから参加の仕方もフランクで、知りたいことを質問したり、勉強の仕方を教えてもらったりが気軽にできるでしょう。
なお、コミュニティで知り合った方がメンター役をしてくれるケースもあって、参加メリットは高いです。
個人のWEBサイトを運営する
20代中途でWEB業界に転職を目指す方は、キャリアパスに応じた内容のWEBサイト運営をしてみましょう。
基本的には専門的でプロフェッショナルなサイトを作成します。
はじめのうちは画像とテキストだけの単純なサイトしか作れないかもしれませんが、イラストや画像処理、動画作成にコーディングを学ぶうちに、きっと説得力のあるページが作れるようになるでしょう。
自分の専門知識やアイデアを表現する場として、ポートフォリオとしても有効ですし、自分のブランディングをオンラインプレゼンスする絶好の場となります。
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WEB業界への転職がもたらす未来
WEB業界の転職を目指す今、将来的に身に付けていきたいスキルや知識を明確にしておくことは重要です。
目的意識を高めつつ、日々の仕事や学習に取り組んでみてください。
- 将来性の高い技術を習得する
- WEB業界は日々学習
- 人間性を高める努力を惰らない
将来性の高い技術を習得する
WEB業界で使われているツールやロジックは日々進歩していて、気が付くと自分が古い技術・ツールのままだったということがあります。
例えばECサイト制作の現場では、2023年現在にJqueryでアニメーションさせる流行がありますが、その動きをCSSだけで実装するケースも出てきています。
Googleエンジンのアルゴリズムも早い変化で、SEOのノウハウも刻々と変わっていますから、WEB業界で働く際は、絶えず新しい技術にアンテナを張っていなければなりません。
将来的に主流になる技術は取りこぼさずに習得する努力も必要です。
WEB業界は日々学習
繰り返しますが、続々とリリースされる新技術への理解と習得がなければ、すぐに時代遅れの存在になってしまうのがWEB業界の宿命です。
WEB業界では仕事中の作業がそのまま学習になりますが、それだけではとても追いつきません。
業務時間以外でもスキルを磨くことがポイントです。
これは、WEB業界のどの業種でも兆通する課題で、クリエーターでなくとも勉強が不可欠でしょう。
人間性を高める努力を惰らない
WEB上で商品・サービスのあっせんを行う仕事である以上、クライアントや消費者(ターゲット層など)とのコミュニケーションは深めていかなければいけません。
例えパソコンにかじりつくエンジニアでも、意思の疎通がしっかりと取れるように人間性を高めることが必要でしょう。
WEB業界で20代中途の転職を成功するコツは、アグレッシブで新しいことに果敢にチャレンジする精神、人との意思の疎通が取れる人格磨きかもしれません。
まとめ
今や産業のけん引役とも目されるWEB業界で、これからの人生設計を立てようと考えている20代の方、未経験でも活躍できるチャンスはたくさんありますし、中途採用の窓口も大きく開かれています。
やはりクリエーテイブな仕事は、ヤリガイも面白さもひと際高いものです。
現在WEB業界以外の職場で仕事をされている方で、WEB業界への転職を悩んでいるのでしたら、挑戦してみてはいかがでしょう。