ソーシャルメディアマネージャーとは?仕事内容やキャリアパスもご紹介

経営戦略のツールとして、ソーシャルメディアを活用する企業アカウントやコンテンツ運用・管理が常套化しています。

このようなデジタルマーケティング上の取り組みを一手に担うのがソーシャルメディアマネージャー。
今後、一段と注目を集める職種となるでしょう。

今回は、時代をリードするソーシャルメディアマネージャーの仕事内容や必要な知識・スキル、また成功へのキャリアパスなどを分かりやすく解説します。

ソーシャルメディアマネージャーとは

ソーシャルメディアマネージャーとは、FacebookやLINEなど世界的に圧倒的ユーザー数を誇るソーシャルメディアにおける企業アカウントや宣伝サイト、自社サイトの運用・管理を担当する職業です。

以下で詳しく解説します。

ソーシャル メディア マネージャーの仕事内容とは

狙いを定めたターゲット層に自社ブランドや商品・サービスをアピールする手段として、今最も効果的なのがSNS広告。
施策の効果はソーシャルメディアマネージャーに頼るところが大きいです。

ソーシャルメディアマネージャーの働きは、数多くあるソーシャルチャネル(SNSプラットフォーム)に、『どのタイミングで、どのようなコンテンツをリリースするか?』を決定することです。

つまり、公開までの動線を社内の全員に把握しやすいようにプランニングプラットフォームの作成を担当します。

ソーシャルメディアマネージャーの業務は主に以下の7つです。

  • 投稿のスケジュール設定
  • プロファイルの設定
  • グラフィックの作成
  • カスタマーサービスへ対応
  • 共有する関連コンテンツのリサーチ
  • オーガニックリーチ(自然検索など)のためにプロフィールやコンテンツの最適化
  • リーチ、トラフィックなどの指標をフィードバック

消費者ニーズは刻々と変化し、情報源となるSNS・プラットフォームも多様化していきます。

そこでソーシャルメディアマネージャーは、多種多様な選択肢の中から、如何に売れるためのデジタルマーケティング戦略に貢献することに務めます。

ソーシャルメディアマネージャーの役割はデジタルマーケティング戦略において重要だと言えます。

ソーシャルメディアマネージャーに求められるスキル・能力

日々進化するSNS環境において、ソーシャルメディアマネージャーに求められるスキル・能力は非常に高くなります。

成功するためには以下のような、熟達したスキル・能力が求められます。

  • 文章やデザインのクリエイティブ力
  • 情報収集力
  • 管理職としての調整力と折衝力
  • タフなメンタル

文章やデザインのクリエイティブ力

一般的に、ソーシャルメディアマネージャーが直接ツイートや画像などを投稿するケースは多くありません。

しかし、コンテンツの仕上がりを正しく評価するために、一定以上の文章力・デザイン力といったクリエイティブの力量が求められます。

でき上ったコンテンツの仕上がりから、効果はどの程度見込めるのかを考えると共に、修正するにしても方向性についても立案する必要があります。

情報収集力

ソーシャルメディアマネージャーにとって、情報収集力は最大の武器です。

消費者の情報収集ルートにおいて、今では従来のマスメディアとWEB系・SNS系といったデジタルメディア、さらには純粋な口コミなどのコミュニティルートが相互作用しています。

しかも、Facebook全盛の時代から、InstagramやLINEの急速な普及、近年のTikTokブームやアメリカのトランプ前大統領によるトゥルース・ソーシャルなど、デジタルメディアの流行も目まぐるしく変化しています。

時代の流行を的確に把握するために、自らの情報収集力を養うことは重要です。

管理職としての調整力と折衝力

ソーシャルメディアマネージャーは管理職の点から、調整力と折衝力を求められます。

マーケティングや制作、カスタマーサポートなど、多様な業種によるチームをマネージメントする役職です。

プロジェクトの成功のためには、柔軟で風通しの良いコミュニケーションの場を提供し、絶えず調整していく能力が必要と言えます。

なお、クライアントの要望や意見を考慮して、具体的な提案へとつなげる折衝力も求められます。

タフなメンタル

ソーシャルメディアマネージャーは、提供サービスへの評価・実績について矢面に立つポジションですからメンタル面でタフである必要があります。

特にデジタル広告では、『何がヒットして何が不評を呼ぶのか?』はフタを開けて見なければ分からないケースが多々あります。

たった一言のツイートで大炎上したり、アカウントがバンされたりするリスクも潜んでいるのです。

不利益な結果の責任を取り、職を失うソーシャルメディアマネージャーもいます。

こうしたトラブルで精神的なストレスを抱え込まず、前向きにチームを引っ張っていくメンタルタフネスは、ソーシャルメディアマネージャーの資質・能力として養っていきたいものです。

ソーシャルメディアマネージャーのキャリアパス

未経験の方がソーシャルメディアマネージャーへと転職をするために、目安となるキャリアパスを紹介しましょう。

また、ソーシャルメディアマネージャーになってから、将来へのキャリアパスにも言及します。

ソーシャルメディアマネージャーになるためのキャリアパス

未経験の方がソーシャルメディアマネージャーになるためには、なるべくWEB系かSNS系の職場経験を積むと良いでしょう。

管理職であるソーシャルメディアマネージャーは専門性が高く、要求される経験やスキルも特別だからです。

つまり、ネット広告代理店などの職歴が転職に有利なキャリアパスとなります。

具体的には、異業種からの転職で、一旦下記の職業を経ておくと良いかもしれません。

  • WEB系の営業担当(ビジネスプロデューサー)
  • WEB系のメディア担当
  • WEB系のプランナー(マーケター)
  • WEB系のクリエイティブ

デレクターやプロデューサーの役職を経験することでソーシャルメディアマネージャーへの転職が可能となるでしょう。

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ソーシャルメディアマネージャーからのキャリアパス

ソーシャルメディアマネージャーから、さらにキャリアアップを求める場合のキャリアパスは下記の3通りが考えられます。

  • さらに高給の外資系ソーシャルメディア系企業へ転職する
  • 独立してネット広告代理店を立ち上げる
  • ネット広告系のコンサルタント

ポイントは、そのままソーシャルメディアマネージャーとしてキャリアを積み上げるか、独立して広告代理店などを立ち上げるかを選択します。

独立する場合は、スタートアップ企業の立ち上げと、フリーランスとしてコンサルなどを手掛けるケースが考えられるでしょう。

ソーシャルメディアマネージャーの魅力

ソーシャルメディアマネージャーへの道は容易いものではありません。

また、責任の重いポジションでもあり、成功するための準備や努力はハードルが高いと言えるかもしれませんが、それを補って余りある魅力があります。

  • ソーシャルメディアマネージャーは高収入
  • ソーシャルメディアマネージャーはSNS上で流行を作ることができる
  • ソーシャルメディアマネージャーの将来性

ソーシャルメディアマネージャーは高収入

ソーシャルメディアマネージャーは管理職として、年収500万円~800万円が相場でしょう。
ちなみに、SNSマーケティングの職場の年収は300万円~800万円程度とあります。

なお、この職業は10年ほどの歴史しかない新しい職業で、世界的なニーズが急速に高まっていることからさらなる年収アップが期待できます。

例えば、CNN社の『これから成長するキャリアトップ100』にソーシャルメディアマネージャーの職がランクインしています。

アメリカでの年収は、2024年時点で平均年収が57,400ドル、高い場合で89,900ドルともあり、注目度は高いです。

ソーシャルメディアマネージャーはSNS上で流行を作ることができる

ソーシャルメディアマネージャーは、クライアントが発信するあらゆる情報を、実利的効果を持った情報としてSNSユーザーに届けるためのコンテンツ造りに貢献するというやりがいがあります。

つまり、『今の流行を作り出す仕掛け人』としての評価を世間から受けるポジションです。

かつて、バブル全盛期の博報堂や電通のメディアマネージャーが享受した歓喜が味わえるといった魅力があります。

ソーシャルメディアマネージャーの将来性

ネット広告代理店の株式会社サイバー・バズらによる国内ソーシャルメディアマーケティングの市場動向調査によると、2023年の国内ソーシャルメディアマーケティングの市場規模は約1兆899億円とあります。

なお、2027年には約1兆8,868億円に達するとも見込んでいます。

つまり、あらゆる企業がソーシャルメディアによる広告戦略を着手していて、もはやデジタルマーケティングにおける生命線とも評価されています。

実際に、ソーシャルメディアの活用で業績を大きく伸ばした例は増加の一途です。

今後も、ソーシャルメディアマネージャーのニーズは拡大すると期待されています。

ソーシャルメディアマネージャーの成功事例

ソーシャルメディアマネージャーの活躍で業績アップした成功事例を2つ挙げます。

  • タコベルのSNSを一次的にブラックアウトする
  • HelloFreshのシークレットシェフ料理が宅配される

タコベルのSNSを一次的にブラックアウトする

2014年9月28日、アメリカのファーストフードチェーン・タコベルが自社のソーシャルメディア全てを一時的にブラックアウト(使用不能に)したとのニュースが全米に流れました。

ブラックアウトした画面には、ハッシュタグ ♯onlyintheapp を宣伝する画面と、iOSとAndroidの両方で、アプリをダウンロードするためのリンクのみを表示しました。

これは、画期的なソーシャルメディアマネージメント戦略で、『SNSをコンテンツの押し売りとブランドの宣伝のためだけに利用したくない。いいね!やシェア数ではなく、各店舗がお客と育んだ会話や投稿者による情報拡散といったインタラクションに重きをおく。』との狙いがありました。

その結果、タコベルアプリは2日間で30万ダウンロードされ、全店舗の販売の75%がモバイル注文であったとのこと。

なお、当時タコベル の注文アプリは、Foods & Beverages (食べ物 & 飲み物) のカテゴリで、スターバックスやマクドナルドを抜いて1位になるなどの成功を収めています。

HelloFreshのシークレットシェフ料理が宅配される

ミールキット配達サービスをグローバル展開するHelloFresh は、料理コンテストのライブ配信と、コンテスト内で作られた絶品料理を宅配するというコンテンツで知名度を挙げました。

新たな試みはSNSメディアマネージャーらの活躍が大きくで、ソーシャルメディアマーケティングの可能性を高めたと評価されています。

シークレット シェフによるミールキットによって、HelloFreshは新しい食体験とこれまでにない視聴体験をSNSユーザーに提供することに成功しました。

なお、料理や食中心のコンテンツに興味のある熱心なSNSユーザーにリーチすることで、さらに コンテストの嗜好を高めるプロデュースに着手しています。

ソーシャルメディアマネージャーでおすすめの企業

最後に、これからソーシャルメディアマネージャーへ転職を考えている方へおすすめの企業を3つ紹介します。

  • 株式会社ハーマンドット
  • 株式会社サイバーエージェント
  • ソーシャルワイヤー株式会社

株式会社ハーマンドット


株式会社ハーマンドットは、SNSアカウント運用およびSNS広告運用で優れた実績を挙げている少数精鋭のベンチャー企業です。

特にSNSアカウント運用サービスでは、クライアントとの親密なコミュニケーションをはじめ、ターゲット層の絞り込みやそのニーズ・興味に適したコンテンツの制作、コンスタントな更新など、実利あるSNSアカウント運用に携われる職場です。

また、投稿コンテンツの企画提案から配信、コメント対応に至るまでSNS広告運用のスキルを徹底的に高める職場でもあることから、ソーシャルメディアマネージャーを目指しながら実務にも携わりたい方にはおすすめです。

株式会社サイバーエージェント


サイバーエージェントは、SNS含めデジタル広告の総合代理店のリーディングカンパニーです。

未経験者が初歩的なSNS広告に携われる環境があるので、コツコツとキャリアアップする職場としてもおすすめです。

じっくりとプロの仕事を学ぶことで、将来的にソーシャルメディアマネージャーのポジションを掴むことも可能でしょう。

なお、サイバーエージェントはAIやインフルエンサーを活用した最先端のテクノロジーを駆使したプロダクトに積極的です。
最新テクノロジーと関わる仕事がしたい方にとってもメリットは高いでしょう。

ソーシャルワイヤー株式会社

ソーシャルワイヤーはインスタグラムを中心に、インフルエンサーの体験レポートや商品解説を投稿してもらうSNS広告の手法・Find Model(ファインドモデル)が高く評価されています。

アットプレスやNEWSCASTなど、自社開発のプレスリリース配信エンジンでPRやインフルエンサー施策と掛け合わせたSNS運用も提供。

2019年創業の新しい会社ですが、平均年収が5年間で16%アップしていることから、入社後の給与アップが期待できます。

「ポジションが人を育てる」の考えの下、年齢や性別にとらわれない役割の提供に積極的なため、特にキャリア構築を貪欲に行いたい人におすすめです。

まとめ

SNSを媒体とするビジネスが活況な今、ソーシャルメディアマネージャーは大いに魅力のある職業です。

プロジェクト全体に責任を持ち、複数のチームメートを指揮しながら制作を進めていく役職は、責任も大きいですがやりがいもひとしおです。

未経験の方がいきなり就ける職種ではありませんが、現実的なキャリアパスを構築し、一つ一つのステップをしっかりと積み上げて将来の成功へ向けてトライしていきましょう。

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