転職における履歴書「趣味・特技欄」の書き方と例
転職活動で必要となる履歴書。
その中でも、「趣味・特技欄」は応募企業に自分の興味や適性を伝えられるチャンスとして活用できる、重要な箇所です。
本コラムでは、履歴書の趣味・特技欄を効果的に活用するポイントと、WEB業界への転職に使える例文をご紹介します。
目次
履歴書の趣味・特技欄にも気を配るメリット
履歴書における趣味・特技欄は、直接的には採用の可否に関わることはないと言われています。
ただし、履歴書に記載されている限り、採用担当者は内容をしっかり確認します。
趣味や特技をどのように表現するかによって企業に与える印象が大きく変わるため、慎重に記入することが大切です。
趣味・特技欄を丁寧に記入すると、以下のようなメリットがあります。
- 人間性を伝えられる
- 企業とのマッチングを見極められる
- アイスブレイクに役立つ
以下で具体的に見ていきましょう。
人間性を伝えられる
趣味・特技欄では、仕事に必要なスキルや経験だけでは測れない、自分の人間性や個性を表現できます。
例えば、スポーツが趣味であれば体力やチームワークがあることを伝えられますし、DIYが趣味の場合はクリエイティブな印象を与えられるでしょう。
業界や職種、企業によってアットホームな社風や体育会系など、特有のカルチャーが存在します。
そのため、趣味や特技を通じて価値観や人柄を伝えることで、自然に企業との相性をアピールすることが可能です。
特に、スキルよりも人間性や相性が確認される未経験業界への転職では、しっかりと伝えられるようにすべきです。
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企業とのマッチングを見極められる
趣味・特技欄は、企業側にとって応募者が自社のカルチャーや応募職種、業務にフィットする人物であるかの判断材料になります。
例えば、語学が特技の場合はグローバルなビジネスを展開する企業に適性があるとみなされ、映画鑑賞が趣味なら、感受性やトレンドを重視する企業に好印象を持ってもらえるでしょう。
企業が求める人物像にマッチした趣味・特技が記載されていることで、親近感を与えることができ、その後の採用もスムーズに進む可能性が高まります。
企業が求める人物像をしるには、企業研究が欠かせません。
以下も参考にしてください。
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アイスブレイクに役立つ
履歴書は、単なる応募書類としてだけでなく、書類選考後の面接時における参考資料としても使われることがあります。
趣味をきっかけに会話が始まることでその場の空気が和らぎ、お互いにリラックスした状態で面接を進められるのもメリットです。
また、初対面の人と話すのが苦手な人でも、自分の好きなことについては話が弾むことがあります。
そのため、履歴書に記入する内容は、普段から親しんでいる趣味や詳しく説明できる特技を選ぶことで、より有利に選考を進められる可能性があります。
履歴書にある趣味・特技欄の書き方とポイント
ここでは、趣味・特技欄の書き方とポイントをご紹介します。
結論から書く
趣味・特技欄に記載する際は、結論から書くことが重要です。
採用担当者は、限られた時間の中で応募者一人ひとりの履歴書に目を通す必要があるため、内容をすぐに理解できることもポイントになります。
長い文章で説明するよりも、まずはシンプルな結論を伝えてから補足情報を記載することで、相手にとって読みやすく、スムーズに理解してもらえます。
さらに、簡潔にまとめることで読み手の立場を考えて書かれていることが伝わり、好印象を与えやすくなるでしょう。
エピソードを添える
趣味や特技に加えて、簡潔なエピソードを添えることも効果的です。
例えば、スポーツが趣味の場合、「趣味はサッカーです。学生の頃から続けており、現在は週に1回、社会人サッカークラブでプレイしています。」と書くことで、単にサッカーが好きというだけでなく、継続力や人間関係をアピールすることができます。
こうした具体的なエピソードを加えることで、採用担当者が応募者の個性をイメージしやすくなり、より印象的な内容にまとめられるでしょう。
自分のアピールポイントに関連づける
シンプルに趣味を記入することも間違いではありませんが、仕事に対する姿勢やスキルに関連する内容にすることで、意欲をアピールできます。
例えば、資格取得が趣味の場合、「資格学習を通じて達成感を得られるだけでなく、仕事にも生かせるスキルを身に着けています。」と書くことで、向上心があることを伝えられるでしょう。
さらに、応募企業や職種との関連性を意識して記入することで、企業との親和性や積極的な姿勢を示せます。
履歴書に趣味・特技欄を書く時の注意点
履歴書の趣味・特技欄は、自分を自由にアピールできる箇所です。
とはいえ、何でも書けば良いというわけでなく、より効果的に伝えるための工夫が必要です。
ここでは、記入する際の注意点についてご紹介します。
相手に与えるイメージに注意する
趣味・特技欄を書く際は、企業が求める人物像にマッチする内容にすることが大切です。
ギャンブルやリスクの高いスポーツなど、人によってはネガティブな印象を受ける可能性があるものは避けましょう。
お酒やゲームなども、業界に関連性がある場合は問題ありませんが、書く内容によってはだらしない、もしくはリスク管理ができない印象を与えるなど、誤解を招く可能性があるため注意が必要です。
応募企業に対する理解や相手の受け取り方を意識して、適切な事柄と表現を選ぶことが重要です。
嘘は書かない
趣味や特技が思いつかないからといって、嘘の内容を書くことは望ましくありません。
書面上では好印象を与えられても、面接で詳しく質問された時にうまく答えられず、不信感を持たれてしまう恐れがあります。
さらに、選考時は問題がなかったとしても、入社後に辻褄が合わないなど、後々になって肩身が狭い思いをするかもしれません。
それだけでなく、履歴書に事実と異なる情報を記載することは「経歴詐称」とみなされ、内定取り消しとなったり、入社後に解雇されたりするリスクも考えられます。
仮に些細な内容であっても、誠実に伝えることで面接でのやりとりがスムーズになり、信頼関係を築きやすくなるでしょう。
一貫性のある内容にする
履歴書の内容全体と、趣味・特技欄の内容に一貫性があることもポイントです。
例えば、WEBデザイナーなどクリエイティブな職種に応募する場合、イラスト制作を趣味として記載すると、志望動機やスキルとの関連性が高まり、説得力を持って伝えることができるでしょう。
反対に、履歴書の長所の欄で「コミュニケーション能力が高い」と記載し、その後の趣味の欄で、「手芸や工作」など、一人でコツコツと取り組むイメージがある趣味が書かれていると、採用者に違和感を与える可能性があります。
ギャップや意外性のある内容で興味を持ってもらえた、といったケースも中にはありますが、あまりにも関連性がないとちぐはぐな印象を与えてしまうリスクがあることには注意が必要です。
空欄は避ける
履歴書は基本的に全ての欄を埋めましょう。
履歴書によっては趣味・特技の欄が設けられていない場合や、仕事に直接的な関わりがない箇所であることから、おまけ程度にとらえている人もいるようです。
しかし、欄が空白になっているとせっかくの自己アピールのチャンスを逃してしまう可能性があります。
ちょっとしたエピソードであっても、工夫して記載することによって採用担当者の目に留まったり、面接で話題にしてもらえたりするきっかけになります。
自分自身をよりよく理解してもらうためにも、趣味や特技の欄を最大限に活用することを心がけましょう。
趣味・特技が思いつかない時は?
履歴書に記載できるような趣味や特技が思い浮かばないと悩む人は少なくありません。
とはいえ、せっかくの欄を空欄のままにしてしまうのはもったいないことです。
未経験での転職であれば、スキル以外でよりアピールできるようにしましょう。
日頃から無意識に行っていることが他者からすると目を引く趣味だったり、特技としてアピールできる長所だったりすることがあります。
そこで、ここでは趣味や特技が思いつかない時に役立つ具体的な方法をご紹介します。
これまでの経験を振り返る
過去の経験を思い返すことで、自分の興味のあることや好きなことを見つけるきっかけになります。
例えば、学生時代に所属していたサークルや習い事などは、自分が楽しめる趣味であると同時に、特技にもなり得るでしょう。
また、過去に人から褒められたことがある事柄を振り返ってみることで、自分では意識していなかった個性に気付けるかもしれません。
時系列で出来事を書き出してみたり、昔の写真や日記を見返したりすることで、振り返る手助けにしてください。
ささいな習慣から考える
日常的に行っている習慣が、他者にとっては興味深い趣味としてアピールできることもあります。
例えば、「ウォーキングが趣味で、毎朝の通勤で一駅分歩いている」といったエピソードは、継続力があることや、健康管理を大切にしていることを伝えられるでしょう。
たとえ特別な事柄でなくても、書き方を工夫することで自分らしさや長所を表現することが可能です。
周囲に聞いてみる
趣味や特技が思いつかない場合、友人や家族など、身近な人に意見を求めるのも一つの方法です。
第三者の視点から見てもらうことで、新たな気づきを得られる可能性があります。
また、近しい関係の人だけでなく、転職エージェントやキャリアアドバイザーなど、プロに相談するのも有効です。
コンサルティングを通して自分の魅力を引き出してもらいつつ、より魅力ある伝え方に関するアドバイスを受けられることもメリットです。
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履歴書の趣味・特技欄の記入例
最後に、WEB業界へ転職する際の履歴書におすすめの趣味・特技欄の記入例をご紹介します。
趣味に特化した例文
【カメラ】
旅先の美しい景色を撮影することで、新しい視点やインスピレーションを得られることに魅力を感じています。
【スポーツ】
週末にランニングをすることを習慣にしており、マラソン大会にも定期的に参加しています。リフレッシュできるだけでなく、完走した時の達成感や、体力の向上にもつながっています。
【読書】
ビジネス書や実用書を中心に、年に50冊以上の書籍を読んでいます。新書や書店で話題になっている書籍をチェックすることで、新しい知識や価値観を得て、日常生活や仕事に活かしています。
【ブログ】
ブログ運営が趣味で、学生時代から鑑賞した映画についてのレビューを投稿しています。文章にまとめることや、WEBマーケティングにも関心があり、より多くの人に読んでもらえるようなブログ運営を工夫しています。
【美術館巡り】
様々な地域、ジャンルの美術館を訪れるのが趣味です。実際に足を運んで作品を目にすることで刺激を受け、クリエイティブな発想に役立っています。
特技に特化した例文
【プログラミング】
独学でJavaScriptを学び、趣味のパズルゲームのアプリを開発しました。リリースしたアプリは5000ダウンロードを越えました。
【画像編集】
Photoshopを使った画像編集が得意で、自身で撮影した風景写真をSNSで発信しています。特に色彩にこだわった表現が得意で、オリジナルのフィルター効果もデザインしています。
【料理】
あらゆるジャンルの料理に挑戦する中で、特にスパイスにこだわったカレー作りに取り組んでいます。試行錯誤を重ねながらよりクオリティの高い味を追求し、定期的に家族や友人に振る舞っています。
【語学】
英語と中国語を独学で継続的に学んでいます。交流会にも積極的に参加し、他言語を用いたコミュニケーション能力を磨いています。
【DIY】
家具やインテリアのDIYが趣味で、自宅の棚や照明などを自作しています。統一感のある素材やデザインにこだわり、細部にも気を配れることが特技です。
まとめ
履歴書の趣味・特技欄は、単なるおまけではなく、自身の個性や仕事に対する姿勢を企業に伝えられる重要な箇所です。
しっかりと記入することで、採用担当者の目に留まり、面接時の話題づくりや企業とのマッチングをアピールする機会になります。
記載する趣味や特技を選ぶ際は、過去の経験や日常の習慣を振り返り、応募企業との関連性や、履歴書全体と一貫性のある内容にすることもポイントです。
自分の個性を魅力的にアピールし、納得のいく転職を成功させましょう。