WEB業界で求められる人物像は?転職では人物像がより重要

近年では、目覚ましいインターネット環境の進化にともない、WEB業界全体が規模・内容ともに急成長しています。
それにつれて、これからWEB業界へ転職しようと考えている人も急増しています。

そこで、『WEB業界ではどんな人材が求められるのか?』と気になっている人も多いことでしょう。

今回は、『WEB業界で求められる人物像とは何か?なぜ業界はスキルよりも人物像を重要視するのか』について分かりやすく解説します。

WEB業界ではスキルより人物像が求められる

今、WEB業界ではスキルより人物像が求められると言われています。
その理由は、現時点でWEB業界が抱える人材不足が大いに関係しています。

なぜWEB業界では人物像重視で人材確保が優先なのか

ちなみにWEB業界とは、主にWEBサイトやWEBサービスの制作事業を行う業界を指します。

具体的には、SNSやソーシャルゲーム、各種ポータルサイト、WEB広告といったWEBサービスを手掛ける企業や、それらWEBサービスを利用したWEBマーケティングをサポートする企業のことです。

現在、ネット環境の進歩に比例してWEB業界は急成長しています。
そのため、多くの職場では大幅に人材が不足している状況です。

ちなみに、経済産業省の『IT人材需給に関する調査2019』によると、WEBデザイナーを含むIT人材不足数が2030年には少なくとも16.4万人、最大で約79万人に達すると予想されています。

WEB業界全般で見られる求人状況として、とにかく人物像を重視した採用が優先されていますが、その理由は大きく2つです。

  • WEB業界の離職率が高いので、辞めずに頑張る人物像が求められる
  • 職種が多いから多様な人材が求められる

WEB業界の離職率が高いので辞めずに頑張る人物像が求められる

WEB業界は目下の注目業界であり、働き方もスマートで若い人を中心に人気が高いですが、一方で離職率の高い業界としても有名です。

それは業界の歴史が浅く、いまだにマニュアルが確立されていないため、新人が未知の働き方に迷ってしまうことがあります。

WEB上のツールをベースにした職場、専門的なスキルの習得など、いざ転職しても仕事ができるようになるまでにはステップが多いのも事実です。

しかも、日々進歩するWEB技術を習得すべく、絶え間なく学習する必要があります。
このような厳しい状況下で、モチベーションややる気を失ってしまう人が多く、それゆえに挫折して他の業界へと移っていくケースも珍しくありません。

そこで企業側は、採用時の専門知識・スキルのレベルよりも、それ以前に本人の向上心や忍耐強さを重視して採用する傾向があります。

日々スキルの習得に努力する人材、そんな人物像が求められる現状があるのです。

職種が多いから多くの人材が必要

WEB業界の職種は多岐にわたりますので、職場の多様性に応じて求められる人物像もさまざまです。

WEBサービスの分野だけでも大きく8つあり、それぞれに多種多様な職場が配置されています。

【主なWEBサービス】
SNS、ソーシャルゲーム、ポータル、WEB広告、eコマース、キュレーション、 eラーニング、電子書籍など

※WEBサイト制作や自社のWEBサービスの制作・運営の職種も多様で、各セクションで専門スキルが必要です。

【WEBサイト制作・運営における主な職】

  • WEBディレクター:プロジェクト管理・指揮
  • WEBマーケター:ネットでのプロモーション活動
  • WEBエンジニア:システム開発や保守を担当
  • WEBプランナー:サイトのプランや設計
  • WEBデザイナー:サイトのデザイン全般

このように多様な職場があり、それぞれに求められるスキルも様々。

そこで今、WEB業界では可及的速やかに人材を確保するために、未経験や異業種からの転職者も採用して、研修や実践で育てる方法を取っています。

まずは求める人物像を明確化して対象者を採用するという方法で人材確保を優先しているのです。

スキルは入社後に習得しても大丈夫

前述のとおり、WEB業界では将来性のある人材、新しい職へ粘り強く取り組むことのできそうな人材が求められるし、必要なスキルは入社後に教育するといった傾向が見られます。

分野ごとに研修が用意されている

WEB業界では、基本的に入社後の研修を実施している企業が多いです。

したがって、文系の人も研修と実務を通して専門スキルを身に付け、WEBエンジニアやWEBデザイナーとして活躍するチャンスが開かれています。

そこで、未経験の転職希望者は業務に必要なスキルを積極的に身に付ける気概・やる気をアピールしましょう。

転職先でどのような研修や実習が行なわれているかを事前に調べ、自分ならどう取り組むかのプランを持っておくと良いでしょう。

OJTで働きながらスキルが習得できる

研修の他にも、OJT(On the Job Training)といって実務の中でスキル習得を目指す教育制度を採用している企業もあります。

半年から1年の長期実習カリキュラムを組んで、徹底的に教育。
もちろん給与を得ながらのプログラムですから、安心して学習に励むことができるでしょう。

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WEB業界で求められる人物像とは

WEB業界を含むインターネットサービス業界では、転職者の70%以上が異業種からとのデータがあります。

しかも、WEBスキルをほとんど持たない未経験者も少なくありません。

これまで述べた通り、企業が求める人物像に適していれば、たとえ異業種の未経験者でも採用される可能性があります。

では、企業に求められる人物像とはどのようなものでしょうか?
一般的にWEB業界に求められるとされる人物像ですが、大きく次の5つの資質・性格が当てはまります。

  • 向上心がある人
  • コミュニケーション能力がある人
  • 分析力・論理的な思考力がある人
  • 問題解決能力がある人
  • 最後まであきらめない忍耐強さがある人

もちろん、各企業において具体的な査定基準を設け、配属する職種・職場で求められる人物像が違います。

なお、WEB業界が求める人物像を全て持ち合わせている必要がありません。

それぞれに活躍できる職種がありますから、自身の資質・性格を転職先の選定基準にすることができます。

向上心のある人が求められる

WEB業界に限らず、自分を高めようと自主的に努力する人は業界で求められるでしょう。

新しい技術や知識を習得して、今以上に質の高い仕事を成し遂げようとする向上心が企業を高める原動力になります。

さらに、より高い報酬を求めて努力する人も同様に、向上心がある人材と評価されます。

WEB業界で求められる理由

WEB技術は日々目覚ましい発展を遂げていて、スキルもトレンドもどんどんと変わっていくもの。
この変化に対して、たゆまずに学んでいく向上心が業界で必要とされます。

また、最新技術やトレンドをキャッチするのも自身の努力が必要で、絶えずメディアへとアンテナを張ってチェックすることも怠れません。

このように、自身の知識・スキルを向上する努力を惜しまない資質があれば、企業は喜んで採用することでしょう。

WEB業界にはスタートアップ企業やベンチャー企業のように小規模の会社が多く、向上心のある社員が機動力となり、業績アップするケースがあります。

特に活躍しやすい職種

向上心のある人は、WEB業界のどの職場でも活躍できるチャンスがあります。
強いて言えば、次の3職種が適しているかもしれません。

  • WEBデザイナー(コーダー)
    :もっともWEBスキルが実践される職種で、絶えず新技術の習得にいそしむ
  • WEBマーケター
    :マーケティング戦略も日進月歩で、学ぶことが非常に多い職種
  • WEBプロデューサー
    :クライアントへのプレゼンでは、よりコンバージョン率の高い提案が必要で、絶えずアイデアを絞り出すためのWEB知識・スキルの理解が求められる



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コミュニケーション能力のある人が求められる

WEB業界の仕事は個人作業が中心で、あまりコミュニケーション能力を問われないと思われがちです。

しかし、WEBデザイナーやWEBエンジニアといったクリエイター職でも、ただパソコン上で黙々と作業をするわけではありません。

実は、コミュニケーション能力を発揮する場面が多々あります。

WEB業界で求められる理由

コミュニケーション能力が求められる場面として、まずクライアントとの打ち合わせがあります。

クライアントの希望や要望を的確に把握するためのヒアリングは、WEB業界で重要な仕事です。

また、WEB作成の際に、チーム間での情報共有を徹底するのに高いコミュニケーション能力が必要となります。

大きなプロジェクトでは、全てのスタッフが円滑にコミュニケーションをとる体制を整えないと、決して満足のいく成果が上がらないものです。

特に活躍しやすい職種

コミュニケーション能力のある人が特に活躍する場としては、主に次の3職種があります。

  • WEBプロデューサー・プランナー
    :クライアントとの打ち合わせ・プレゼン
  • WEBディレクター
    :プロジェクト全体を総監督する際の指揮・管理
  • WEBマーケター
    :解析データをフィードバックする際の会議など



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分析力・論理的な思考力のある人が求められる

WEB業界の仕事では、分析力・論理的な思考力がベースとなって仕事が進められていく傾向があります。

クリエイティブな職場でも同様で、単にイメージやセンスだけでモノ造りをすることはありません。

WEB業界で求められる理由

WEB上での経済活動は年々規模を拡大させている一方、歴史が浅いことからノウハウ・セオリーが不確定の状態です。

また、続々と新技術が開発される中、それらのデジタルツールと膨大なデータをどう活用するかがポイント。

こういった職場では、おのずと分析力・論理的な思考力が求められるでしょう。

特に活躍しやすい職種

分析力・論理的な思考力のある人が活躍する場としては、主に次の3職種があります。

  • WEBプロデューサー・プランナー
    :企画草案は論理的思考とデータ解析がかかせない
  • WEBディレクター
    :総指揮を執る立場で、論理的に指示を出す
  • WEBマーケター
    :収拾したデータを論理的に解析し、フィードバックする能力が必要



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課題解決能力のある人が求められる

課題解決の能力は、業績アップに直結する資質です。

WEB業界ではクライアントの依頼に応えるべく、ソリューションの提案力が重要です。

オリジナリティある課題解決の能力をもつ人材は、スキルの有無といった条件よりも重く求められると言えるでしょう。

WEB業界で求められる理由

WEBマーケティングを実践する企業にとって、効果的なソリューションの提供ができるかが業績アップにつながるポイント。

現時点でクライアントが抱える問題とは?それをどのように解決するのか?WEB業界にとって、課題解決型の企画が提案できるかどうかで業績が変わってきます。

つまり、WEB業界ではクリエイティブの面から課題解決能力が発揮できる人物像が求められるでしょう。

特に活躍しやすい職種

課題解決能力のある人が活躍する場としては、主に次の3職種があります。

  • WEBプロデューサー、プランナー
    :ヒアリングをもとに、問題提起からソリューションの提案を担当する
  • WEBデザイナー
    :企画に応じて、ソリューションに見合ったWEB素材を作成する
  • WEBマーケター
    :データ解析より、具体的なマーケティング戦略の提案をする



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最後まであきらめない忍耐強さがある人が求められる

WEB業界では、『あたえられた職務は最後まで責任をもってやり遂げる』といった忍耐強い人材が強く求められるのです。

WEB業界で求められる理由

WEB業界では少人数の企業が多く、個々の作業負担が大きい傾向にあり、最後まで仕事をやり遂げることで結果が出るといっても過言ではありません。

また仕事のほとんどがゼロから作り上げる作業で、途中で迷走するトラブルも多々あります。

忍耐力のある人物像、自身の知識と技術を駆使して、あきらめずに仕事に取り組める人物がWEB業界では求められると言えます。

特に活躍しやすい職種

忍耐強さがある人が活躍する場は、WEB業界のすべての職種です。

先にも述べた通り、少数精鋭で運営される企業が多く、どのスタッフも自主的に黙々と仕事に打ち込むのがWEB業界のビジネススタイルと言えます。

そのため、『とにかくイラスト作成が好き、コーデイングが好き』という人には、完成するまでその作業に没頭するという傾向さえ見られます。

このような忍耐強い人物像、粘り強く仕事に集中できる人物像がWEB業界では求められるのです。

その他に求められる資質

その他にも、WEB業界で求められる人物像がいくつかあります。

倫理的な思考力がある

WEBマーケティングでは、一般大衆の方へ情報発信をする際、道徳的・倫理的な内容であることを重視します。

差別的な表現や過度な誇張表現、犯罪を助長するような表現は避けないと、業績がマイナスになったり、企業イメージに大きなダメージを与えたりする可能性があるからです。

自分が活躍するフィールドを果てしなく広げたいと思っている人

WEB業界は、個々の描くキャリアパスに許容性が大きい職場だと言えるかもしれません。

続々と開かれる新境地の業界ですから、やる気次第でどこまでも可能性を拡大し、活躍のフィールドを広げていくことが可能です。

そういった夢のある人物像も、WEB業界では求められるでしょう。

異文化を理解する気持ちを持っている人

WEB上では、情報発信の瞬間からグローバル規模でのマーケティングが展開されます。

ターゲット層をグローバルに設定する場合、国内の常識だけでは決して世界に受け入れてもらえません。

そういった意味から、WEB業界は異文化への理解や敬意をもった人物像を求められるのです。

WEB業界では人物像に応じた転職チャンスがある

上記の挙げた人物像は、WEB業界に転職するチャンスが大きいと言えるかもしれません。

これからWEB業界へ転職を希望する方は、まず自身の性格・資質の再確認をしましょう。

なお、個々の転職希望者が持つ経験や、これまで培ってきた知識・スキルを活かすこともできます。

これまでの知識や経験が求められるケースもある

WEB業界では、他の業種の経験や知識・スキルが必要とされています。

WEBマーケティングの活動をサポートするWEB業界では、実社会のあらゆる経済活動をWEB化するためのサポートを行います。

つまり、WEB業界のクライアントは社会のすべての企業や団体であり、各々の業界に関する知識や経験はWEBマーケティングにとって必要な力になると言えるでしょう。

転職前までに習得した技術やノウハウ、専門知識をきっちりと棚卸して転職に望めば、その力を求める企業と出会えるかもしれません。

なお、習得した経験やスキルを基にWEB業界の企業とマッチングする転職エージェントの助けを借りると、転職の成功率がアップするでしょう。

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WEB業界へ転職の準備として求められる人物像を確認しましょう

ここまでWEB業界が求める人物像について詳しく確認してきました。

特殊な知識・スキルを必要とする業界ではありますが、企業はまず人物像を見極めて採用する事を知っておいてください。

転職活動では、履歴書・職務経歴書、ポートフォリオ、面接で自己アピールをしていきます。

この少ないチャンスの中で、いかに求める人物像に叶うことをアピールできるかが成否を分けると言えるでしょう。

そこで、転職活動をする前に、自分自身を再確認するようにおすすめします。

自分はどういった人物像にかなうのか、それはどうしてか、どんな経歴(経験)が証明するのかなど、論理的にまとめておくと良いでしょう。

なお、自己分析や自己アピールのノウハウは転職エージェントなどを利用して理論武装しておくことができます。

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