広告デザイナーとは?成功へのキャリアパスも徹底解説!
YouTubeやInstagram、TikTokといった消費者への影響力が強いSNS媒体へ活躍の場を拡大する広告デザイナー。
従来の広告媒体と合わせ、今後もニーズ拡大が期待できる職業です。
20代転職者の方々も、広告デザイナーへの転職を考えている方は多いことでしょう。
今回は、人気の広告デザイナーとはどういった職業なのかについて、成功へのキャリアパスやおすすめ企業を踏まえて分かりやすく解説します。
目次
広告デザイナーとは
広告デザイナーは、商品・サービスの販売促進においてあらゆる広告媒体を利用して宣材を提供する職業です。
ターゲットとなる消費者層へ向けて、どういった広告内容が影響力を持つのか、クライアント(顧客)と商材、そして消費者とのコミュニケーションをデザインする役目を果たします。
なお、グラフィックデザイナーの中で広告分野に携わる人を広告デザイナーと呼びます。
広告デザイナーの制作物とは
広告デザイナーとはどのような仕事かについては、広告デザイナーの具体的な制作物を確認すると分かりやすいでしょう。
主な制作物には、主に次の7つが挙げられます。
- WEBサイトやSNS媒体、テレビ、雑誌、新聞などの広告
- チラシ・リーフレット
- 看板やポスター
- 商品のパッケージ
- カタログ
- ブランドや商品ロゴ
- 公共施設のサイン表示
なお、近年ではターゲットが絞り込める広告媒体・WEBメディアやSNS上でのデジタル広告が主流になっています。
広告デザーナーとして成功するには、日々進化するインターネット系のデザインツールに精通する必要があるでしょう。
広告デザイナーの仕事内容とは
広告デザイナーの制作において、主な仕事の流れは次の通りです。
- クライアントの要望やイメージをヒヤリング
- 納期の確認、納品までのスケジュール管理
- 素材・情報の調達:ターゲット設定からコンバージョン設定を踏まえた情報収集
- デザイン制作:Illustrator・Photoshop・InDesignなどのソフトでデザインする
- クライアントとの打ち合わせ・クライアントによるチェックと修正対応
- 承認が出たら印刷会社へ納品する
- 広告によるフィードバックを検証する
広告の目的は、ターゲット層にインパクトある形で商品・サービスを伝えること、そして購買への行動喚起を図ることです。
設定したコンバージョンよりコンセプトと表現内容を考案し、クライアントのチェックを経て完成させます。
制作物の効果をフィードバックしてもらい、よりコンバージョン率の高い広告制作へ取り組むことも広告デザイナーの重要な仕事と言えるでしょう。
広告デザイナーに必要な知識・スキルとは
広告デザイナーとして成功するために有効な知識・スキルは次の通りです。
- コミュニケーション能力:クライアントとのヒヤリングなど
- 広告デザインに関するソフト・ツールを使いこなすスキル
- 企画・マーケティングなどの基礎知識
- UI・UXデザイン、SEOなどのWEBマーケティング手法の理解(WEB広告の場合)
- 広告媒体の特性や手法、入稿形式などの基礎知識
- 広告業界のトレンド知識:表現方法など
広告デザイナーへの転職を考えている方は、上記に関する知識・スキルに関して学ぶことをおすすめします。
特にデザインの基礎知識と現代のデザイン理論は必要です。
IllustratorとPhotoshop、InDesign、HTLM/CSS・ライブラリーによるコーデイングと共に、専門学校などのスクールで学習することは有益でしょう。
ユーザビリティやクライアントの要望を考慮するための情報収集力やコミュニケーション力は、独学でも身に着けるよう努力ができます。
広告デザイナーのキャリアパスとは
未経験者の方には、広告デザイナーとはどういったキャリアパスなのかと悩んでいる方がいるでしょう。
広告デザイナーになる前と、なってからのキャリアパスについて説明します。
広告デザイナーになるためのキャリアパスとは
特に未経験者の方は、次のキャリアパスを意識してみてください。
- 専門学校などで基本を学ぶ:マスコミ学、デザイン、メディア学、社会学など
- デザイン事務所や広告代理店、広告関係の制作会社へ就職して実力をつける
広告デザイナーになるために、基本的に特別な資格は必要ありません。
ただし、広告デザイナーとして基本的なスキルを習得していなければ、専門職として就職することが容易ではないでしょう。
実際に、広告デザイナーとして活躍している人の多くが大学や短大、専門学校でデザインを学んでいます。
その後、広告代理店や制作会社、デザイン事務所へ就職して、広告デザイナーとしての基礎を積み上げているのが一般的です。
ポイントは、IllustratorとPhotoshop、InDesign、HTLM/CSS・ライブラリーといったグラ専用のソフト・ツールが使えること。
クリエイター能力認定試験などは、自己の操作技術レベルをアピールするのに効果的です。
なお、広告デザインの実務や広告業界での経験は広告デザイナーとしての採用に有利なので、とりあえず代理店や制作会社でアシスタント的に経験を積むケースも多いです。
広告デザイナーになるために有効な資格
広告デザイナーとして実力をアピールするのに役立つ資格は、主に次の5つです。
- Photoshop(R)クリエイター能力認定試験
- Illustrator(R)クリエイター能力認定試験
- DTPエキスパート認証試験
- 色彩検定(R)
- アドビ認定プロフェッショナル
これらの資格試験においては、転職前にチャレンジしておくと良いかもしれません。
もちろん、広告デザイナーになってから取得することもキャリアパスの達成に役立ちます。
広告デザイナーとしてのキャリアパスとは
広告デザイナーになってからのキャリアパスについては、下記にあるように幾通りかのキャリアパスが考えられます。
個々の希望や資質・能力によって、広告デザイナーは将来の道を広く選ぶメリットがあります。
- WEBディレクター:WEBサイト制作における指揮、進行管理を担う職
- WEBプロデューサー:マネジメント職
- フロントエンドエンジニア:WEBサイトやアプリケーションの表示を担当
- 広告コンサルタント:広告成果を分析し、改善や新メニューの提案を行う
- クリエイティブディレクター:ビジュアル制作や広告戦略を指揮する仕事
- ブックデザイナー:本の表紙や文字・挿絵など、書籍をデザインする仕事
- UI・UXデザイナー:利便性の良いシステム・ビジュアルをデザインする職業
- アートディレクター:デザイン面のディレクションを行う職業
上記のキャリアパスの中で、特にデザイン系を極めたいという方はWEBデザイナーからWEBディレクター、クリエイティブディレクター、アートディレクターへキャリアアップすることができます。
これらのキャリアパスに共通する知識・スキルとして、次の6つを意識してください。
- 広告制作の知識
- コミュニケーション能力
- ヒヤリング力
- マネジメントスキル
- マーケティング分析力・問題解決力
- 新しいアイデア(デザイン)の発想力
また、エンジニア的能力を生かしたキャリアパスとして、フロントエンドエンジニアやUI・UXデザイナーを目指すこともできます。
キャリアパスにおいては、一般的に次のような知識・スキルを身に着けます。
- HTML、CSS、JavaScriptのフロントエンド開発言語
- React.js、AngularJSのようなフレームワークや、jQueryのようなライブラリー
- ブランデイング力
- コミュニケーション能力
ブランデイング力やコミュニケーション能力は、広告デザイナーの活動で磨けるでしょう。
広告デザイナーの魅力とは
広告デザイナーの魅力は、ずばり次の3点を挙げることができます。
- 広告デザイナーの将来性は高い
- 自分のデザインが人の心を動かす
- 達成感が大きい
広告デザイナーの将来性は高い
今後も、広告業界は事業拡大を果たすと見込まれています。
特にEC(インターネット上の広告)の市場は規模拡大の一途にあります。
経済産業省の「令和4年度電子商取引に関する市場調査」では、令和4年度のBtoC(消費者向け電子商取引)の市場規模が22.7兆円(前年比9.91%増)、BtoB(企業間電子商取引)では420.2兆円(前年比12.8%増)でした。
直近の9年間は一貫した右肩上がりの成長を遂げています。
なお、株式会社電通が2024年に発表した調査レポ―ト『2023年 日本の広告費』によると2023年のインターネット広告費は過去最高の3兆3,330億円で、総広告費も過去最高の7兆3,167億円でした。
加えて、近年になって広告の手法がマスメディア主流からSNS化・パーソナル化が進んでいます。
これまではマスマーケティングによる大衆向けの広告が主流で、新聞、テレビ、ラジオといったマスメディアよりBtoB・BtoCの広告がなされていました。
しかし、インターネットの普及により、顧客に合わせたよりパーソナライズの広告手法がニーズを拡大しています。
今では中小の広告会社はもちろん、個人が自由に広告配信を行うプラットフォームが多様に設定されていて、広告業界のすそ野が大きく広がっていると言えます。
実際に、広告デザイナーの表現も個性を優先とした制作造りが認められるようになり、その職に深みと幅が増している現状がみられます。
自分のデザインが人の心を動かす
広告デザイナーは、制作物によって人の感情を揺さぶり、購買行動を喚起するという体験ができます。
自分のセンスやロジックが多くの人に受け入れられ、評価されるという経験は人生の宝物となることでしょう。
収入以上に喜ばしいことで、やりがいや生きがいを与えてくれると述べる広告デザイナーがたくさんいます。
達成感が大きい
広告デザイナーは、苦労した分だけ大きな達成感を得られる仕事でしょう。
広告デザイナーの制作活動そのものは縁の下の力持ち的で、何かと苦労が多いのも事実です。
たとえ心血を注いで作り上げた作品でも評価されないケースも少なくありません。
しかし、1つひとつの仕事への思い入れはひとしおで、完成させた時の達成感は非常に大きいと言います。
結果にかかわらず、そんなときは自分を誇らしく思うことができるでしょう。
広告デザイナーの成功事例
実際に、広告デザイナーの成功事例を2つ挙げておきましょう。
- パナソニック株式会社がインスタ広告で売り上げ倍増
- ジョブカンは動画広告で知名度アップ
パナソニック株式会社がインスタ広告で売り上げ倍増
パナソニック株式会社は国内の家電メーカーの代表的な会社ですが、主要品目である高級オーブントースターの新製品リリースでインスタ広告によるヒットを成し遂げました。
この広告では、広告デザイナーの活躍が顕著です。
過去実績をAI機械学習によってガンマシグナル(利用者への影響度数)を分析し、ターゲット層を惹きつけるポイントを見出したとのこと。
そのデータより「サクっと、ふんわり黄金比トースト」というコンセプトを設定し、広告デザイナーがInstagram広告フォーマットに最適なクリエイティブを作成しました。
なお、双方向の情報発信となるタッチポイントを作り出すフィード広告、消費者を引き付けるストーリーズ広告などInstagramの多様な訴求面を生かしたデザインに着手しています。
つまり、広告デザイナーを中心に認知から理解、検討までフルファネルのInstagram戦略を実践しています。
なお、これによる広告想起率が 16 ポイント上昇(ブランド上昇率調査)し、メッセージ想起増加は4.2ポイントのアップ、 2 倍の売上を達成しています。
ジョブカンは動画広告で知名度アップ
ジョブカンは、勤怠管理システムのデジタル化メリットをたった30秒のYouTube広告でアピールすることに成功しました。
その動画広告自体は極めて基礎を押さえた王道的広告で、ジョブカンCMの冒頭5秒でサービス名の「ジョブカン」を最初に表示さ、『アナログ式の管理システムのわずらわしさをチラシが舞う動きで印象付けるなど端的な説明が好評価を得ました。
なお15秒の短尺動画も2種類用意し、CM費対応と視聴者の多様なニーズへも考慮していて、広告デザイナーのインパクトのあるアイデアが十分に発揮されています。
広告デザイナーでおすすめの企業3選
最後に、広告デザイナーとして転職する方におすすめの会社を3社紹介します。
- 株式会社ナハト
- トレンダーズ株式会社
- 株式会社サイバーエージェント
株式会社ナハト
インフルエンサー広告の実績が極めて高い株式会社ナハトは、これから広告デザイナーを目指す方におすすめ。
SNS広告はもちろん、あらゆるデジタル広告で高い評価を受けている広告代理店です。
自社でクリエイティブ作成から運用まで、クライアントはワンストップで依頼が可能なデジタルマーケティングサービスを展開しています。
インフルエンサーマネジメントの実績に長けたSNSマーケターや広告デザイナーが多数在籍しています。
また、自社運営のYouTuber事務所「ONEVIEW」との連携で、大型インフルエンサーが5,000名以上も登録している点も魅力です。
タイアップ系のノウハウがあり、美容ジャンル商材の実績も豊富とさまざまなニーズに最適なプラン提供ができるので、実力アップ・キャリアパス達成の職場と言えるでしょう。
トレンダーズ株式会社
トレンダーズは「人のココロを動かす広告」で評判のマーケティング会社です。
独自のトレンド予測・分析にて「トレンドマーケティング」を展開し、さまざまな手法を複合させた最先端のマーケティングソリューションを提供しています。
SNSマーケティングに強いことに加え、大手美容メーカーや飲料メーカーからの依頼が多いことがあります。
大手メディアで流れる広告に興味がある方にはおすすめです。
なお、女性社員の比率が高く、美容特化チームを保有していて、その方面での成長が期待されています。
株式会社サイバーエージェント
Ameba関連事業やインターネット広告事業で有名なサイバーエージェント。
IT業界において、急成長を遂げたベンチャー企業としても高い評価を得ています。
メディア事業・インターネット広告事業・ゲーム事業の3つの柱で事業展開をしていますが、多彩な広告デザイナーが活躍する点に注目できます。
大規模な広告制作に着手する機会もありますし、小さなチームでコツコツ制作に励むケースもあって、適材適所での活躍が期待できるでしょう。
なお、サイバーエージェントは新しい事業に積極的にチャレンジする会社ですから、チャレンジ精神のある方にはおすすめです。
まとめ
ビジュアルと音声、活字を駆使して広告表現を追求する広告デザイナーは、一般的に着手しやすいクリエイターの花形として人気があります。
広告デザイナーへ転職しよう考えている方は、まず準備として基礎的な知識・スキルの習得を始めてみてください。
そして自分なりのキャリアパスを構築し、丁寧に取り組むようにおすすめします。